075「鉄の心と書いて平常心と読むのです」
甥っ子君と2人きりの食堂。
繁忙期は従業員さんも一緒に食べることもあるそうで、15人程度は余裕で座れる空間で2人ぼっち。
……沈黙が気まずい。
私「甥っ子君、今、何歳?」
甥っ子君「……14」
凄く無表情に答えてくれました。
ますます、弟1号と被るな。
にしても、14ってことはダンシングマンがアメリカ行った後に生まれ……
おう。私もオバサンと呼ばれる年齢なんだなあ。
( ;∀;)
ふと視線を感じて顔を上げると甥っ子君と目が合いました。
私「ごめん、ちょっと自分の年齢にショックを受けて」
甥っ子君「……」
私「甥っ子君のお母さん、若くて良いね」
甥っ子君「……関係ないし」
私「なんで?」
甥っ子君「自分、あの人の子じゃないんで」
自分のこと『自分』なんて軍人さんかよ!
いや待て待て。……えーと、今、重いこと言ったよね、この子。
しかし私は大人だ!
大人の対応が出来るんだぜ。大人だからな!
子供じゃないってことは、お義兄さんの連れ子か何かかな?
でもダンシングマンは普通に甥っ子って紹介してくれたし、ダンシングマン姉の子供として戸籍登録されているのは間違いないはず。
今時、多少の事情もない親子なんか珍しいわ!
そんなことには動じないぜ。
アイアン・マインド発動!
私「養子縁組してないの?」
甥っ子君「それは……してる、けど」
私「じゃあ普通にお母さんて呼んでいいんじゃない? 若いし美人だし、呼びたくない気持ちも分かるけど」
甥っ子君「……」
動揺してるな、この子。
ふっ。チョロいわ、中学生。
伊達に倍の年齢積んでないわよ!
……_| ̄|○
(↑自分にトドメを刺したらしい)
甥っ子君「……うっせーよ、オバサン」
_ノフ○
(↑甥っ子君からもトドメを刺されたらしい)
私には屍を晒すことすら許されないのか。
その後、あまり会話らしい会話もなく。
でもうちひしがれる私を見兼ねてか、甥っ子君はお茶のおかわりとお菓子を出してくれました。
ありがとう、甥っ子君。優しい男になるんだぞ。
それから戻ってきたダンシングマン家族達と少しお話ししてからお暇申し上げました。
ダンシングマンのママさんから「次は入籍の報告にいらっしゃい」とお言葉を賜りました。
ダンシングマン姉は「その前に年末年始に旅館手伝って」と言って、旦那さんに「やめなさい」とやんわり止められてました。
帰りはダンシングマン兄の運転する自家用車で神社経由で最寄り駅に送っていただきました。
家に着いたの午後10時。
もうへろへろです。おやすみなさい。




