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第50話:卑弥呼の祭壇と神秘の便器

アルファポリス先行公開中


 俺、佐藤太一、18歳。この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。




 最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。




 昨日はアインシュタインの書斎で知的すぎて頭がバグったし、もう知的すぎる場所は勘弁って思ってた。




 単純で分かりやすい場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を古代にぶち込んでくる。




 今日は昼に食った日本の「古代米のおにぎり」が胃の中でモヤモヤしてて、赤っぽい米の素朴さと塩気が腹をギュルギュル鳴らしてる。




 歴史的な気分で食ってみたのが運の尽きだ。トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。




「うおっ、邪馬台国!?」




 目の前には、薄暗い祭壇。




 木製の台に火が「パチパチ」と燃えてて、卑弥呼様が白い衣をまとって「天の声を聞く…」って低く呟いてる。




 祭壇の周りには家臣が「かしこまりました」と静かに跪いてて、遠くで太鼓が「ドンドン」と響いてる。




 で、俺はいつものように便器ごと、その占いをしている卑弥呼の祭壇の正面のど真ん中にポツンと出現。




「いや、マジかよ……卑弥呼様の占いの場でトイレって、単純どころか神秘すぎだろ!」




 すぐ横では、卑弥呼が「神々の意志を示せ」と手を上げてて、炎が「フワッ」と揺れて影を落としてる。




 距離、3メートルくらい。




 古代米のおにぎりの素朴な匂いが鼻に残ってても、焚火の煙と土の臭いに混ざって不思議な感じだ。




 この神聖な場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。




「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。




 でもこの近さ、卑弥呼の「天命が下った…」って厳かな声や、家臣の「うむ」って呟きが耳にガンガン入ってくるんだぞ! 祭壇の空気が重くて神秘的で、便器が土の床にドカッと浮いてるのが気まずい。




 こんな古代の場面で用を足すとか、羞恥心が卑弥呼の予言よりデカい。




 神秘すぎて、心が緊張で締め付けられてる。




 腹の中じゃ、古代米の赤米と塩がグチャグチャ暴れてる。




 時間がない。




 こんな場所でミッションとか、心が神秘と羞恥で爆発しそう。




 卑弥呼が「神々の答えを…」って目を閉じて祈ってる中、俺は必死に腹に力を入れる。




「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」




 その時、家臣の一人が俺のすぐ横まで来て、「女王様、供物をこちらに」と何かを差し出した。やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。




 でも家臣、俺をスルーして「これでよろしいか」と卑弥呼に確認して戻った。




 見えてねえよな……よな? でもその瞬間、火が「パチッ!」って爆ぜて、煙が「モクモク」と俺の方に流れてきた。「うっ!」って咳き込みそうになったけど、汗だくで堪えた。




 祭壇の静寂に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。




 卑弥呼が一瞬「ん?神の声か?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?




 ぷすっ。




「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」




 光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。




 換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。




 全身汗だくで、古代米のおにぎりの塩気と煙の残り香が混ざって混乱。




 心がまだ卑弥呼の神秘で震えてる。




 息を整えながら、俺は呟いた。




「卑弥呼の占いの場って……神秘的な祭壇の前でトイレとか、単純どころか重すぎだろ……」




 考えてみれば、卑弥呼や家臣、俺のこと本当に気づいてなかったよな?




「神の声か?」は偶然だろ。でも、あの神聖な場面でやった事実は消えねえ。




 俺のメンタル、もう邪馬台国の予言みたいに混乱してるよ。




「ったく、次はどこだよ……もう神秘すぎるとこは勘弁してくれ」




 古代米のおにぎりは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。




 でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。

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