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第47話:パラボラアンテナと桜の便器

俺、佐藤太一、18歳。




この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。




最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。




昨日は滝桜のライトアップで新鮮すぎて心が舞ったし、もう新鮮すぎる場所は勘弁って思ってた。




少し落ち着いた場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を斜めに超えてくる。




今日は昼に食った日本の「つくね」が胃の中でモヤモヤしてて、鶏肉の旨味とタレの甘さが腹をギュルギュル鳴らしてる。シンプルで落ち着く味を求めたのに、結局トイレに駆け込む羽目になった。




ドアをガチャッと開けた瞬間――。




「うおっ、パラボラアンテナ!?」




目の前には、満開の桜が咲き誇る茨城県日立市十王町。




巨大なパラボラアンテナが「ドーン」とそびえ立ってて、桜の花びらが「ヒラヒラ」と風に舞ってる。




少し錆びたアンテナの表面が太陽に映えてて、観光客が「でかいな~!」って感嘆してる。




遠くで「ブーン」と低い機械音が響いてて、春の風が「サアア」と花びらを運んでる。




で、俺はいつものように便器ごと、そのパラボラアンテナの下のど真ん中にポツンと出現。




「いや、マジかよ……桜舞うパラボラアンテナの下でトイレって、古びた感じと風情が混ざりすぎだろ!」




すぐ横では、おじいちゃんが「昔は宇宙と通信してたんやで」って孫に語ってて、カップルが「桜とアンテナ、映えるね!」って写真撮ってる。




距離、5メートルくらい。つくねのタレの匂いが鼻に残ってても、桜の甘い香りと古びた鉄の臭いに混ざって不思議な感じだ。




この風変わりな場所で座ってるだけで、心臓がバクバクだ。Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。




「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。




でもこの近さ、観光客の「すげえな!」って声や、花びらの「サラサラ」って落ちる音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 会場の空気が穏やかで少し懐かしくて、便器が草地にドカッと浮いてるのが気まずい。




こんな場所で用を足すとか、羞恥心がパラボラアンテナよりデカく広がっちまう。




桜の美しさと古びた科学が混ざって、心が妙に緊張してる。




腹の中じゃ、つくねの鶏肉とタレがグチャグチャ暴れてる。




時間がない。




こんな場所でミッションとか、心が風情と羞恥で爆発しそう。




おじいちゃんが「宇宙からの信号、聞こえたかなぁ」って遠くを見て呟いてる中、俺は必死に腹に力を入れる。




「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」




その時、子供が俺のすぐ横まで来て、「おじいちゃん、アンテナ動くの?」って走り回ってた。




やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。




でも子供、俺をスルーして「桜拾う!」って花びら集めに夢中になって離れた。




見えてねえよな……よな? でもその瞬間、風が「サアア!」って強まって、花びらが「バサバサ!」って便器に降り注いだ。




「うっ!」って顔を背けたけど、つくねの匂いが鼻をくすぐって余計に焦る。




桜と機械音に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。




おじいちゃんが一瞬「ん?何か聞こえたか?」って顔して首傾げた。




やばい、音でバレる!?




ぷすっ。




「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」




光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。




換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。




全身汗だくで、つくねのタレの匂いと桜の香りが混ざって混乱。




心がまだパラボラアンテナと桜の間で揺れてる。息を整えながら、俺は呟いた。




「桜舞うパラボラアンテナの下って……古びた科学と新鮮な春の前でトイレとか、風情と羞恥が混ざりすぎだろ……」




考えてみれば、観光客やおじいちゃん、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、風のせいだろ。




でも、あの不思議な場所でやった事実は消えねえ。




俺のメンタル、もう桜の花びらみたいにパラボラに反射して飛び散ってるよ。




「ったく、次はどこだよ……もう古びた感じと風情が混ざるとこは勘弁してくれ」




つくねは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。



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