第31話:一流痔の診察室と癒しの終幕
俺、佐藤太一、18歳。この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう限界だろ」って叫んでる。最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは分かってるけど、やめられねえ。昨日は田舎の肥溜めで臭さにやられたし、もう臭すぎる場所は絶対勘弁って思ってた。爽やかで清潔な場所に行きてえよ……って願ってたけど、まさかこんな形で叶うとは思わなかった。
今日は昼に食った日本の「お粥」が胃の中でモヤモヤしてて、米の優しさと梅干しの酸味が腹をギュルギュル鳴らしてる。痔がまだズキズキしてるから胃に優しいものを選んだのに、結局トイレに駆け込む羽目になった。ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、病院!?」
目の前には、真っ白な診察室。消毒液の爽やかな匂いが漂ってて、エアコンが「スーッ」と涼しい風を送ってる。机の上にはカルテとペンが整然と置かれ、白衣の医者が「次の方、どうぞ」と穏やかに言ってる。壁には「一流痔科医院」と書かれた賞状が飾られてて、診察台が清潔に光ってる。で、俺はいつものように便器ごと、その診察室のど真ん中にポツンと出現。
「いや、マジかよ……一流痔の診察室でトイレって、爽やかすぎて逆に救いだろ!」
すぐ横では、医者が「症状を教えてください」と患者に優しく聞いてて、看護師が「こちらでお預かりします」と荷物を受け取ってる。距離、3メートルくらい。診察室の空気が清潔で涼しくて、便器が硬いけど痔の痛みが「ズキッ」と和らいでくる気がする。お粥の梅干しの匂いが鼻に残ってて、消毒液と混ざって妙に安心する。痔がズキズキしてるけど、ここなら治してくれそうって期待が湧いてきた。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。でもこの近さ、医者の「ふむ、了解しました」って声や、カルテをめくる「パラッ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! 診察室の爽やかさが痔に優しくてありがたいけど、こんな場所で用を足すとか、羞恥心が一流の治療より目立っちまう。痔の痛みが少しマシでも、心臓がバクバクだ。
腹の中じゃ、お粥の米と梅がグチャグチャ暴れてる。時間がない。痔のせいで脂汗が額からポタポタ落ちてくる。こんな場所でミッションとか、心が清潔さと緊張で爆発しそう。医者が「では診察を始めます」って患者に微笑んでる中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ!」
その時、看護師が俺のすぐ横まで来て、「次の患者さんの準備を」とカルテを「ガサッ」と整理し始めた。やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。でも看護師、俺をスルーして「診察台の消毒お願いします」って別のスタッフに声かけた。見えてねえよな……よな? でもその瞬間、消毒液の「シュッ」って音が近くでして、爽やかな風が便器に当たった。痔が「ズキッ」と疼いたけど、なんか癒された。
診察の声に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。医者が一瞬「ん?」って顔して首傾げた。やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。換気扇のブーンって音と便器の冷たさが、いつも以上に現実に戻してくる。全身汗だくで、お粥の梅の匂いと消毒液の残り香が混ざってる。尻の痔がまだズキズキしてるけど、診察室の清潔さが頭に残ってて、俺は決心した。
「よし、病院行くか……」
その日の夕方、俺は近所の痔科医院に足を運んだ。診察室はさっきの転移先ほど豪華じゃなかったけど、清潔で安心感があった。医者に「痔ですね、治療しましょう」って言われて、塗り薬と簡単な処置してもらった。数日後、痔の痛みはすっかり消えて、尻が解放された気分だ。息を整えながら、俺は呟いた。
「一流痔の診察室って……あの転移がきっかけで治ったとか、トイレに感謝すべきか?」
考えてみれば、あの医者や看護師、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、偶然だろ。でも、あの爽やかな場所でやった事実は消えねえし、痔が治ったのは事実だ。俺のメンタル、もう診察台みたいにスッキリしてるよ。
「ったく、次はどこだよ……でも痔が治ったし、少しは気が楽だな」
お粥はしばらく控えて、痔薬ももういらねえと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。でも、次に開けるのがちょっとだけ楽しみになってきたんだよな、これ。




