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第37話:ホ●ライブの防音室と配信中の羞恥

俺、佐藤太一、18歳。この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。昨日は太陽の近くで灼熱にやられて死にそうになったし、もう暑すぎる場所は絶対勘弁って思ってた。涼しくて快適な場所に行きてえよ……って願ってたけど、このトイレは毎回俺のオタク心を試してくる。

今日は昼に食った日本の「ラーメン」が胃の中でモヤモヤしてて、豚骨スープの濃さと麺の重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。痔が治ったからって油断して濃い味に手を出したのが間違いだった。トイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。

「うおっ、ホロライブ!?」

目の前には、防音壁に囲まれた配信ルーム。モニターがカラフルに光ってて、マイクとカメラがズラッと並んでる。空調が「スーッ」と涼しい風を送ってきて、机には飲み物とグッズが置かれてる。で、俺はいつものように便器ごと、そのホロライブの配信中の防音室のど真ん中にポツンと出現。そして――目の前で、ホロライブのVTuberが「こん○○~!」って元気に配信してる。

「いや、マジかよ……ホロライブの配信中でトイレって、涼しすぎて逆に熱いだろ!」

すぐ横では、VTuberが「今日もみんなと楽しい時間過ごすよ~!」って可愛い声で喋ってる。画面にはスパチャが「ピロピロ!」って飛び交ってて、コメントが「草」「神回確定」って流れまくってる。距離、2メートルくらい。部屋の空気が涼しくて快適で、ラーメンの豚骨臭が鼻に残ってても、防音室の清潔な空気に少し負けてる。痔は治ったから尻は平気だけど、オタク心が「うおおお!」って叫びながら羞恥で縮こまってる。

「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。でもこの近さ、VTuberの「ねえ、みんな聞いて~!」って声や、キーボードの「カタカタ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 配信のテンションが高すぎて、便器に座ってる俺が完全に浮いてる。こんな神聖な場所で用を足すとか、羞恥心がスパチャより目立っちまう。涼しいけど、心が熱くなってる。

腹の中じゃ、ラーメンのスープとチャーシューがグチャグチャ暴れてる。時間がない。こんな場所でミッションとか、心がオタクの夢と緊張で爆発しそう。VTuberが「次は歌うよ~!」ってマイク調整してる中、俺は必死に腹に力を入れる。

「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」

その時、VTuberが俺のすぐ横まで来て、「ちょっと水取ってくるね~」って机のボトルに手を伸ばした。やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。でも彼女、俺をスルーして「喉乾いた~」って呟いて戻った。見えてねえよな……よな? でもその瞬間、コメントが「何か音した?」って流れ始めて、スタッフが「ん?」ってモニター覗いた。ラーメンの匂いか!? 俺の心臓がバクバクだ。

配信のBGMに紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。VTuberが一瞬「え、なんの音?」って笑った。やばい、音でバレる!?

ぷすっ。

「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」

光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に現実に戻してくる。全身汗だくで、ラーメンの豚骨臭が鼻に残ってる。痔は治ってるから痛みはないけど、心が配信のテンションで震えてる。息を整えながら、俺は呟いた。

「ホロライブの配信中って……涼しい防音室の前でトイレとか、オタクの夢が羞恥で崩れるだろ……」

考えてみれば、VTuberやスタッフ、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 「なんの音?」は偶然だろ。でも、あの神回になりそうな配信でやった事実は消えねえ。俺のメンタル、もうスパチャで「草」って飛ばされそうだよ。

「ったく、次はどこだよ……もうオタク心くすぐるとこは勘弁してくれ」

ラーメンは当分食わねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。



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