第25話:唐辛子畑の激辛と痔の悲劇
俺、佐藤太一、18歳。この呪われたトイレに振り回される生活、もう何度も「もう無理だろ」って叫んでる。最近は世界各国の料理にハマってて、それが腹痛の原因になってるのは自覚してるけど、やめられねえ。昨日はオーストラリアのオパール鉱山で埃にやられたし、もう無骨すぎる場所は勘弁って思ってた。穏やかな場所がいいなぁ……なんて淡い希望を持ってたけど、このトイレは俺を地獄に叩き込む気しかねえらしい。
今日は昼に食ったメキシコの「ハバネロタコス」が胃の中でモヤモヤしてて、ハバネロの激辛とトルティーヤの重さが腹をギュルギュル鳴らしてる。辛いの好きだから挑戦したけど、汗だくで完食した直後から後悔しかなかった。耐えきれずトイレに駆け込んで、ドアをガチャッと開けた瞬間――。
「うおっ、唐辛子畑!?」
目の前には、赤と緑の唐辛子がびっしり生えた畑。太陽がギラギラ照りつけて、熱風が「ザアア」と吹き抜けてくる。遠くに農夫が「こっちも収穫だ!」って叫んでて、地面には土と枯れた葉っぱが散らばってる。で、俺はいつものように便器ごと、その畑のど真ん中にポツンと出現。そして――目の前には、世界一辛い唐辛子「キャロライナ・リーパー」が真っ赤に実ってる。
「いや、マジかよ……世界一辛い唐辛子の畑でトイレって、辛さと羞恥で死ぬだろ!」
キャロライナ・リーパー、ギネス記録の辛さを持つ悪魔の唐辛子だ。ゴツゴツした赤い実が風に揺れてて、近づくだけで目がチカチカする。距離、2メートルくらい。畑の空気が熱くて、唐辛子の刺激臭が鼻を刺してきて涙が滲む。便器に座った瞬間、尻にズキッと痛みが走った。やばい、ハバネロタコスの辛さが腸を抜けて、痔になっちまったみたいだ。Tシャツが汗でビショビショで、土の匂いと唐辛子の辛さが混ざって頭クラクラだ。
「見えてるのは俺だけで、向こうからは見えない」ってルール、信じたい。でもこの近さ、農夫の「ガサガサ」って収穫音や、風に揺れる唐辛子の「シャラシャラ」って音が耳にガンガン入ってくるんだぞ! こんな激辛の場所で用を足すとか、羞恥心がキャロライナ・リーパーより辛くなっちまう。尻の痛みがズキズキしてきて、座ってるのも地獄だ。
腹の中じゃ、ハバネロタコスの辛さがグチャグチャ暴れてる。時間がない。痔の痛みで脂汗が額からポタポタ落ちてくる。こんな場所でミッションとか、心が辛さと苦痛で爆発しそう。農夫が「こいつら辛すぎて手袋二重だ!」って笑ってる中、俺は必死に腹に力を入れる。
「おっ、おっ、おっ……頼む、出てくれ! 尻が死ぬ!」
その時、農夫が俺のすぐ横まで来て、唐辛子を「バキッ」と摘んだ。やばい、見つかる!? 俺は慌てて息を止めて固まる。でも農夫、俺をスルーして「こいつは売り物だな」って呟いて離れた。見えてねえよな……よな? でもその瞬間、風が強まって唐辛子の刺激臭が「ガツン」と鼻に直撃。目が焼けるように痛くて、尻の痔が「ズキッ」と反応した。
畑の騒音に紛れて、俺の腹が「ぐぅうう」って鳴った。農夫が一瞬「ん?」って顔した。やばい、音でバレる!?
ぷすっ。
「……ミッションクリアー、通常トイレに戻ります」
光がパッと弾けて、俺はアパートの狭いトイレに帰還。換気扇のブーンって音と便器の安定感が、いつも以上に救いに感じる。全身汗だくで、唐辛子の辛さとハバネロの残り香が鼻を刺す。尻の痛みがズキズキしてて、立ち上がるのも辛い。息を整えながら、俺は呟いた。
「世界一辛い唐辛子の畑って……キャロライナ・リーパーの前でトイレとか、痔までできて地獄だろ……」
考えてみれば、あの農夫、俺のこと本当に気づいてなかったよな? 首傾げたの、風のせいだろ。でも、あの激辛畑でやった事実は消えねえし、尻の痛みはしばらく続きそうだ。俺のメンタル、もう唐辛子みたいに真っ赤に燃えてるよ。
「ったく、次はどこだよ……もう辛すぎるとこは絶対勘弁してくれ」
ハバネロタコスは二度と食わねえし、痔薬買わなきゃと思いながら、俺はトイレのドアをそっと閉めた。でも、次に開けるのがやっぱり怖いんだよな、これ。




