表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
132/138

番外編19-05

「はい。ソネザキ、チョコレート」

 

 差し出されたチョコは売店で売られているバレンタイン用のチョコだった。

 マヤは可愛い袋でリボン留めされた物。

 キヌガサは赤い包装紙で包まれた箱状の分だ。

 板チョコの三倍ほどはしたと、ソネザキは記憶している。

 

「ほら。前にさ、ソネザキにお世話になったでしょ」

「とりあえず、その時のお礼ってことで」

 

 口調の差が相変わらず乏しい。

 

「いいよ。結局解決しなかったし。自分達で食べてよ」

 

 寮生活はみんな少ないポイントをやりくりして生活している。

 寮の外では高が数百円のチョコでも、ここではセレブな嗜好品だ。

 

「それじゃあ、こっちの気が収まらないし」

「少なくとも水着で登校って罰ゲームは回避されたんだし」

 

 押しつけてくるふたりに、断り切れずに受け取った。

 

「あはは。ソネザキ、ちょっと照れてる」

「深い意味はないからね」

 

 等と言いながら席に戻っていく。

 

「しかし、あれだな」

 

 ドルフィーナが気だるそうな瞳で、ソネザキのチョコを眺めながら。

 

「バレンタインチョコと言うと誰もが想像するやつか。こういうところでも、地味な無個性が発揮されるとは驚きだな」

「酷い言い方してやるなよ」

 

 否定はできないが、とりあえず嗜めておく。

 

「あのふたりってさぁ。地味以外取り得がないよねぇ」

 

 相変わらず気だるそうにやってきたのはイスズだった。

 銃弾を跳ね返すと揶揄されている厚化粧も普段通り健在だ。

 

「っていうかぁ、ソネザキ、モテモテじゃんかぁ。六つも貰えるなんてぇ、超すげぇって気がしねぇ?」

「六つ?」

 

 板チョコふたつとバレンタイン用のチョコ達を見ながら、訝しげに繰り返す。

 

「これぇ、ミョウコウからチョコケーキだってぇ」

 

 後ろ手に隠していた紙袋を出しだす。

 覗くと箱が入っていた。それなりに大きい。

 ケーキだとすると中身は五号くらいだろう。


「チームで食べてってさぁ、試食に付き合ってもらったお礼だってよぉ」

 

 表情を強張らせるソネザキの肩を、イスズがケケケと笑いながら叩く。

 

「大丈夫だってぇ。今回はチョコケーキ作ろうと思って作ったんだしぃ。着地点が普通の食べ物だったらぁ、ホントに上手なんだよぉ。実際、アタシ達も昨日、試作品食べて美味しかったしぃ」

「それなら安心したよ」

 

 イスズの顔は不調には見えないし、ヤハギとフユツキも健康そうだ。

 

「でも、なんでイスズが?」

 

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ