シーン19彼女の名前。
私達は気持ち新たに旅立つ。
目指すはケニージア…………そこへ行けばきっとマジェスト協会もあってヤシュア様もいて、そして…………なんと言っても……あの憧れのアキニー様を一目見たい!!
私はそんな最推しであるアキニー様への推し精神が高まってくる。
幼い時に一目見たアキニー様の美しさ……そしてそんな彼女の頭部には見事な獣人である証の羊の角が見え……全てが美しく神々しかったのを今でも私の中で鮮明に覚えている。
『ああ…………アキニー様……………………私…………必ず行きますから………………。』
そんな私が妄想に浸りながらも馬車は快適に進んでいた。
すると私達の目の前には広大な大地が広がり……そこにはお城が見えてくる。
『うわああ………………凄いねえ………………。』
『お嬢殿……あれに見えますのがケニージアの手前の国でもあります『ターンラニア』の国でございます。』
そう言ったドエルゴの言葉に私達は目を輝かせていた。
『本当にこの国………………綺麗……………………。』『ドエルゴ…………あれがここのターンラニアのお城なのかなあ?』
『ええ…………そうにございます…………それと……ここで少し愛馬の『シルバー』を休憩させてやりたいのです…………もちろん食料調達もしなければなりませんのでまずはターンラニアの街まで参りましょう!』
『分かったーーー!!』
こうして私達はターンラニアの街に向かう事になったのでした。
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『お嬢殿…………この国は緑と水の綺麗な国でしての……農業が盛んな国でもございます…………。』
『農業…………へえ……なんか温かいしね……色々食べ物も美味しいんだろうなあ……………………。』
『そうですね……暖かな気候……そして…水も綺麗な事で…故にああして田畑も広がっており……農作物もこのアフリエイトの大地では随一と呼ばれる程の国なのですぞ…………。』
『へぇぇ……………………じゃあ果物とかも沢山とれたり…………とか!?』
『ええ…………おっしゃる通りでございます。』
にこやかに話してくれるドエルゴ…………私達はそんなこの国に入ろうとしていた。
すると…………私達と同行していた彼女…………が口を開く。
『ここは…………何か記憶があります………………。』
『おおおっ!?本当に!?』
『それならば…………このままターンラニアの街までも行きますし何か思い出せた時は話すと良いですぞ。』
『分かりました………………ありがとうございます。』
『うーーーん………………。』
その時…………私は考えていた………………やはり思い出せないにせよ……彼女にもとりあえずの名前が必要なのだという事を。
『なになに?フェルノ…………もしかして……あの彼女の名前の事考えてた?』
私の考えてる事を見透かしたように声をかけてきたキャリッシュちゃん。
『うんうん……さすがキャリッシュちゃんには私の考えてること隠せないなあ。』
『うふふ…………じゃあさ……思い出せるまで私達で考えてあげないかなあ?』
私達がそんな会話をしていると……気がついた彼女が口を開く。
『あの………………お名前………でしょうか?』
『うんうん……やはり名前があった方が呼ぶ時困らないかなって…………ダメかなあ?嫌ならいいけど…………。』
『いえ………………では……お願いします。』
私の言葉に、にこりと微笑み答えてくれた彼女。
こうして名前を考える事にした私達。
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『アイスちゃんのイメージがついてるからねえ…………アイスちゃんツーはどお?』
『はあ…フェルノ………どうしてあなたはそんな安易すぎるの!?ツーってなんなのよ?』
『ええーーーーーっ!?じゃあキャリッシュちゃんも考えてよ…………。』
『そうね…………例えば…………マグロちゃん……とか。』
『なにそれ!?なにかお魚のような名前なんだけどキャリッシュちゃんもふざけすぎだよ!?生臭そうだよお!』
『えっ!?アンタのツーよりよほどいいでしょ!?』
『じゃあ……イクラちゃんってのは!?』
『いや……それなんかダメな気が……タイ!!…………それがダメならタイこちゃん……。』
『キャリッシュちゃんこそふざけすぎ!!どうしてお魚のような名前しか出てこないのお!?』
私達の名前を考える行為はどんどんおかしな方向に入っていく。
いつしかフレアちゃんとアイスちゃんが姿を現し…………呆れて私達を見ていた。
すると………………………………それを聞いていた彼女が口を開く。
『私………………なにか思い出してきた気がします…………確か……私の名前は…………『あくあ』……だったと思います。』
『『おおおっ!!!思い出したんだね!?やったね!?』』
私達の喜び叫ぶ声。
後で聞いたのだけど……人間激しいショックを受けると…………記憶が蘇る事があるらしい…………。
私達の考えた名前がショックすぎた…………のかなあ?
そんな事を考えた私達だったの。
そして私達はターンラニアの国へと入っていたのだった。
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