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089「怒りは心配に上書きされる」

怒涛の午前が終わって、ほっとしていたら謎のオッサン再来でした。

orz


今度は業務時間外。

帰ろうとしてたのに!


で、他の物件もご紹介出来ますので、営業の人を呼びますね、とにこやかに対応したら、オッサンが怒り出した。


ここでないとあなたが管理していないのでしょう!? それでは意味がないんですよ!

と。

……また変なの来たよ。何なのよ。何かお昼休みに押し掛けてきていきなり愛を告白してきた弟子に似てるな、と思っていたら。


あなたがいないと私の人生は無意味なんです。


とか言い出した!

キモい!


でもこれ仕事とは関係なさそうだ。


だから容赦ない方向で。


「私にはもう決めた方がいるんです。その人がいないと私の人生は無意味なんです」

と言ってみた。


「それはあなたの気のせいです。あなたの運命の相手は私なんですから」


うわあ、こいつ私のことは全否定だよ。

何故私はこんなに変な奴にばかり好かれるか。

これが私の運命ならば私は神を信じない。


「やめて下さい。私はあなたの相手なんかしたくありません。帰って下さい。今すぐ出て行かないと営業妨害と迷惑行為禁止条例違反で警察を呼ぶことになります」


「呼んで下さい。それであなたの気が済むのなら。私はあなたへの愛を証明するだけです」


オッサンは帰ってくれなかったので、近くの交番に電話して制服警察官2人に来ていただき、私への愛を叫び続けるオッサンを連れて行ってもらいました。


三十路過ぎた女に温情があると思うなよ!

(↑全ての30オーバーな女性に当てはまるわけではありません。念のため)


過去2回、会社を訪問した時に置いていった名刺も警察官に渡したし、その時の応接書も見せた。見せてる間に社長許可が電話により下りたので、応接書の写しもセットにして引き取ってもらった。

(↑徹底的)


何だろう、この腹の虫が収まらない感じ。

あいつ駆逐したい!

とぷりぷりしてたら、ダンシングマンからメールが。

『甥っ子が帰って来ないって実家から連絡あった』


……甥っ子って、あの引きこもりっぽい子だよね。

家出か? 事故か? 身代金目的の誘拐か? 何かに巻き込まれたのか?


……駄目だ。思考が嫌な方向ばっかり行くよ。

とにかく家帰って、ご実家からの続報を待っていよう、と家路を急いだら、ドアの前に見たことある影が。


「甥っ子君!? 何してるの?」


「……ちょっと……旅行?」


……もう少しマシな嘘を誰か教えてあげてください。


今、ダンシングマンからご実家へ連絡してもらっているところです。

正に一難去ってまた一難って言葉そのまま。

厄年のせいなのかな。

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