第53話:リゼロの異世界と混沌の便器
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俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は真冬の富士山山頂で寒すぎて凍え死にそうになったし、もう寒すぎる場所は勘弁って思ってた。
暑くなくてもいいから活気ある場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を異世界にぶち込んでくる。
今日は昼に食った日本の「和風ハンバーグ」が胃の中でモヤモヤしてて、醤油ソースの旨味と肉の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。落ち着く味を求めたつもりが、結局トイレに駆け込む羽目になった。
ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、リゼロ!?」
目の前には、石畳の街路。
カラフルな屋台が「ガヤガヤ」と並んでて、商人たちが「新鮮なリンガだよ!」って叫んでる。
遠くで馬車が「ガタゴト」と走り、魔法の光が「ピカッ」と空を照らしてる。
で、俺はいつものように便器ごと、そのリゼロの異世界の市場のど真ん中にポツンと出現。しかも、ちょうどスバルが「レム!エミリア!」って叫びながら走ってくるタイミングだ。
「いや、マジかよ……リゼロの異世界でトイレって、暑くはないけど混沌すぎだろ!」
すぐ横では、スバルが「俺、また死に戻りしたのか!?」って慌ててて、商人たちが「何だあの騒がしい奴は!」って笑ってる。
距離、5メートルくらい。
和風ハンバーグの醤油臭が鼻に残ってても、屋台の焼き物の匂いと埃っぽい空気に混ざってカオスだ。この活気ある場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。
Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、スバルの「どうすりゃいいんだよ!」って叫び声や、屋台の「カチャカチャ」って調理音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 市場の空気が賑やかで混沌としてて、便器が石畳にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな異世界で用を足すとか、羞恥心がスバルの死に戻りより多い。混沌すぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、和風ハンバーグの肉とソースがグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が活気と羞恥で爆発しそう。スバルが「とりあえず落ち着け俺!」って自分に言い聞かせてる中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、スバルが俺のすぐ横まで走ってきて、「ここで何か見落としたか!?」って周りを見回した。
やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。
でもスバル、俺をスルーして「やっぱ違うか!」ってまた走り出した。
見えてねえよな……よな? でもその瞬間、屋台の竜車が「ガタン!」って近くを通って、衝撃で便器が「ガタッ」と揺れた。「うっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
市場の喧騒に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
商人の一人が一瞬「ん?何の音だ?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、和風ハンバーグの醤油臭と市場の残り香が混ざって混乱。
心がまだリゼロの混沌で震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。
「リゼロの異世界って……活気ある市場の前でトイレとか、混沌すぎて心が死に戻りそうだろ……」
考えてみれば、スバルや商人、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 「何の音だ?」は偶然だろ。
でも、あの異世界でやった事実は消えねえ。俺のメンタル、もうスバルの苦労みたいにぐっちゃぐちゃだよ。
「ったく、次はどこだよ……もう混沌すぎるとこは勘弁してくれ」
和風ハンバーグは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




