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智子ちゃんのパンツ

作者: LiN

 中学生になってすぐの夏休み、私はお父さんとお母さんに連れられて車で親戚の家に行った。

 そこには、おばあちゃんと、おじさんと、おばさんと、智子ちゃんが住んでいる。智子ちゃんは私の二つ下で五年生だった。

 次の日に予定があったので、その時は日帰りの予定だった。

 高速道路で、運悪く渋滞につかまった。事故だという。二時間もの間車はほとんど動かず、やっと進みだした時には到着予定の時間はとうに過ぎていた。


 私はオシッコをずっとがまんしていた。

 車が止まっている時、父は「そのへんでしちゃうか?」と言って車の外を指さした。母はビニール袋を渡して「この中にしちゃいなさい」と言った。私は怒って拒否した。もう中学生なのに、外でオシッコなんてできるわけない。お父さんがいるのに車の中でパンツを脱いでビニール袋の中というのも嫌だ。

 結局、高速道路にパーキングエリアも見当たらず、目的地の出口をおりることになった。お母さんは「じゃあもうおばあちゃんちまで我慢しなさい。」と言った。


 言われなくてもがまんする。

 そう思った。

 だけど、おばあちゃんの家まであと少し、最後の信号待ちをしているところで、お父さんが「あとちょっとだぞ」と私に声をかけた時、ついに我慢なくなった私は車の中で座ったまま、パンツの中におしっこをしてしまったのだ。おしっこはあっという間にパンツの中を熱くして、私のおしりも熱くして、智子ちゃんに見てもらいたくてはいてきたちょっと短めのスカートを濡らしていった。

「おかーさん…」

 お母さんがふりむいた時にはシートも私の足元もびちょびちょになっていた。

「でちゃった…」

 そう喉から絞り出すのが精いっぱいだった。


 車がおばあちゃんちに着いた。お母さんがため息をついて言う。

「さ、おりて。」

 いやだ。ここで着替える。そう言いたかったがそもそも日帰りの訪問だったのでその着替えを持ってきていないことに気づいた私は泣きそうになりながら車を降りた。外に降り立った時、スカートにしみ込んだおしっこが足を伝ってソックスを濡らした。


「知佳が車の中でおもらししちゃって」

 家に入ると母は挨拶もそこそこにおばさんとおばあちゃんに私の失敗を伝えた。顔がかっと熱くなるのが分かった。私はうつむいた。おばさんと、おばあちゃんと、それから智子ちゃんが目の前に立っている。少しだけ顔を上げると智子ちゃんがぽかんと口を開けたまま私を、私の濡れたスカートを見てつぶやくように言った。

「おねえちゃん…がまん…できなかったの?」

 私は黙ってうなずいた。

 おばさんはあらあらと言って、

「智子、知佳ちゃんをお風呂に連れてって、シャワー浴びさせてあげて」

 そう言った。

「うん」

 智子ちゃんの声。


 智子ちゃんは私の手をとってお風呂場へ向かった。

 年下の智子ちゃんに手を引いてもらっているのが恥ずかしくて、くやしくて、涙がぽろっとこぼれてしまった。智子ちゃんがはっとしたのが分かった。

 私はあわてて智子ちゃんから顔をそらしたが、無駄だった。

 泣いているところを見られてしまった。

 私はそれがさらに恥ずかしくて、くやしくて、さらに涙があふれてしまった。

 中学生になったのに、おねえちゃんなのに、おもらししして、泣いちゃって…


 お風呂場で、智子ちゃんが言った。

「しょうがないよ。おねえちゃんだってがまんできないとき、あるよね」

「うん」

「わたしも学校でおもらししちゃったこと、あるよ?」

「そうなんだ」

「六年生の人がもらしちゃったこともあるって、先生が言ってたよ」

「うん」

「元気だしてね」とだけ言って、智子ちゃんはお風呂場の戸を閉めた。

 お風呂場で、私は服を脱いだ。スカートをおろすと、パンツの前と後ろのおしりのところには大きなシミができているのが見えた。初めて自分で買ったパンツ。

 私は、泣きながらシャワーを浴びた。


 脱衣所に戻った私は困ってしまった。着替えがないのだ。とりあえず上のポロシャツを着たが、下に着るものがない。このまま出ていくわけにもいかない。私は下半身に何もつけないまま、仕方なく洗ったスカートとパンツとソックスを絞っていた。その時、智子ちゃんが入ってきて、

「おねえちゃん着替えないんだって?これかしてあげる」

 そう言って白い布を私に渡した。

 パンツだった。パンツだけだった。

「おもらしの罰で今日はパンツ一枚だって。おばさんが」

 智子ちゃんが申しわけなさそうに私を見る。「おねえちゃん、泣いちゃうかも」そんな心配そうな顔。

 私はパンツを広げてみた。

 智子ちゃんのだから、ちょっと小さい。子供用の、白いパンツ。

 おなかまで隠れる。おしりにはウサギのイラスト。


 私は智子ちゃんの前でそのパンツを履いた。

 脱衣所の鏡で自分の姿を見る。幼いパンツ。後ろを向くとおしりにはウサギさん。

 私は思わず笑ってしまった。

「いこっか」

 私がそう言うと智子ちゃんはにっこりと笑って私の手を取った。




 お座敷に行くとパンツ姿をお父さんとおじさんに笑われた。智子ちゃんが笑わないように言ってくれた。



 お母さんに汚したものををお庭に干しなさいと言われた。パンツのままお庭に出てドキドキした。智子ちゃんが手伝ってくれた。



 遅い昼ご飯を食べた。パンツのまま食べるのが不思議な感じだった。



 智子ちゃんといっぱい遊んだ。おもらしのことをからかわれた。パンツのことも。



 時間が遅くなったので泊まっていくことになった。智子ちゃんがすごく喜んだ。



 智子ちゃんの部屋で寝た。寝るまで、智子ちゃんが学校でおもらしをしちゃった時の話をした。



 次の日の朝には、私のパンツは乾いていた。




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