第58話:真冬のイルクーツクと極寒の便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日はホワイトホールの中で暑すぎて頭が溶けそうになったし、もう暑すぎる場所はマジで勘弁って思ってた。
涼しくて落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を極寒にぶち込んでくる。
今日は昼に食ったロシアの「ペリメニ」が胃の中でモヤモヤしてて、肉餡の旨味とスープの温かさが腹をギュルギュル鳴らしてる。寒い日に温まるものを選んだつもりが、結局トイレに駆け込む羽目になった。
ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、イルクーツク!?」
目の前には、真冬のイルクーツクの雪原。
雪が「ザザーッ」と積もってて、風が「ゴオオオ!」と吹き荒れてる。
遠くに凍りついたバイカル湖が「キラッ」と光ってて、木造の家から煙が「モクモク」上がってる。
で、俺はいつものように便器ごと、そのイルクーツクの極寒のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……真冬のイルクーツクでトイレって、涼しすぎて凍死するだろ!」
すぐ横では、地元の人が厚いコートで「ブリャート!」って何か叫びながら雪をかいてて、犬ぞりが「ガシャガシャ」と走ってる。
距離、5メートルくらい。ペリメニのスープの匂いが鼻に残ってても、凍える風と雪の臭いに負けて感覚が麻痺してくる。
この静かで寒い場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツじゃ耐えきれず、歯がガチガチ鳴って全身が震えてる。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、風の「ヒュウウ」って唸りや、雪の「ザクザク」って踏む音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! イルクーツクの空気が静かで冷たくて、便器が雪に「ズブッ」と半分埋もれてる。
こんな極寒の場所で用を足すとか、羞恥心がシベリアの氷より固まっちまう。涼しすぎて、心が凍え死にそうだ。
腹の中じゃ、ペリメニの肉とスープがグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が寒さと緊張で爆発しそう。
人が「寒いな、オイ!」って呟きながら家に入る中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、犬ぞりが俺のすぐ横まで来て、「ワンワン!」って犬が吠えながら止まった。
やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。
でもそりのおっさん、俺をスルーして「行くぞ!」ってまた走り出した。
見えてねえよな……よな? でもその瞬間、風が「ビュウウ!」って強まって、雪が「バサバサ!」って便器に降り注いだ。
「うっ!」って声が出そうになったけど、ガタガタ震えて堪えた。
雪原の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
おっさんが一瞬「ん?熊か?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に温かく感じる。
全身ガタガタ震えてて、ペリメニのスープの匂いが鼻に残ってるけど、手足が冷え切って感覚がない。
心がまだイルクーツクの寒さで震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。
「真冬のイルクーツクって……極寒の雪原でトイレとか、涼しすぎて心が凍るだろ……」
考えてみれば、おっさんや犬、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 「熊か?」は偶然だろ。
でも、あのシベリアの寒さの中でやった事実は消えねえ。
俺のメンタル、もうイルクーツクの氷みたいにガチガチだよ。
「ったく、次はどこだよ……もう涼しすぎるとこはマジで勘弁してくれ」
ペリメニは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




