第7章 肆の試練〜final step〜
とりあえず泰成は青龍のところへ行くことになった。
「ここからでは人間の足だと3年かかってしまう。なので私がお送りしよう」
と、一人の天界案内人と名乗る男が言った。
どうやら彼の能力は、天界を自由に飛び回れるものらしい。いわば瞬間移動だ。
「では!いきますよ!」
そして何やら呪文を唱えたあと、結界みたいなものが地面に現れ、
「中心の丸い部分に立つと、青龍様の屋敷へと飛びます」
そして泰成と海伊はその丸い部分へと足を踏み入れ、光に包まれて消えていった。
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「で?この責任はどうとってくれるのかしら?朱雀?」この声は白虎のものだ。
「俺が全部とるさ」と答えたのは朱雀だ。
「あなた青龍様に殺されるわよ。天界に行けなきゃ青龍様の屋敷に行けない...でもそのために嘘をついてまで泰成を死なせたからね」
「まあ、妖怪魔のランク付けをわざと間違えたことで泰成を天界に遅れたんだからいいじゃん」
そう、妖怪魔の本当のランクはAランクである。
「願わくば、青龍様ではなく、力のついた泰成に殺されたいな」
そう告げて、朱雀は涙を零した。
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「ここが青龍の屋敷か...」 俺はその建物を見つめ、呟く。
「こら!様をつけてください!殺されたいのですか!?」海伊が、あぁ恐ろしや、みたいな眼差しで俺を見つめてくる。
「んじゃ、行くとすっか!」
そして、屋敷の門を開ける。
「ようこそ、蒼の屋敷へ」
重苦しい声で迎えられた。その声の発信源には、蒼い鱗に包まれた人間をかたどったような人?がいた。おまけに頭の左右には金色の角が1本ずつ生えている。高そう。
「あぁ、俺は凄力泰成。よろしく」
「ほう...俺にタメ口とはな...馬鹿なのか?まあその度胸気に入ったぜ」、と面白そうに青龍は言う。
「そりゃどうも。で、ここではどのような修行をするのだ?」
「まず、基礎能力の向上を、そして、それが一定以上になれば、奥義の伝授へと移る。と、まぁこれを半年ほどやってもらう」
「半年?!!おいおい、それじゃ生き返るのが最低でも半年延びるってことかよ!てかなんで今月のトーナメントに参加しないんだ?!」
「馬鹿者!!今月のトーナメントに出場して勝てると思ってるのか!!」
と、一間おいて...
「まず、今月はAランクの敵が多すぎる。そこに入ってお前は勝ち抜けるとでも言うのか?!今のお前のランクはDランクだぞ!というかその前になんで妖怪魔と戦ったんだ!」
「それは...妖怪魔はBランクで、俺が怒り、キレるとBランク、妖怪魔よりも強い能力値が得られると、朱雀が言ってたから...」
「あいつは嘘ついてるな。妖怪魔はAランクだ」
ーーーーーー朱雀のヤロォ、嘘つきやがったな!!
「まあ、なにはともあれ、お前にはあと半年でAランクぐらいまで鍛えるつもりだからな、覚悟しとけよ」
それから半年間、青龍の屋敷からは悲鳴が耐えなかったという...
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「さあ、面白くなってきたな」
そう独り言を言うのは一人の男であった。
「おそらく俺が殺した妖怪、怪物共は今月のトーナメントには参加しないだろう。泰成を狙って、半年後に出るだろう...」
そして一言...
「がんばれよ、やす...」
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ども、らぶもうとです。
修行の様子はカットさせていただきました。半年分書くと大変なことになるので...
とりあえず次回はトーナメント(半年後の)にまで飛びます。
では...