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MidgardOnline~錬金術を極めるもの~  作者: あおりんご
蟲の森攻略編(前)
29/30

悪霊

「アアアァァァァァアアアア!コロス!コロス!コロス!」


 何体かゾンビを倒しながら罪人の墓場を進んでいたのだが、ついにゴーストとエンカウントした。


「うっわ!どんだけ生者恨んでんだよ!」


「元からやばい奴ららしいからな。俺には攻撃手段がないから魔法でぶっ飛ばしてくれ、フォローはする」


 ガドルは少し後ろから呑気にそんなことを言っている。確かに攻撃手段がないので仕方ないが少しムカつく。まぁ他のモンスターが来ないか見張っているのでいいんだが。


「ニクイニクイ!ソノカラダヨコセー!オレノモノダ!」


「あー、くっそ!ファイアボール!」


 怨嗟の声を上げながら攻撃を仕掛けてくるゴーストから距離を取りつつファイアボールの詠唱をする。石を使わないのは、実体がないゴーストに当てようと思うと真下の地面に当てなければいけないし、相手が1体なのでゾンビの時の様に大体の場所に投げる訳にはいかないからだ。

 ゴーストの攻撃を避けるうちに術式は完成し、ゴーストに直撃した。


「アアァ!アツイアツイアツイ!ゼッタイニコロスー!」


「うぇっ!死なないのかよ!仕方ないもう一発だ、ファイアボール!」


「シネエエエェェェェェエエエエエ!」


「わっ!しまった!」


 攻撃を躱そうとしたのだが足元にあった出っ張りに気づかず転んでしまう。術式もゴーストに破られてしまった。


「げっ!だから油断すんなって」


「わわわっ!」


「ハハハハハハハハハッ!コロセルッ!ウバエルッ!」


 ゴーストの薙ぎ払いをとっさに盾で受けたのだが、なんと盾を通過して直接殴ってきた。


「ひゃっ!」


「シネシネシネシネ!」


「クソ野郎が!ケイから離れろ!」


 ガドルは叫びながら俺を叩きまくるゴーストに剣を振るうがすり抜けてしまう。


「なっ!まじで何も出来ねぇのか」


「ハハハ!コイツハオマエノムスメカ?メノマエデコロシテヤル!ウバッテヤル!ナイテサケンデオレヲタノシマセロ!ハハハハハハハ!」


 いやいやいや、このゴースト趣味悪すぎんだろ。だが好都合だ、ガドルを親だと勘違いしたゴーストが向こうを向いてくれたので、その隙に転がって離れる。


「ゲス野郎め燃えつきろ!ファイアボール!」


「アア?オマエイツノマニーッ!コロスコロス!」


 そう言ってゴーストがこちらに飛んで来るが遅かった。完成したファイアボールがゴーストに直撃する。


「ァァァァアアアアアアア!アツイアツイアt」


 ファイアボールが直撃したゴーストは叫びながら消えていった。


<<死霊の魂>がドロップしました>


「あー、凄い疲れた・・」


「やっぱり魔法職1人じゃキツイか」


「そうだなー、物理が効かないのはなかなかキツイ・・。盾も意味ないし」


「どうする?浅いところまで戻るか?」


「そうしよう。流石に2体異常同時戦闘になったら確実に死ねる。冒険はしたいが、負けると分かっているところには行きたくない」


「じゃあ戻るか」



ーーーーー



「よっと・・。これで最後か」


 あの後は入口付近でゾンビをのんびり狩っていた。ガドルのレベルもアップし、ここに来た目的的には順調だ。


「そうだな」


 そんな会話をしながらゾンビのドロップアイテムの通知を流し見する。


「ゾンビとゴーストで戦力差ありすぎじゃね?」


「一応、街で魔法剣が売ってるらしい。それがあればゴーストなんかもぶった切れるらしいが・・」


「ん?そうなのか。でもやっぱ高いんだろ?」


「ああ、一番安いので3万Gらしい」


「うげぇ」


「まぁ。ここ以外じゃこの辺りでは必要の無いものだ。もっと先の戦闘のための武具だろう」


「確かに、ゴースト以外に物理向こうの敵は見ないな。魔狼の森は知らんけど」


「魔狼の森?」


 ガドルは魔狼の森については知らないらしい。俺もあまり知らないけど。


「ああ、始まりの森の反対側。街の西側に位置する森の名前らしい。難易度は高いっぽいけどな」


「じゃあそっちに行くのは無しか・・」


「レベル上げならゾンビで十分だろ。倒しやすいし、他プレイヤーも少ないし。見た目はあれだけど」


「それもそうか。んー、なかなか時間も経ってるし一度街に戻るか」


 そう言われ時計を見るとゲーム内の日付が変わりそうだった。そういえばガドルが途中からランタンを付けていたのを思い出す。


「もうこんな時間だったのか。ランタンの火に制限はないのか?」


「ん?一応あるが、あってないようなもんだな。使用限界は3日。だが燃料を持参すればもっと使えるし、余程遠くまで行かなければ問題ないだろ」


「じゃあなんで皆夜の狩りをしないんだ?」


「ランタンは少し高いからな。あとはモンスターも少しだけ強くなる、場所によっちゃ強い夜限定モンスターも出るしな」


「そうなのか」


 夜限定モンスターは知らなかった。調べないとな、ギルドとかで教えてくれるかな・・。


「話はこれくらいにして帰ろうぜ。そろそろランタンの灯りでゾンビが寄ってくる」


「確かにそうだな。さて帰ってゾンビのクエストだけ完了するか」


「満腹度の回復もな」

更新!

満腹度85% →  37%

腐った肉*4 → 腐った肉*13

汚れた服*4 → 汚れた服*16

蠢死の骨*3 → 蠢死の骨*15

蠢死の脳味噌*1 → 蠢死の脳味噌*3

悪霊の魂*1 new!

<ゴースト討伐(0/10)> → <ゴースト討伐(1/10)>


[ミドガ暦1年1月8日AM00:00][西暦2161年7月20日PM4:00]

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