闇の錬金術
「まずはこれをやろう。基本じゃな」
そう言ってテオフラストゥスが渡してきたのは釜と棒、筒に魔法陣だった。
「釜、棒、筒はお主も知ってるじゃろじゃろ。じゃから説明は儂が創作した魔法陣、錬金術の新たなる技<変質>じゃ。変質はその言葉の通り物質を変質させる、釜を使った錬金術とは違い一つの物を別の物に変換する術じゃ。魔法陣は儂の創ったものじゃから鑑定はいらんぞ」
そう説明され魔法陣を調べる。
<テオフラストゥスの魔法陣>レア度:9
テオフラストゥスが自ら描いた魔法陣。その効果や規模は一般的なそれとは一線を画す。この魔法陣の効果は<変質>の補助であり、この魔法陣を用いた<変質>は必ず成功する。ユグドラシルから創られた紙とテオフラストゥス自らの血で創られたこれは朽ちることがない。
驚きの性能である。気になったので釜なども確認してみる。
<ミスリルの釜>レア度:7
ミスリルから創られた錬金釜。成功率は高く、耐久性も高い。
<世界樹の枝>レア度:9
世界樹・ユグドラシルから採った小さな枝。ユグドラシルの一部であったこれは膨大な魔力を持つ。
テオフラストゥスの手によって錬金棒へと最適化が施されている。成功率は高く、耐久性も高い。
<ミスリルの筒>レア度:7
ミスリルから創られた錬金筒。返還率は高く、耐久性も高い。
「どうじゃ?すごいじゃろ。一級品じゃ」
俺は道具の貴重さに目を見張り言葉が出なかった。
「ほれ、さっさと修行じゃ」
そう言ってテオフラストゥスはいくつかのアイテムを取り出す。
「あ。そうだ、その前にこれ使って夜目が効くようにできないか?」
そう言って俺はホーンラビットの目を取り出す。
「ん?出来はするが・・まぁ何事も経験かの」
そう言いながら何かを探し始めた、
「できるのか!」
「まずはこれじゃな」
そう言って渡されたのはガラス瓶とナイフだった。
<瓶>レア度:1
ガラスの瓶。液体を入れることができる。
<採血のナイフ>レア度:3
採血に適したナイフ。
「その瓶に自らの血を集めるのじゃ」
「え?」
公式の設定は明かされていないが、βテストの時何人かのプレイヤーがいろいろな方法を試したが流血表現は無いと判断された。とゲームの記事にかかれていたはずだ。
「何をしておる。もったいないじゃろ」
そう言ってテオフラストゥスは流れ出ている血を瓶に集め始めた。そのまま瓶は満杯になり、テオフラストゥスは瓶を置き代わりに小瓶を渡してきた。
「ほれ、HPが減っておるじゃろ。これを飲め」
そう言われたのでステイタスを確認すると2割程度HPが減少していた。受け取った小瓶の中身を飲むとなんとHPとMPは満タンまで回復した。
「あとはさっきの目玉とお主の血、それとこれを錬金すれば完成じゃ」
<ケイの血液>レア度:1
ケイの血液。魔力が多め。
血を使った錬金とか文字にすると黒魔術みたいでかっこいいけど、実際にやるとなると怖い。使うアイテムは目玉と血と、あとこれはなんだ?
<契約の悪魔の残滓>レア度:5
この世の摂理に反する悪魔の残滓。モノとモノをつなぎ合わせる力を持つ。使用者を深淵へと誘う。
説明が不穏すぎる。闇に誘うってどういうことだよ。
「ああ、残滓の効果は気にせんで良い。もしものことがあれば儂がいるし、錬金してしまえば問題ないわ」
そう言われても安心できるものではないが、仕方ないので錬金することにする。
まずは釜に血を注ぐ、そして目玉を入れ煮立ってきたところで残滓を落とす。何故かこの順番が頭に浮かんだ。
しばらくすると全てを吸い込んでしまいような黒い光とともに赤い目玉が出てきた。
<夜目の魔眼>レア度:5
ホーンラビットの赤い目と血液を混ぜ合わすことによって血液の持ち主に適合してた目玉。夜目の効果を得られる。融合可。
「これどうやって使うんだ?」
「儂の弟子になったのじゃから融合が使えるのではないか?目玉に融合をかければよいのじゃ」
そう言われたので称号の詳細を見てみた。
<テオフラストゥスの弟子>
テオフラストゥスに弟子入りしたものである証。
獲得条件:テオフラストゥスへの弟子入り
補助効果:スキル<錬金術>の獲得熟練度を3倍にする。錬金する際に直感が働く。
スキル<錬金>のスキルレベルに関係なく<変質><融合>が追加される。
MPを6ポイント分、INTを5ポイント分増やす。
早速目玉に融合をかけてみることにする。
「融合」
そう目玉に向けて呟いた瞬間、目玉が霧のように消えてしまった。
「ん?なぁ、目玉はどkっ!?」
目、いや全身に強烈な痛みを感じる。
他の何かが自分の中に入ろうとしているような、何かが変わってしまうような感覚が。
<称号<夜目の魔眼>を獲得しました>
<称号<自己改造>を獲得しました>
<称号<ダークアルケミスト>を獲得しました>
<スキル<錬金>がレベルアップしました>
<「錬金初級」を覚えました>
称号を手に入れた瞬間から痛みが減った、何か効果があったのかもしれない。
「っはぁはぁ」
「ははは、どうじゃ融合した感覚は?己が変わる感覚良いじゃろう?実に素晴らしいものじゃ」
「最悪だよ。めっちゃくちゃ痛いじゃないか・・」
「そのうちお主にも素晴らしさが分かるわい。どれ、試しに魔眼を使用してみるがよい。魔眼はすでにお主の体の一部、後天的に手に入れる技能とは訳が違う。融合の術は物と物をつなぎ合わせ元からそうであったと世界に誤認させる術、小規模じゃが世界を書き換えておる。じゃから技能とは違いマナの消費はない、あまりにも強い力を持つものはマナを消費するものもあるが、それは本当に生まれ持ったとしてもマナを消費する様な強力なものだけじゃ、その程度の魔眼なら問題なかろう」
テオフラストゥスの言葉が本当であるならばこれは大きなアドバンテージだ。スキルを一つをタダで使えるんだからな。マナというのはおそらくMPのことだろう。
夜目を発動することを意識してみる。すると薄暗かった廃屋の中がライトを照らしているかのように明るくなった。
「どうやら成功した様じゃの。魔眼は本来先天的な技能じゃ、故に練習の必要もない。人は生まれたときから息の仕方を知っておるじゃろ?それと同じじゃ、技能取得したものは魔眼と同じような段階になるには多くの時間が必要じゃろうな」
・・・・・・錬金術素晴らしい!融合バンザイ!
「・・・・・・錬金術素晴らしい!融合バンザイ!」
「ふむ。お主も錬金術の素晴らしさを理解したようじゃの、やはり有望じゃ」
おっと感動し過ぎて声に出ていたようだ。
「融合についてはこれくらいでよかろう。では修行を始めようかの」
流血表現の設定を少し変更。(17/07/15 01:04)
<夜目の魔眼>
夜目の魔眼を持つものである証。
獲得条件:自らの目に夜目の魔眼を移植する、または夜目の魔眼に創り変える。
補助効果:スキル<夜目>の効果を使用できる。
<自己改造>
己の肉体を創り変えたものである証。
獲得条件:自ら自分の肉体を創り変える。
補助効果:肉体を作り変える際の痛みを軽減する。
STR,VIT,AGIを5ポイント分増やす。
<ダークアルケミスト>
禁忌とされる錬金術を使用したものである証。
獲得条件:<変質><ー><ー><融合><ー>のいずれかを使用する。
補助効果:特定のNPCの好感度UP。特定のNPCの好感度DOWN。
MP,INT,MNDを4ポイント分増やす。
ちょびっとだけ書き方変えてみました
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<ステイタス>
名前:ケイ 種族:ヒューマン レベル:5
ステイタスポイント:0 スキルポイント:3
HP 120/120 MP 190/80(+14)[+12]→190/210 満腹度72%
STR 12(+1)[+5] →18
DEX 10 →10
VIT 13(+17)[+5] →35
AGI 13[+5] →18
INT 17(+33)[+11] →61
MND 10(+16)[+4]→30
LUK 10 →10
スキル(4/4):<錬金術:4>
「錬金の基本:Passive」<分解><合成><最下位錬金>
「錬金初級:Passive」<下位錬金>
「テオフラストゥス:Passive」<変質><融合>
<偵察:1>
「イージーステルス:4」
<探索:4>
「もの探し:Passive」
<火術:1>
「ファイアボール:5」
装備:右手 :錬金術士見習いの杖
左手 :角兎の盾(55/70)
頭 :森狼のマジックハット(100/100)
右腕 :なし
左腕 :なし
胴1 :森狼のマジックローブ(140/140)
胴2 :森狼のマジッククロース(140/140)
靴 :森狼のマジックブーツ(80/80)
アクセ1:探索者のカバン
アクセ2:ゴブリンの首飾り(5/10)
アクセ3:なし
持ち物(28/40):初心者ポーション*5、簡易錬金セット、石ころ*30、石ころ*30、石ころ*12、大きな石*1、雑草*30、雑草*30、雑草*29、汚水*12(5%↑)、ウィケストマウスの骨*16、ウィケストマウスの骨粉*1、ケイの下位回復薬*5、ケイの回復薬*1、ホーンラビットの毛皮*17、ホーンラビットの肉*12、ホーンラビットの串焼き*7(25%↑)、ケイの下位回復薬:失敗*2、ボロ布*4、ビックラットの牙*1、ケイの下位回復薬:失敗*2、錬金術士見習いのローブ*1、偵察者の靴*1、テオフラウトゥスの魔法陣*1、ミスリルの釜*1、ユグドラシルの枝*1、ミスリルの筒*1、採血のナイフ*1
所持金:4,250G
取得可能スキル:なし
称号:<座標同期者><テオフラストゥスの弟子><夜目の魔眼><自己改造><ダークアルケミスト>
所属ギルド:冒険者ギルド
クエスト[冒険者ギルド(2/3)]<ゴブリン討伐(0/5)><ビックラット討伐(1/5)>
[Extra]<錬金術士・テオフラストゥス>
[ミドガ暦1年1月5日AM0:00][西暦2161年7月19日PM4:00]