076「いいお友達です」
弟子からメール来た。
ランチのお誘い。
就活してないから時間あるんだって。
この子、タレント志望だったっけ?
……売れる前にサインでも貰っとこうかな。
それにしても直球で誘われると断りにくいのは何故だろう。
( ´Α`)
とりあえず、来週に先延ばし。
来週悩むことにする。
今日は私のコーヒータイムを狙って変なオッサンが来ました。
以前、1回物件下見に来た怪しいオッサン。自称・輸入代理業の。
やっぱり今日も一人だった。怪しさ満点。
しかし身形が結構良いんだよね。
洋服が高級そう。海外のブランドかな? ちょっと日本のスーツ売り場になさそうな渋い暗赤色の上下に、中のシャツが少し赤みの差した黒、ジャケットの胸ポケットにハンカチーフしてるし。
日本の町中でこれは目立つだろうなあ。
合わせのセンスがお上品だから、お金持ちのオジサマ風?
でもお腹つきだして歩く様がオッサン臭漂うのよ。ちょっと残念だわ。
これでスマートなら2ショットで写真撮って母に送るのに。
で、応接スペースでお茶出す隙に、携帯からまっスンに『なんかこないだの下見オッサン来た』とメールを送った。
メールには返事なかったんだけど、10分ほどで、近くまで来てたらしい篠Pがやって来た。
後から聞いたら、まっスンから至急向かうように電話があったらしい。
ありがとう、まっスン。
篠Pはにこやかに挨拶&名刺攻撃。
オッサンもにこやかに挨拶。
そこから3分ほどでオッサン帰った。
本気で何しに来たの、オッサン。
営業妨害か?
まっスンに、オッサンが帰った連絡をして、篠Pと二人でコーヒー飲みながら今後の対策を練る。
私はあのオッサンは上品に着飾った反社会的勢力側の人であるに違いないと主張。
篠Pは有閑マダムならぬ有閑オッサンで、なおかつ資産家であるに違いないと主張。
私達の意見はどこまでも平行線をたどった。
資産家とヤクザさんだと対応の仕方が全然違うのよ。
そこで私は最終手段、お役所に確認する、という荒業に出ることに。
役所に電話で、会社の営業中にお客様かヤクザ様か分からない人が来るので調べて欲しい、と問い合わせたの。
数ヶ所たらい回しにされたけど私は耐えた!
あの我が儘社長の下で何年働いてると思う。我慢なんかし慣れてましてよ。
ちょっとイライラしたけど。
それに、反社会的勢力排除条例出てるからね。
協力しようとしている庶民にはお役所も丁寧に、「1週間ほどお時間かかりますがよろしいでしょうか」
……丁寧過ぎやしないか?
まあ、はっきりするなら良いか、とお待ちしてますと伝えて。
さて、どっちなんだろうなあ。




