059「必要なら戦います」
非常ベルはただの故障でした。
しかし何というタイミングで壊れるのでしょう。ビビりました。
で、ダンシングマンからメール来ました。
一言、『ハルは両刀?』。
……何のこっちゃですよ。何が聞きたいの?
とりあえず、仕事終わってから電話しました。
話によると、ダンシングマンのダンス教室、弟子も通っているのですが、今日は弟子がレッスンをお休みしたそうで。
で、弟子のお友達とお話したそうです。
お友達たちの中では、弟子はレズビアンではないかと言われているそうです。
……となると、あのケーキ持ってきた時の告白が怖い意味を持ってくるのですが……
(-_-)
ハルさんはノーマルだよ。ノーマルなはずだよ。今まで女の子と恋愛関係になったことないよ。
そりゃかわいい女の子は好きだけど、あくまで鑑賞用だし!
私はどっちかというと、気っぷの良い山姉さんみたいなタイプのほうが楽しく過ごせ……いやいやいや、普通に! 友達として!
なのでダンシングマンにはちゃんと、私には女性を恋愛対象とする趣味はないこと、弟子は恋愛対象でないことを説明しました。
ダンシングマン
「ふーん。そうなのか」
そうなのかって、あんた今、私の彼氏じゃないか。しかも結婚前提とか言ってたくせに!
ちょっと怒ったらまた喧嘩になりそうになったので、適当にして電話切りました。
全く、なんでこんなややこしいことになってるんだろ。
と、携帯を見ると弟子から着信アリ。
……もういいよ、本当に。
放っておいて、テレビから出てきたりしても嫌なので電話した。
もうめちゃくちゃに泣いてて何言ってるか分からなかった。多分、会いたいです、とか、駅まで来て、とか、そんな感じの。
うん、やばい感じがびしびししたね。
なので、とにかく今日は遅いし家に帰りな、って言って、明日の夜なら空いてるから、ケーキお返しするよ、って言った。
そうしたら大人しく、『分かりました』と電話切ってくれました。
聞き分けは良いらしい。
悪い子じゃないのも分かるんだけど。
怖いよ、色んな意味で。
とりあえず、体調を万全にして戦える状態にしとかなくちゃ。
あと、残業せずに帰る段取りつけて。
頑張れ、私。戦え、私!




