シーン8パパとママ。
私は考える。
どうすれば私達が冒険に行きたい話をして両親を納得させる事ができるのか。
そんな事を考えながら私は夕食を食べていた。
そしてキャリッシュちゃんはひとまず家に帰ったのだ。
私はパパとママを何とか説得したくて考える。
考える……………考える…………考え…………………る。
『ああっ!!!もう考えが纏まらないよお。』
私の大声に二人が驚きの表情で見ていた。
『ど……………どうしたんだフェルノ?』
『何か変なものでも拾い食いでもしたのかしら…………?』
『えっ!?いやあ……な……んでもない………かな?……あはは。』
ママの言葉に焦りつつも私はいい案がないか……思考する。
(えっと…………まずは私の夢をハッキリと言ってそれに向けて少しずつ冒険の幅を広げていくのがいいとは思う……………そうこれはキャリッシュちゃんとも話していた事だった…………そしてゆくゆくは世界へと飛び出すのよ。)
するとママが口を開く。
『ねえフェルノ……そういえば今日あなた達が帰ってきた時の事なのだけれども………あなたお洋服が大分破けていた気がするのだけれど………まさかまた……………冒険とか言って危ない所に行ったのでは………ないわよねえ?』
『んぎくっ!!???えっ!?な………何言ってるのママ!私がそんな事するわけないじゃなあい。』
私の行動をまるで見ていたかのように問いかけてくるママの言葉に私は焦り答えてしまう。
『ん!?フェルノはそんな事するわけないよあ?ママの言う事ちゃあんと聞くもんな?』
お酒をチビりと口に入れ機嫌良さそうに話すパパ。
『そうだよ!私がそんな事するわけないじゃん……………。』
『そうよねえ………でもね………キャリッシュちゃんも服が破けたりしてたのよねえ……………。』
『まさかあ……キャリッシュちゃんとは遊んできたけど…そ……そんな事………しないよお!!』
焦り思わず声が裏返りそうになりながらそうママに返す私。
『そうよねえ……………そうよ……フェルノはちゃあんと街の学校を出て………そしていいところに就職して……安定した男性と結婚をして幸せに暮らしてほしいものねえ。』
その言葉に私は青ざめそうになる。
そんな話をされると私の夢が全面拒否されそうなのである。
するとパパが口を開く。
『なあフェルノ?お前は容姿もママに似て美しい……そしてまあ………学習の方はさておき………パパに似て運動神経は良さそうだ………それでもパパもママは、お前には幸せな暮らしがして欲しいと思っているんだ……………そろそろ将来の事も考えてもいい時期にはなってきたとは思う……だから将来の夢を聞かせてはくれないか?』
『えっ!?パパ……………』
私はパパの言葉にドキリとした……もしかして今この時に本当の夢を語っておいた方がいい気がしたのだった。
そして私は………意を決し………夢を………語る。
『あ…………あのね………………私……………………』
するとママが口を開く。
『まさか…………とは思うけれども…………冒険に行きたい…………とか…………言わない………わよねえ。』
黒い影を発しながらそう問いかけてくるママ。
これが私の恐れるママの威圧なのだった。
『えっ……………………ママ………………。』
私はパパに助け船を出してもらえないかと目を向けると………なんとパパは顔を真っ赤にし、ニコニコ笑いながらお酒を飲んでいるではないか……先程のあれはただ酔っていただけなのか!?
『いやああーーーっ!!ママ……………やっぱり………怖いんですけど!!』
そんな私は思わず声をあげてしまっていた。
『なああに!?ママが怖いってえ?フェルノはいつから思った事を口に出しちゃうようになっちゃったのかなあ?』
ママの圧倒的な威圧感に身体が震えてきてしまう。
すると……。
『冒険……………か……………………。』
パパがそう呟く。
『えっ!?』
『フェルノ………いいか?お前が冒険に行きたいと色々な場所へ出かけているのはママにも、もうバレているよ………そしてお前のその行動はママからパパにも相談されていたんだよ……。』
『えっ!?そうなの?』
するとママはふぅっとため息をつき、口を開いた。
『そうよ……あなたが冒険をしたいって気持ち……アキニー女王に憧れてるのも知ってるわ……でも私は今のまま、あなたを世界に送り出す気はないわ………何故ならあなたはまだまだ手のかかる子……私の大切な一人娘だもの………』
『ママ…………』
『だからね……パパとも話したのだけれど……学校を出たらまずはギルドに入りなさい………そして修行をして……それからなら………私はあなたが冒険に行く事を認めるわ。』
『ママ…………………うん………分かった。』
ママの言う事は間違いのない話だった。
だから私も素直に返事を返した。
ママは私を抱きしめる………その手は温かく……癒しをくれていた。
『あれ!?そういえば………私………今気がついたんだけど…………今まで……おうちに帰ってくるといつの間にか怪我した傷が治っていたのって……もしかして……………。』
ママはにっこり微笑む。
『娘の事ならなんでも分かるの………だって私は……………………あなたの母親だもの。』
私はママが大好きだという事を改めて思ったの。
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