第40話:フランス革命戦争と混乱の便器
俺、佐藤太一、18歳。この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。昨日はラミィの酔っ払い配信でオタク心がカオスにやられたし、もうオタク心くすぐる場所はマジで勘弁って思ってた。オタクと無縁な場所ならいいよ……って願ってたけど、このトイレは毎回予想を超えてくる。
今日は昼に食ったフランスの「クロワッサン」が胃の中でモヤモヤしてて、バターの油とサクサクの生地が腹をギュルギュル鳴らしてる。痔が治ったからって油断してバターたっぷりのやつに手を出したのが運の尽きだ。トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、フランス革命!?」
目の前には、煙と叫び声に包まれた戦場。革命軍が「自由か死か!」って叫びながら銃を「バンバン!」撃ち、王党派の兵士が「退くな!」って剣を振り回してる。遠くで大砲が「ドドーン!」と響き、地面は泥と血でドロドロだ。空には黒い煙が立ち込めてて、トリコロールの旗が「ヒラヒラ」と風に揺れてる。で、俺はいつものように便器ごと、そのフランス革命戦争の最中のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……革命戦争の真っ只中でトイレって、オタクと無縁すぎて逆に過酷だろ!」
すぐ横では、革命軍の兵士が「前進だ!」って銃剣構えて突っ込んでて、王党派の兵士が「うわっ!」って倒れてる。距離、5メートルくらい。硝煙の臭いとクロワッサンのバター臭が混ざって鼻を刺すし、風が「ビュウウ」と吹くたび泥が「バシャッ」と便器に跳ねてくる。痔は治ったから尻は平気だけど、この混乱の中で座ってるだけで心臓がバクバクだ。Tシャツが汗でビショビショで、耳が「キーン」って鳴ってる。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。でもこの近さ、兵士の「撃てー!」って叫び声や、剣の「キン!」ってぶつかる音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 戦場の空気が熱くて重くて、便器が泥に埋もれそうなくらい不安定だ。こんな歴史的な場所で用を足すとか、羞恥心が革命の叫びよりデカい。痔は治ったのに、心がこの戦争でズタズタだ。
腹の中じゃ、クロワッサンのバターと生地がグチャグチャ暴れてる。時間がない。こんな場所でミッションとか、心が混乱と恐怖で爆発しそう。革命軍が「民衆の勝利だ!」って旗を振り回してる中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、王党派の兵士が俺のすぐ横まで這ってきて、「援軍を呼べ!」って血まみれで叫んだ。やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。でも兵士、俺をスルーして「うっ!」って倒れちまった。見えてねえよな……よな? でもその瞬間、大砲が「ドーン!」って近くで炸裂して、衝撃波が便器を「ガタッ」と揺らした。「うわっ!」って声が出そうになったけど、汗だくで堪えた。
戦場の騒音に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。革命軍の兵士が一瞬「ん?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に救いに感じる。全身汗だくで、クロワッサンのバター臭と硝煙の残り香が混ざって混乱。痔は治ってるから痛みはないけど、心がまだ戦場で震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。
「フランス革命戦争って……革命のど真ん中でトイレとか、オタクと無縁すぎて頭おかしくなるだろ……」
考えてみれば、あの兵士たち、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、砲撃のせいだろ。でも、あの混乱の中でやった事実は消えねえ。俺のメンタル、もう革命のトリコロールみたいにボロボロだよ。
「ったく、次はどこだよ……もう戦争絡みは絶対勘弁してくれ」
クロワッサンは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




