スキルの説明
「これで止めだっ!スラッシュ!」
そうガドルが叫ぶとともにきらめきを放つ刀身がゴブリンへめり込みゴブリンはガラス音とともに砕け散った。
「ふぅ。やっとこれでクエストは終わりだな」
あの後少数のゴブリンを探し回ったのだが運悪くなかなか見つからずに1時間ほどエリア内を隠れつつ徘徊し、先ほどやっと見つけたのだ。
「ああ、まさかこれほど見つからないと思わなかったな」
「それにしてもケイはなかなか面白いことするな。途中でゴブリンが突然倒れたの、あれどうやったんだ?」
「あれは睡眠薬だよ。確率が低いから成功するかは一か八かだったんだが、成功して良かった」
「睡眠薬か、そんなもんがあるんだな。高かったんじゃないのか?」
「いや、自作だからな。ただ同然だし一度使っておきたかったんだ。実際に使ってあんま効果なかったじゃ、もしものときに困るからな」
「なるほどな。じゃあ一度街へ帰るか、なんか食わなきゃやばいしな」
「ん?何も食わずに出てきたのか?」
「いや一応食っては来たんだがどうも40%を切ったあたりからデバフが入るらしくてな。そこからどんどん状態が悪化するらしい」
「そうか、じゃあ10%を切ったときはヤバめだったんだな」
「おいおいそんなとこまで行ったのか?ステイタス管理はきちんとしろよ。見た目の割にしっかりしてると思ったら抜けてるとこもあるんだな」
「むぅ」
そんなことを言いながらガドルはハハハと笑っている。見た目のことを言われたのは気にさわるが笑い方がすごく様になっていてかっこいい・・やはりむかつく。
「もういくぞ」
そういいながら俺は足早に街の方向へ向かう。
「おいおい。悪かったって機嫌直せよ、確かに子供っぽいところもあるが戦闘中はそれなりに頼もしいじゃないか」
いやそれ褒めてるのか?半分以上貶してないか?街に着くまでは無視を決め込んでやる!
ーーーーー
ギルドに向かいながらあることが気になったのでガドルに聞いてみる。
「なぁ、スキルはどこで手に入れれるんだ?」
「お。もうご機嫌が治ったのですかお嬢さん?」
「おまっ、やっぱりふざけてるだろお前」
「ハハ、いやいやすまん。スキルのことだったな。スキルはその辺の露天にも売ってるが冒険者ギルドにも売ってるぞ。でもたまにギルドに売ってないやつが数量限定で露天にあったりするから回ってみるのも面白いぞ」
「なるほど、じゃあ基本ギルドに行けば目的の物はあるのか」
「ああ、だがギルドはランクなんかで買えないのがあったりするからな。その点、露天は割高だがギルドもランクも関係ないから誰でも買えるのさ」
なるほどギルドで買うことができなくても金さえあれば手に入るのは便利だな。これからはお金も集めておこう。
「あとはプレイヤー間の交換や売買だな」
「プレイヤーもスキルを売れるのか?」
「ああ、白の書ってアイテムがあってな。スキルを消すときに絶対に欲しいアイテムなんだが、消したスキルは白の書に記載されて剣術の書とかになるんだ。で、自分が消したスキルなんかを他の人がいらないと思ったスキルと交換したりするわけだ。でも書から手に入るスキルはレベル1からだから消すのは慎重にな」
「へぇ。その白の書もギルドにあるのか」
「ああ、でも10,000Gもするからなんでもかんでもスキルを試せるわけじゃないぞ。何かスキルが入った書は安いのもあるが白の書は特別高いからな。現状10,000Gも持ってる奴はなかなかいないだろ、装備なんか買ってからあっという間になくなるしな」
「そ、そうか。スキルって大変なんだな」
どうやら俺は現在小金持ちらしい。装備をあまり買ってないのもあるだろうがよくよく考えるとホーンラビット討伐やゴブリン討伐の報酬は500Gなので20回クリアしないと10,000Gにならない、モンスターの数でいうと100匹だ。そんなに倒していたら装備の耐久値も減るから修理も必要になる、実質10,000Gが貯まるのはもっと倒した後なのだ。
「レアなクエストやアイテムを手に入れたやつが何人か試したらしいから情報が出てるが、せっかく貯まったGをそんな簡単に使っちまうなんて信じられねぇぜ」
そう呟きながらギルドに入っていくガドル。お金は慎重に使うとしよう。そう思いながら俺もギルドに入る。
ーーーーー
ホーンラビットとゴブリンの討伐を完了してクエスト欄をスクロールする。
「へえ。ちびっこいからどうやってクエスト見てるのかと思ったらそんな機能あったんだな」
「ちびっこいは余計だぞ。ガルドは良さげなクエスト探さないのか?」
「良さげなクエって言ってもな・・そんなもんあっという間に取られるだろうし、期待するだけ無駄だろう」
「そんなこと言ってると損するぞ、ほらいいのあるじゃん」
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受注可能クエスト(1/3)
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<防具の試験手伝い>
<ネズミマニア>
<トトキ草を集めて>
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<ネズミマニア>
依頼者:アル
達成条件:ネズミ系モンスターの骨30本の納品もしくはネズミ型モンスターの全身骨格1つの納品
報酬:8,000G
説明文:ご主人様がどうしても欲しいとおっしゃています。報酬は多めに出しますのでどうか納品ください。
「お前これ報酬はいいがハズレじゃないか。骨なんてビックラットからはドロップしないし骨格なんて見つかってもないぞ」
「ん?骨ならそこらに落ちてるだろ。でも今回は骨格の方が効率いいから骨格を納品するか」
全身骨格は筒でできるので場所をとらないし時間もかからない。なのでカバンから筒を取り出し骨を10本入れさっと合成する。
「は?それどうなって」
ガドルが何か喚いているが俺はクエストを完了する。他にクエストを探してみるが目につくのはなかったのでいつものクエストを受注し直してスクロールを閉じる。
「おい、さっきのなんなんだよ。どうやって骨を纏めたんだ」
「ん?なにって合成じゃないか」
「合成?調合スキルにそんなのあったか?」
「調合じゃなくて錬金だよ」
「錬金?あの使えないスキル取ってるのか?」
「使えないって。結構使えるぞ、睡眠薬とか役にたったろ」
「あれ錬金で作ったのか?錬金はほとんどアイテムを作れないし、作れても割に合わないって聞いてたんだがなぁ」
「もういいだろ。とりあえずスキルの店が見たいんだ、どこにあるんだ」
「スキルの店か?わかったついてこい、2回の奥の方だから覚えとけよ」
そう言いながらガドルは階段を上っていくがどうやら先ほどの説明では納得が言っていないようだ。なぜだろうか?
それにしてもなんのスキルを取ろうか、今から楽しみでだ。
<ステイタス>
名前:ケイ 種族:ヒューマン レベル:5
ステイタスポイント:5 スキルポイント:4
HP 98/120 MP 82/100(+6) 満腹度34%
STR 13(+1)
DEX 10
VIT 16(+6)
AGI 14(+1)
INT 16(+2)
MND 10
LUK 10
スキル(3/4):<錬金術:3>
「錬金の基本:Passive」<分解><合成><最下位錬金>
<偵察:1>
「イージーステルス:4」
<探索:3>
「もの探し:Passive」
装備:右手 :錬金術士見習いの杖
左手 :角兎の盾(57/70)
頭 :錬金術士見習いのフード(胴上のオプション)
胴上 :錬金術士見習いのローブ
胴下 :旅人のズボン(デフォルト)
靴 :偵察者の靴
アクセ1:探索者のカバン
アクセ2:ゴブリンの首飾り(9/10)
アクセ3:なし
持ち物(19/40):初心者ポーション*5、簡易錬金セット、石ころ*30、石ころ*30、石ころ*12、大きな石*1、雑草*30、雑草*10、汚水*14(5%↑)、ウィケストマウスの骨*13、ウィケストマウスの骨粉*1、ケイの下位回復薬*1、ケイの回復薬*1、ホーンラビットの毛皮*13、ホーンラビットの肉*11、ホーンラビットの串焼き*9(25%↑)、ホーンラビットの赤い目*1、ケイの下位回復薬:失敗*2、ボロ布*4
所持金:22,750G
称号:なし
所属ギルド:冒険者ギルド
クエスト[冒険者ギルド(3/3)]<ホーンラビット討伐><ゴブリン討伐><ビックラット討伐>
[ミドガ暦1年1月4日AM9:00][西暦2161年7月19日AM11:00]