in dream
目蓋を開く。
歪んで、鈍く青く光る太陽。
そのすぐ隣に大きな穴の空いた月。
火山が亀裂を作って割れたかと思えば、また新しい火山が中にある。
噴火をしているかと思えば、黄緑色の空を吸い込んでいる。
紫色の海が、外側と内側の回転が逆の渦を巻いている。
まばたきをする。
薄暗い、灰色のコンクリートの壁の工場。
ベルトコンベアが運ぶのは四角い缶詰。
機械からはみ出た6つの歯車が、バラバラの速度で回っている。
天井にはヤニと風船が溜まってる。
地面はコンクリートの所々に、赤黒い何かがこびりついている。
まばたきをする。
目の前に門がある。
大きさは判らないが、どこの端も遠すぎて見えない。
何もしていない筈なのに、ゆっくりとその門は開きだす。
開きつつある門の隙間は全て、真っ黒な何かが蠢いている。
幾億もの眼光を此方に向けて。
よだれを垂らした口を開けて。
その18本の足で力強く走る。
鮫に似た歯で肩を食い千切る。
まばたきをする。
天井の木目を見る。
一人呟く。
「眠い」