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序章
俺、「凄力泰成」は15歳の中学3年生だ。
「市立明光中学校」に通っている。
俺には、妹がいる。といっても、血の繋がっていない義理の妹だ。名前は「琴鳴雅」、10歳の小学4年生である。
今日は8月31日、夏休み最後の日であるのだが、宿題がひとつも終わっていないのだ。まだ残っている宿題に目を通しながらため息をつく。
彼の得意なことは喧嘩だけである。普通の生徒でも、不良でもない、まぁ、中間の存在である。
「あーあー。学校ない代わりに、命張った喧嘩がしてーなー」
と、呟く。
その言葉が、後に悲劇を呼ぶことは、知る由もなかった。