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072「緊張にも勝てない」

今、会いに行きます。

ダンシングマンのご両親に。


ダンシングマンのスペックは結構高い。

身長は174センチで体重は不明。細く見える。

本人は185センチは欲しかったらしくて、それだけあれば世界が獲れた(本人談)らしい。

顔は童顔だと思う。実年齢マイナス10才ぐらいに見える。先月髪を短くしました。(前は少し長かった)茶髪です。


アメリカの大学を6年かけて卒業してから、アメリカのダンス大会で4位、フランスのダンス大会で8位を獲って帰国。

ダンスインストラクターをしながら練習して、ストリートダンスの世界大会では最高5位、社交ダンスのアジア大会で最高3位。他にも色々出たらしいけど、あんまり良い成績が出せなくて、5年目にダンスを辞めて、広告会社に就職して3年勤め、今年から再びプロのダンスインストラクターとして、世界を目指す若手の指導に当たっている。


そんな凄いスクールの先生だったのね~。

成績残せなくてって聞いてたけど、てっきり日本の大会だと思ってたら大学以降は全部海外の大会の話だったわ~。


……私の彼氏はかなり凄い人だった模様。

何も知らなくてごめん!


今、電車でダンシングマンの実家に向かっています。

どんどん山奥に入っていってます。

あ、渓谷、紅葉綺麗♪

風景見て無理矢理和んでます。

痛いのよ、胃が。

指先とかもう冷たくなってるのよ。

緊張です。怖いです。


だってダンシングマンの実家だよ? 両親だよ?

気に入ってもらいたいじゃない。

どうすれば気に入ってもらえるんだろ。


相談したいのにダンシングマン寝てるし。

そりゃ昨日も仕事で遅かったし、疲れてるのは分かるけど!


相談に乗ってよ!

それが無理なら、せめて私の話し相手になって気を紛らわせて!


あー、緊張で泣きそう。


途中電車を乗り換えて、最寄り駅にはお兄さんが迎えに来てくれるそうです。


ダンシングマンの家族構成は、兄1人、姉1人、妹1人、ご両親に、お母さんのお母さん(ダンシングマンのおばあちゃん)。

お兄さんは独身で、実家近くの植木屋さんに就職。

お姉さんは婿養子をとってご実家の旅館を手伝っていて、妹さんは京都市内の和菓子屋さんに嫁がれたそうな。


うん。何ていうか。

逃げたい。逃げ出したい。


絶対ヤバいって。そんな家、絶対無理だって。

歴史あるとか、先祖代々とか、本当にヤバいから。無理だから。


着物どころか浴衣の着付けすら出来ないし、お茶もお花もやったことないし!


完膚なきまでに叩き潰されそう。


ダンシングマン、骨だけは拾って帰ってくださいね。


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