第46話:滝桜ライトアップと新鮮な便器
俺、佐藤太一、18歳。
この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。
最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。
昨日は金閣寺前で賞味期限切れの八ツ橋にやられたし、もう賞味期限切れみたいな場所は勘弁って思ってた。
新鮮でピカピカな場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を超えてくる。
今日は昼に食った日本の「桜餅」が胃の中でモヤモヤしてて、餡子の甘さと桜葉の塩気が腹をギュルギュル鳴らしてる。
痔が治ったからって油断して、春っぽい新鮮な味に手を出したのが運の尽きだ。
トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、滝桜!?」
目の前には、満開の桜が咲き誇る三春の滝桜。
ライトアップされた巨大な枝が「フワーッ」と広がってて、ピンクの花びらが「ヒラヒラ」と夜空に舞ってる。
観光客が「うわぁ、きれい!」って感動してて、「パシャパシャ」ってカメラの音が響いてる。遠くで風が「サアア」と吹いてて、ライトの光が桜を幻想的に照らしてる。
で、俺はいつものように便器ごと、その滝桜ライトアップの前のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……滝桜のライトアップでトイレって、新鮮すぎて逆に気まずいだろ!」
すぐ横では、カップルが「これぞ日本の春やね!」って寄り添ってて、家族連れが「写真撮ろ!」って子供を肩車してる。
距離、5メートルくらい。桜餅の甘い匂いが鼻に残ってても、夜風に混ざった桜の新鮮な香りに少し負けてる。
痔は治ったから尻は平気だけど、この幻想的な場所で座ってるだけで心臓がバクバクだ。Tシャツが汗でじっとりして、場違い感がやばい。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。
でもこの近さ、観光客の「すごいなぁ!」って感嘆の声や、花びらの「サラサラ」って落ちる音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 会場の空気が涼しくて穏やかで、便器が芝生にドカッと浮いてるのが気まずい。
こんな新鮮な場所で用を足すとか、羞恥心が滝桜の花びらより降り積もっちまう。
美しすぎて、心が緊張で締め付けられてる。
腹の中じゃ、桜餅の餡と餅がグチャグチャ暴れてる。
時間がない。
こんな場所でミッションとか、心が春の新鮮さと羞恥で爆発しそう。
カップルが「ロマンチックやなぁ」って見つめ合ってる中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、カメラを持ったおじさんが俺のすぐ横まで来て、「この角度最高や!」って三脚立て始めた。
やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。
でもおじさん、俺をスルーして「シャッター押すで!」って桜に夢中になって離れた。
見えてねえよな……よな? でもその瞬間、風が「サアア!」って強まって、花びらが「バサバサ!」って便器に降り注いだ。
「うっ!」って顔を背けたけど、桜餅の匂いが鼻をくすぐって余計に焦る。
夜桜のざわめきに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。
おじさんが一瞬「ん?何の音や?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。
換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。
全身汗だくで、桜餅の甘い匂いと滝桜の香りが混ざって混乱。
痔は治ってるから痛みはないけど、心がまだライトアップの幻想で揺れてる。
息を整えながら、俺は呟いた。
「滝桜のライトアップって……新鮮な桜の前でトイレとか、美しすぎて心が舞いすぎだろ……」
考えてみれば、観光客やおじさん、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、風のせいだろ。
でも、あの幻想的な場所でやった事実は消えねえ。俺のメンタル、もう滝桜の花びらみたいにヒラヒラ舞ってるよ。
「ったく、次はどこだよ……もう新鮮すぎるとこは勘弁してくれ」
桜餅は当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。
でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




