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082「新人に付ける薬ないですか?」

今朝は出社して一番に社長のところに謝りに行きました。

今日は新人さんの隣に本社事務係長付けるから、と言われました。

お前は聞かれたことだけ答えろ、と。


はい、大人しくしています。クビとか困る。


で、新人さんは出社してきていつも通り始めようとしたのだけど、本社事務係長は私と新人さんを連れて社長のところに。

えー、私さっき謝ったのにぃ。

でも神妙な顔で一緒に立ってた。


昨日は騒いで申し訳ありませんでした、と皆で頭を……新人さん下げてねえ!

いやいや、お前は下げろ! 誰よりも深く下げろ!


「昨日叫んでいた理由は何ですか?」


社長が丁寧語でキタ。

始めて聞いた! 怖い!!


新人さんは「ハルさん、昨日叫んだんですか?」と私に訊いた。


……おい。

私、困って本社事務係長を見て、社長を見た。

社長、困惑。


えーと、私、昨日は叫んでないよな。……うん、叫んでない。


「新人さん、昨日叫んで床を転げ回っていましたが、あれは何故ですか?」


社長、気を取り直して再度質問。

こんなに辛抱強い社長は久しぶりに見ました。


「床? 私、そんなことしてませんけど」


新人さん、答えた。

どうしよう。何なのこの人。


これには皆で困って言葉もなかったんだけど、新人さん、「あれかもしれません」と言った。


アレ?


「私、霊媒体質で、よく霊を体の中に入れてしまうんです。そのせいかもしれません」


キタ━━━(゜∀゜)━━━!!


ホンモノか!?

病院向けの人材か!?


本社事務係長、何ていう新人連れて来てんだ!

言っちゃ悪いけど……

人見る目がない人だな。


全くもう。社長も固まってるじゃないか。

視界の隅には笑いを堪えるS係長と苦笑する篠P。

誰か事態を収拾してください。


……私がやんの? マジで?


「エート、新人さん、ここは職場なのであんまり霊を降ろさないでくださいね。業務時間、もったいないんで」


「でも霊が勝手に入って来るんです。私の意思ではどうにもならないんです」


お前の意思で病院に行ってくれ。


なんでかしら。

T先生は信じられるのに、新人さんは信じられない。

偏見かしら。第一印象で決めちゃったのかなー。

でも仕事中は降霊しないでいただきたい。


とりあえず、仕事することにしました。

昨日の続きから。

私は傍観。

でも午後2時過ぎにまた降霊されました。

今回、私は何もしてないけど、新人さんのPC画面見たら文書作成ソフトの作業途中。

うん、昨日から全く進んでないから。


どうしよう。本気でキレそう。

私も降霊してみるかな。

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