キャラクリエイト
設定の甘さや安易さに多数指摘を頂いております。作者自身反省と共に次に活かしていきたいと思っておりますが、この様な拙作でも読んでいただければ幸いです。(17/07/17 追記)
フルダイブ型VRゲーム、それは長年ゲーマーたちが夢見てきた正に夢のゲーム!
自ら敵と対峙し、剣で切り裂き、魔法で吹き飛ばし、見たこともない土地を踏みしめる。今まで画面の外から見ていた光景をその目で見る。そんなゲームに飛びつかないゲーマーがいるか、いやいない。そんな奴はもはやゲーマーではない!
そんなフルダイブ型VRゲームが発表されたのは2158年の6月に行われた大規模なゲームのイベントだった。ゲーム名は「MidgardOnline(ミズガルズオンライン)」通称MO。本体とゲームの発売は再来年の年始と発表、しかしそんなゲームの発売延期なんかはよくあるはなしで結局2161年7月に発売されることになった。一年半の遅れだったがもちろん予約も完売、初期ロットは10万という期待したであろうゲーマーたちの数百分の一の数しかなかった。しかも日本国内限定、理由は開発会社が日本にあったから。なぜそんなに数少ないかというと初のフルダイブ型ゲームであるがゆえにサーバーの負荷が予想できず安全マージンを十分にとった結果だそうだ。βテスト結果しだいである程度ソフトを増量するとの話だった。βテストは初期ロットを購入した人のみで行われ、結果は10万ロット追加された、もちろん即完売。選ばれし20万人がプレイすることになった。
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俺は榊原圭、ゲーマーだ。高校2年17歳。身長は平均で、体重は少し軽い。学力は数学と理科が得意な理系タイプ。部活は入っていない。そして、栄光あるMOのプレイヤーだ。残念ながら追加の10万本の方なのでβテストは参加できなかった。
βテストはマジでテストだったらしい。マップは本来のマップが広すぎるため各要素を集めた専用マップ。そんなので不満はないのかとネット上で話題になったがなかったらしい。モンスターを間近で見たり、武器を実際に手に持ったり、フィールド特有の雰囲気を感じたり、全てが初めての体験であり興奮したそうだ。
因みにMOにはゲーム内掲示板があるらしい。仮想ウィンドウからのアクセスしてネットの画面のように書き込みができるらしい。しかし俺は使わないことに決めている。MOはこれまでのゲームとは違い実際に自分でゲームの中を冒険する。なら情報も実際に目と耳で集めたほうが世界を堪能できると思うからだ。
実際にサービスが開始されるのは今日である。夏休みの初日という最高の日付だ。アバターの作成は一週間前から可能だった、髪型、髪色、目の形、瞳の色etc、すべてで1兆通りを超えているらしい。一週間でも足りないくらいだった。
サービス開始まであと10分、専用のヘッドギアを装着しベットに横になる。開始時刻である12時まであと5秒、4、3、2、1。
「リンク・オン!」
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目を開けると真っ白な空間だった。おそらくチュートリアルだろう。そう思考しているとアナウンスが流れた。
「ようこそ。ミズガルズオンラインの世界へ。この場ではキャラクリエイトを行っていただきます。まずプレイヤーネームをお決めください」
ふむ、キャラクターネームか。特に決めてなかったな、昔から使っている「ケイ」でいいか。
「ケイで頼む。表記はカタカナで」
「了解いたしました。ケイさんですね、他プレイヤーと重複していないかチェックします」
「チェック完了いたしました。重複はないので[ケイ]で登録させていただきます。ゲーム内では基本的に変更できないようになっておりますのでご注意ください。次にアバターの設定です。ケイさんはアバターを作成済みなので確認のみで構いません、修正可能です」
「そのままで頼む」
「了_し_a_t_」
「ん?」
ヘッドギアずれてたかな?
「次はスキルの設定です。仮想ウィンドウに表示いたしますのでお選びください。お選び頂く際は該当のスキルをタップ後、決定の場合は決定を、キャンセルの場合はキャンセルをタップしてください。スキルは3つ選べますが最低1つで構いません、選ばなければ1つにつきゲーム内通貨3,000Gを所持金に追加します。ゲーム開始後、条件を満たせば追加で取得可能です」
スキルか、このゲームはジョブ制ではなくスキルのみだ。一応ネットである程度下調べはしてみたが製品版になって追加のスキルや仕様が変更されたスキルがあるかもしれない。
「すみません。初期スキルいくつあるんですか」
「現在選べるスキルは30種あります。ウィンドウ上部のタブをタップしていただくと探しやすくなっております」
30種類か。上部のタブは、近接、遠距離、生産、特殊、ステイタス補助か。
近接は<剣術><槍術><斧術><棒術><拳術><盾術>。
遠隔は<弓術><銃術><投術>。
魔法は<火術><水術><風術><土術><祈祷>。
生産は<鍛冶><裁縫><装飾><調合><料理>。
特殊は<調教><錬金術><召喚術><偵察><探索>。
ステイタス補助は<筋肉質><研究者><ランナー><堅牢><高貴><能天気>。一部のステイタスをあげ、代わりに一部のステイタスを下げるらしい。
ネットで調べたところ<錬金術>のスキルはあまり人気ではなかった。アイテムとアイテムを融合させ別のアイテムを創る。しかしおおよそベータで作ることのできたアイテムは<調合>でも作ることができ、しかも<錬金術>のほうがコストが高くついたようだ。
でも俺は「面白そう」だと思った。理由は<錬金術>というファンタジー感あふれるものに対する憧れだ。初めてのVRゲーム、効率も大事だが楽しむことも大事だ。なので俺は<錬金術>を取ってみることにした。
まず1つ目は錬金術だな。次は探索かな、アイテムを集めて錬金をする完璧だ。そして偵察、戦闘系はあとから取るとして偵察で敵わなそうな敵は避ければいいだろう。
「スキルは以上でよろしいですか」
「ああ」
「了解しました。ではスキルに合わせた初期装備と初期資金をお受け取りください」
おお、マジか。自分で買いに行かなくていいとか親切だな。んーと、どれどれ。
<錬金術士見習いのローブ>レア度:1
適正レベル:1 INT+1 MP+3
錬金術士見習いがもらえるローブ。錬金術に適した効果が少しある。
<錬金術士見習いの杖>レア度:1
適正レベル:1 INT+1 MP+3 攻撃力3
錬金術士見習いがもらえる杖。錬金術に適した効果が少しある。
<偵察者の靴>レア度:1
適正レベル:1 AGI+1 VIT+1
偵察者が初めにもらえる靴。偵察に適した効果が少しある。
<探索者のカバン>レア度:1
適正レベル:1 インベントリ10枠拡張
探索者が初めにもらえるカバン。探索に適した効果少しがある。
探索者のカバンが優秀なんじゃないか?初期のインベントリの大きさによるけど。あとは3,000G。
「次にステイタスポイントの分配をお願いします。5ポイント分配でき、HPとMPは1ポイントにつき5、それ以外は1ポイントに着き1上昇します」
さっきもらった装備によると錬金術にはMPとINTが適しているってことだよな。多めに入れとくか、HPに1、MPに2、INTに2だな。
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名前:ケイ 種族:ヒューマン レベル:1
HP 105/105 MP 90/90(+6) 満腹度100% SP:0
STR 10
DEX 10
VIT 11(+1)
AGI 11(+1)
INT 14(+2)
MND 10
LUK 10
スキル(3/3):<錬金術:1>「錬金の基本:Passive」
<偵察:1>「イージーステルス:4」
<探索:1>「もの探し:Passive」
装備:右手 :錬金術士見習いの杖
左手 :なし
頭 :なし(胴上のオプションを任意で装着可)
胴上 :錬金術士見習いのローブ
胴下 :旅人のズボン(デフォルト)
靴 :偵察者の靴
アクセ1:探索者のカバン
アクセ2:なし
アクセ3:なし
持ち物:初心者ポーション*5、簡易錬金セット
所持金:3,000G
所属ギルド:なし
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よしこれでいいな。
「以上でキャラクリエイトは終了となります。ではMidgardOnlineの世界をぜひお楽しみください」
その言葉とともに世界は白に包まれた。
主人公が錬金術を選ぶ動機づけを変更。(17/07/13 17:34)
掲示板についての主人公の考えを追加。(17/07/13 19:58)