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悪魔殺しとテンペスト  作者: ジックの使用人
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日常ってアニメ面白いよな。

日常ってアニメ面白いし、俺は日常が好きだし、特にキャラクターがみんなかわいいよな。細部にこだわっているのかこだわってないのか、良く分からない描写多いけど、爆発シーンとか結構好き。とりあえず、日常は面白いし、ゴリラはバナナが好き。というわけで、何の関係もない前書きから始まる、学園異能力シリーズをどうぞ。

彼を囲む黒い服の男達は皆屈強な姿。


そして、その中心にいる彼は、いたって軽装だ。その手には何ももっていない。黒服の男達は、手に手に、武器をもっているのに、彼は、そのあどけなさのある顔の彼は、何も持っていない。


いや、その眼には、明らかな敵意を宿していた。そして、彼は不敵に笑うのだ。

その笑いは黒服の男達からすれば単なる挑発にしか過ぎない。


だが、私の目には頼れる物にしか写らなかった。


彼は腕くみしていた両手を下ろす。そして、それを合図に黒服の男達は飛び掛っていった。

だが、彼は動じない。大柄の男が襲い掛かってきているというのに、少しも慌てない。


一番最初に突っ込んだ男が、バールを振り下ろし、肉を打つ音が聞こえた。


私は思わず目を瞑った。


その眼に、彼が横たわる姿を見たくなかったから。だが、地面に横たわる音がしたとき、その重そうな音にもう一度目をあけた私は、黒服の男が横たわるのを見たときには、もう、既に三人の男が横たわっていた。あっというまに男達は、殴られ、投げられ、そして、蹴られ、意識を失っていく。


地面に七、八人の男が転がった時、彼は息を荒げながらも私を見て、又笑った。今度は、正真正銘の勝利の、笑いだった。彼はランドセルを背負い直すと、私の方に歩いてくる。そのぼさぼさの髪を掻きながら。そして、私の前に立つとはにかみながら言うのだ。


「お待たせ。・・・・・ねえ、今日の宿題ってさ、数学だったっけ。それとも国語のドリルだったけ。僕忘れちゃってさ、また、見せてくれない?お願い。あ、いや、いつもごめん。本当。」


私にとって、それは崩れる事のない、不動の、日常だったのだ。




耳の側で騒がしく笑う、目覚し時計を右手で黙らせた。


うっすらと自分の目を開くと、今黙らせた時計の針が、午前7時を指している。ゆっくりと気だるげに起き上がった。ひとつ、のびをすると、春だというのに初夏のような日差しが差し込む窓を眩しそうに見つめた。部屋の扉を開け今日も昨日と変わらぬ一日を始めた。


「ああ、くそ眠いなあ・・・」


と、どうやら昨日調子に乗って、夜中まで本を読んでしまったのが響いているようだ。

人気の無い台所でうつらうつらと考えた。自分で朝食を整えると、一人で椅子に座って食べ始める。

高校三年生ともなれば、これくらいは出来なければ生活は出来ない。

そして、ここに誇りを抱いているのが自分である。恐らく、ご飯を作りスキルはそんじょそこらの、一般高校生とは違うな。自身を持って言える。


「・・・・・・・今更だけど、虚しいな。」


朝から、ノイローゼになる。これも、父親が単身赴任とか、姉が遠くの大学の寮にいるとか、母親が死んでるとか、それらが重なった上の、状況だ。

何も、一人でナイーブにならずとも、こんな状況になれば、だれだって、肉じゃがの一つや二つ、作れるようになるのだ。だとすれば、やはり誇れるべきは、我がスキル。今なら、戦闘値は相当高いはずだ。特殊な眼鏡で見れば、どのくらいか分かるだろう。そんな事を考えながら学校に行く仕度を終える。食器も洗った。玄関に立つ。


「・・・・・・・行ってきます。」


朝の習慣である挨拶を、誰も居ない家の中に向けてして、俺は、扉を開ける。

何ともいえない清々しい朝の風が、顔をなでていくのが心地良く感じる。日常も、日々変わらないから日常をいえるのだ。俺は、この、穏やかな朝を迎えることが、とても幸せな気持ちがした。


今日も、明日も、こんな朝を向かえれたらと思う自分の足に当たる、挑戦状とかかれた文字を見て、やっぱり、明日は違う感じがいいなと思った。今日で終わりにして欲しい、こういう挑戦状とか言うの。


見慣れたそれは、今日も変わらず達筆だった。

挑戦状の文字以外、あんまりよく読めない。ただ、


「・・・・・・・必ず・・・・・・・倒し・・・・・。」


かろうじて、読めた言葉が物騒すぎて怖い。頭を悩ませると言うより、軽く戦慄して俺が立っていると、

目の前から声がした。


「おう、おはようじゃ、鋼矢」


見慣れたツインテールだった。お馴染みの、幼馴染の、ツインテールだ。彼女は、立ち尽くす俺に、


「何か困りごとでも起こったかの?」


と聞いてきた。確かに困りごとといえば、困りごとである。これを問題と言わずして、何を問題とするかである。


「葵、お前靴が下駄になってるけど、わざとか?いつから、制服そんな粋になった。」

「んなっ。何じゃと。・・・・・・・・・はうっ。」


からんころんと、顔を真っ赤にして、彼女は自分の家のほうに走っていく。下駄の音が妙に風流に聞こえる。俺は、口の端を歪めながら、今日も一日を過ごす為に一歩を踏み出した。



本当に適当に始めてしまったので、お気軽にアドバイスをいただきたく思います。

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