093「1週間に1度はランチデートのお誘いが来る」
今日はダンシングマンがお休みで、私が仕事。
この状況が甥っ子君には不自然に映ったらしく、朝食の時からおろおろしていた。
確かに、自営業だと両親とも休みか、両親とも働いているかの状態になりやすいんだろうな。
それにしても、そんなに不審がらなくても良いでしょうに。
しかも今日は弟子とランチの約束があるからお昼ご飯もダンシングマン任せ。
で、弟子とランチの最中にダンシングマンからメールが入る。
『あいつ洗濯も掃除も料理も満足に出来てない!』
良家の中学生男子に何を求めているのだね、きみは。
ちなみに私は良家ではない通常の家の娘でしたが、中学時代には洗濯も掃除も料理も満足に出来ませんでした。
一人暮らし始めてやっと何とかするようになったのに。
自分の中学時代と比べてみて、それより酷いと思うなら叱っても良いと思うよ、と返信。
しばらくして
『怒りは消え去り、青空に浮かぶ白い雲の面持ち』
という、評価に困るポエムが送られてきたので、華麗にスルーすることにしました。
弟子とのランチは、何故かまっスンと山姉さんと篠Pという営業3人組に見つかり、最終的に5人で賑やかに食べることになりました。
うん、やはり篠Pは弟子に気があるようだな。
山姉さんも早々に気付いて茶化してるし、たぶん、弟子もまっスンも気付いてる。
しかし弟子はなびいてない。
前に私のこと好きとか言ってたし、もしかしたら男に興味いのか?
篠Pはわりとしっかりしたお買い得物件だと思うけど。
篠Pのあからさまなアピールに困惑気味の顔で私をチラチラ見る弟子。
私は、たまには弟子が困っているのを見学するのも良いな、とのんきに傍観。
しかし、ランチ終わった後に弟子からのメールで私、その視線の本当の意味を知りました。
『最近、ダンシングマンさんの様子はどうですか?』
特に変わりはないと思うけど、どうかした?
『3日前にハルさんじゃない女の人と一緒にいるのを見ました』
なんだとー。3日前といえば、ちょっと帰りが遅かった日だ!
浮気か? 弟子は現場を見たのか!?
詳しく聞いておけば良かった!
さてどうしてくれようか。
問い詰めるか。
証拠集めに走るか。
無視を決め込むか。
甥っ子君がいるところで男女のごちゃごちゃとか見せたくないしなあ。
ギクシャクすると、勘の良い子だから何か気付くかもしれないし。
ここは『青空に浮かぶ白い雲の面持ち』作戦が良いかしら。
弟子にはお礼だけ言って、しばらく放っておこう。




