表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
MidgardOnline~錬金術を極めるもの~  作者: あおりんご
初心者編
13/30

ビックラット

 串焼きを食べてから草原へ出る。


 とりあえずホーンラビットに対して魔法を放ってみることにした。ホーンラビットは背中を向けているチャンスだ。


 「ファイアボール!」


 言葉とともに正面へ小さな赤色の魔法陣が出現する。そしてMPが抜けていく感覚を感じた瞬間ソフトボールくらいの火の玉がホーンラビットに向かっていく。声に反応してホーンラビットはこちらを向いたがもう遅い、火の玉はホーンラビットに直撃しそのHPを削り切った・・削り切った!?

 まさか削りきるとは思わなかった。そういえば角兎の盾は火属性に弱いと説明にあったのでホーンラビットの弱点も火属性なのだろう。


 ファイアボールの詠唱から魔法陣の発動、発射までおおよそ5秒。クールタイムは5秒ある。短いような気もするが前衛職と違い魔法だけが攻撃方法であるならば妥当だろう・・杖で殴ればいい気がしないでもないが。

 消費MPは5なので現状最高で22回発動できるが見ている限りMPの自然回復は微々たるものである。乱発はできそうもない、錬金にも使うしね。


 練習がてらホーンラビットにファイアボールを放っていく。ワンパンは気持ちいいなぁと思いながらさくっと討伐を終わらせる。今回はビックラットを見に行くつもりなのだ。



ーーーーー



 ビックラット、その名の通りでかい鼠だ。大きさは成人男性の膝くらい、俺の場合は身長の3分の1位の大きさだ。鼠と言って侮ることなかれ鼠が巨大化すれば何が脅威か、それは速さである。


 音を立てながら杖が空を切る。狙ったはずの鼠はすでに俺の後方へ移動済みだ。


 「くそっ」


 振り向きながら、そう悪態を付くが状況が変わることはない。

 どうやらホーンラビットはすごく弱い部類に入るようだ。ゴブリンは集団で、ビックラットは速さで初心者を歓迎する。これならゴブリンの方がマシなくらいだ、やつらは数が揃えば脅威たりえるがはぐれを見つければ倒すことができる。

 所詮鼠、ゴブリンより難度は低いと判断して来てみたのが間違いだった。群れるわけではなく集団で囲まれはしないが逃げられない。やつらの速さを超えるAGIを持つものは初心者にはいないだろう。


 よく考えればわかることだ。ゴブリンの縄張りもビックラットの縄張りもプレイヤーの姿はほとんどない。それはなぜか、勝てる見込みが低いからだ。ゲーム内時間で4日目、ホーンラビットしか倒せないというのはおかしい。であれば他のプレイヤーはどこに向かったのか。

 初心者平原から繋がるエリアは3つある。一つ目は平原右奥のエリア、ゴブリンの縄張りである《小鬼の縄張り》。二つ目は今現在いる平原左奥のエリア、ビックラットの縄張りである《大鼠の狩場》。そして最後、平原をまっすぐ抜けると森がある。名は《蟲の森》、そのまんま蟲系モンスターだけが出現する森エリアだ。おそらくそちらの方が難度が低いのだろう。全く詐欺である、どう考えても森の方が難度が高そうなのに。

 この鼠だけ倒したら森へ向かおう、そうしよう。と決心しこの戦いを終わらせるため改めて気合いを入れる。鼠の行う行動は今のところ3つ、大きな歯を使った噛みつき、速さを生かした回避行動、そして速さを攻撃に回した突進だ。突進の使用頻度は低い、俺が隙を見せた時に使ってくる。おそらく隙が大きいのを理解しているのだろう。だがこの行動パターンは使えるかもしれない。


 杖をビックラットに叩きつけるようと振るう、しかし杖は灰色の毛皮ではなく空気を叩きつける、これはもちろん予想通り。ビックラットは俺の背後に回りこみ背中を噛み砕こうと大きな口を広げる。それを前方へ飛び込むように回避する。ガチンという音に背が冷えるが体制を整え鼠を視界に入れる。口を閉じたばかりの状態は隙だらけに見えるがそれは間違いだ、奴の目はしっかりとこちらを見ている。そこへわざと杖を振りかぶる。それを好機と見たビックラットは突進をしようと後退する。両手を上に上げたこの身は無防備、ならばどうするか。


 「ファイアボール!」


 魔法陣が描かれ始める(鼠が突進を開始する)魔法陣か完成する(7m)魔力が注がれる(6m)魔力が充填する(4m)炎が虚空より出現する(1m)


 炎が爆発した。


 衝撃で体が飛ばされる。おそらく魔法の現界位置とビックラットの位置が重なったのだろう。すでにビックラットの影はなかった。


<<ビックラットの牙>がドロップしました>

<称号<座標同期者>を獲得しました>


 どうやら称号を獲得したようだ。


<座標同期者>

 魔法を特異な方法で使用したものである証。

 獲得条件:攻撃魔法の発動座標とモンスターの座標を完全に重ねる。術者との距離1m未満の状態に限る。範囲魔法は含まない。

 補助効果:攻撃魔法のダメージを5%アップする。MP,INTを2ポイント分増やす。


<ビックラットの牙>

 ビックラットの象徴とも言える牙。固く鋭く数多の命を奪ったことがうかがえる。


 目の前で爆発したおかげで大ダメージを受けてしまった。一度街へ帰るとしよう。

ケイはINTが高めなのでホーンラビットを一撃で仕留められました。

-----

<ステイタス>

名前:ケイ 種族:ヒューマン レベル:5

ステイタスポイント:0 スキルポイント:3

HP 51/120 MP 90/120(+6)[+2] 満腹度72%

STR 13(+1)

DEX 10

VIT 16(+6)

AGI 14(+1)

INT 21(+2)[+2]

MND 10

LUK 10

スキル(4/4):<錬金術:3>

       「錬金の基本:Passive」<分解><合成><最下位錬金>

       <偵察:1>

       「イージーステルス:4」

       <探索:3>

       「もの探し:Passive」

      <火術:1>

       「ファイアボール:5」

装備:右手  :錬金術士見習いの杖

   左手  :角兎の盾(55/70)

   頭   :錬金術士見習いのフード(胴上のオプション)

   胴上  :錬金術士見習いのローブ

   胴下  :旅人のズボン(デフォルト)

   靴   :偵察者の靴

   アクセ1:探索者のカバン

   アクセ2:ゴブリンの首飾り(5/10)

   アクセ3:なし

持ち物(21/40):初心者ポーション*5、簡易錬金セット、石ころ*30、石ころ*30、石ころ*12、大きな石*1、雑草*30、雑草*10、汚水*14(5%↑)、ウィケストマウスの骨*13、ウィケストマウスの骨粉*1、ケイの下位回復薬*1、ケイの回復薬*1、ホーンラビットの毛皮*17、ホーンラビットの肉*12、ホーンラビットの赤い目*1、ホーンラビットの串焼き*7(25%↑)、ホーンラビットの赤い目*1、ケイの下位回復薬:失敗*2、ボロ布*4、ビックラットの牙*1

所持金:20,750G

取得可能スキル:なし

称号:<座標同期者>

所属ギルド:冒険者ギルド

クエスト[冒険者ギルド(3/3)]<ホーンラビット討伐:clear><ゴブリン討伐(0/5)><ビックラット討伐(1/5)>


[ミドガ暦1年1月4日PM0:00][西暦2161年7月19日PM12:00]

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=on
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ