プロローグ
忘れはしないよ……。あなた達が行った全てを……。 忘れはしないよ……。あなた達が母を殺した事を絶対に忘れる事はしないよ……。
幼い子供が心に誓ったものは【罪】を【罪】だと知らしめる事だった。
この時、子供はまだ4歳だった…。
月日は流れ、真冬でもない春の足先には珍しく雪が降り積もった空港には
大勢の人が移動している中でソレはとても目立っている。
一人は漆黒のロングコートに黒のマフラーを巻いた淡い茶にの髪の中に煌めく髪の毛の束が印象に残る中性的な顔立ちの人とその人よりも10cm以上も高い濃紺のロングコートを纏った灰色の髪の青年の身体が前に倒れたのかと思うと……彼の前を歩いていた小柄な子供に抱き着いた。というよりも抱きしめた。
「………い………眠い」
「重〜〜い!!抱き着かないでよ!!梗」
身体を退かせようと腕を使うが根本的に体格に差が有ることからびくともしない。
「はぁ−……分かった、早く帰ろうか?」
「うん!!詞雪〜大好きvv」
いきなり首に回されている腕に力が入り詞雪が梗の腕を何度も叩いて止めさせた。
物語りの始まりを告げるのは‥‥御影詞雪と常盤梗が日本に降り立ったこの時から急激に動き出す事を知っていたのは、二人だけだったのかもしれない。