シーン54枯れた大地。
巨大なアリジゴクを粉砕したキャメルさん。
その力はさすが砂漠の戦士といえる本当に相応しいものだった。
バチバチと電気だろうか火花が飛び動かなくなった鉄の塊が横たわる。
『おお………キャメル殿…………実に素晴らしい力…………以前よりも遥かにパワーアップされてますな。』
『いやいやドエルゴ殿…………ですが大量の水を要するものでして………お恥ずかしながら水を絶たれた私には弱るしかなかったのです。』
謙虚にもそう語ったキャメルさん………でも本当に強い人だったんだと私は実感したの。
するとキャメルさんが口を開く。
『では向かいましょうか?我が故郷………『イシス』へ。』
そしてキャメルさんの案内の元、私達は再びイシスへと歩を進めたのでした。
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それから馬車に揺られる事数時間…………私達の目の前の先にこの砂漠の中に木々が生え揃っている街が見えてきたのでした。
すると私の鼻にはとある匂いを感じる。
『んん!?この匂い!!!あの機械の匂いが…………うええ………………臭すぎるよお!!!』
私は油というものの匂いなのだろう……おかしな刺激臭を感じ頭が痛くなりそうだった。
『大丈夫ですかな?フェルノ殿!?』
『うええ……ダメこの匂い………………。』
『では……………シルフ殿…………………風を。』
『アンタ本当に精霊使いが荒いわね!?』
『そこをなんとかお願いいたしたいっ!!』
サーベルさんがお願いをして私の目の前を風が通り過ぎ匂いが回避されていく。
『おおっ!ありがとう!!シルフちゃんっ!!』
そんなやり取りをしているとキャメルさんが口を開く。
『いやあ…………でも私は魚人殿を初めて拝見させていただいてますので感動ですねえ!』
『そんなにですかな?』
『ええ………この砂漠の大地には魚類がまずいませんからねえ……まあそういうことなのですよ。』
『なるほど…………それでこの辺りはこんな広大な砂漠地帯ですけどこのどこかで機械の為の何かをあのボルドーは採掘してるのですな?』
そう話に入ってきたドエルゴ。
『はい………しかもその『油』を隣国ヨーロディアへ輸送し、更にマシーン開発をしているとか………恐ろしいものです……そんなボルドーはこの地を油田と利用しているのです……その為に貴重な水が汚染され………この大地はいつか枯れてしまう事でしょう。』
『そんな事………許せないよ。』
『ええ………ですがね……この世界は今は世界情勢を握っている、ほとんどがヒューマン族なのです………力こそ我々獣人とは違いありませんがそれを補う頭脳を持ち合わせているのがヒューマン族………もちろんほとんどのヒューマン族は良い方ばかり……極希に邪悪な者もいるのですよ………この地にも先程のマシーンモンスターも解き放たれてますしね……。』
そう言ったキャメルさんの視線は先程のアリジゴクに向けられていた。
すると行先の方から誰かの声が聞こえてくる。
『おおっ!!魚が見える………これは幻なのかな……………』
私達の視線がその声の主に向けられる。
『マース!!!????』
そう名を叫び倒れゆく者の元へ駆け寄っていくキャメルさん。
彼はマースさんを抱き寄せる。
『マース!!大人しく待っていてくれとあれほど言ったではないか!!!???』
キャメルさんが抱き寄せていたのは華奢な身体からして女性だった。
マースさんはうっすらと目を空け口を開く。
『ああ…………キャメル……………なの?』
『ああ………そうだぞ………君の恋人のキャメルだぞ。』
震える声でそう返すマースさん。
『でも……どうして………ここに?救援は………?ケニージアの女王様と会えたの?』
私は彼女の声にいても立ってもいられなくなる。
『私が!!女王アキニー様の代理です!!私がイシスの街を救います!!!』
彼女はそっと微笑む。
『良かっ………た…………………………。』
そういうと気を失ってしまうマースさん。
キャメルさんが彼女を抱き寄せ、そして背に彼女を背負う。
そして彼はイシスの街へと目を向ける。
『ドエルゴ殿………そしてフェルノ殿……….……どうか……………僕の全てを差し出します…………ですのでどうか……………そのお力をお貸し願いたい。』
『もちろん…お嬢………………ワシからもお願いいたします…………わずかばかり時間とお力をお貸しください。』
キャリッシュちゃん、そしてサーベルさんも頷いている。
『もちろんだよ!!ドエルゴ………キャメルさん…………素敵な恋人さんをしっかり守っていてね!!』
『はい…………ありがとうございます。』
声を震わせそう返してきたキャメルさん。
そして私達はイシスの街へと前進していったの。
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