シーン18ドエルゴさん。
『おお……………………………………。』
私は思わず声をあげる。
すると、キャリッシュちゃんの愛用している鉄製の爪が光り輝く…………なんとそれは青白い光だった。
『無事………………アイスちゃんが魔神としてキャリッシュちゃんを主と認めたようね。』
『フレアちゃん………………じゃあキャリッシュちゃんは私と同じく魔神の力を借りれるって事なんだね。』
『そうとっていいだろうね……でもまだその力は未知数だね……まずはフェルノ……貴女が守ってあげなきゃね……。』
『うん!わかったよ…………あ……でも……アイスちゃんが入っていたヒューマンって………………。』
私達がそんな彼女に目を向ける。
すると、アイスちゃんがその身体から抜けたことでなんとブルーだった髪色が薄いブルーになっていたの。
そんな彼女は目覚めたようで…………。
『ううん………………ああよく寝たわ………………って……ここはどこですか?…………で…………貴女達は一体誰なの……………ですか?』
『おお……お目覚めなさったか…………ワシは馭者をしている旅の者で…………『ドエルゴ』と申します……そしてこちらはワシの主人である『フェルノ』殿とご友人の『キャリッシュ』殿…………我々はちょっと遠いですが……ケニージアを目指す一行でございます…………。』
ドエルゴの説明で彼女は何かを考えこんでいる様子だった。
『えっと………ドエルゴ様……私まだ混乱してまして……少しばかり記憶を辿ってもよろしいですか?』
『はい…………ではゆっくりと我々と一緒に食事をしながら思い出されるとよろしいかと…………。』
すると…いつしか先程の『ピポック』の姿焼きが焼き上がっていた。
いい匂いが辺りに充満し私のお腹もなってしまう。
ぐう…………きゅるきゅる……………………。
『あはは!いい匂いでお腹なっちゃった。』
『分かるよフェルノ………………私もなんだか物凄くお腹空いたわ………。』
私とキャリッシュちゃんは笑顔で彼女に微笑む。
『どうです…………御一緒に…………どうぞ……。』
ドエルゴは彼女にも切り分け差し出す。
そして…彼女は一口かぶりつく。
『んんっ!?おい…………しい………………。』
『そうですかそうですか?お口にあいましたのなら何よりです……さあ沢山食べてゆっくりと記憶を思い出すといいですぞ。』
彼女は微笑み……そして……何かを考えているようだった。
そして私達も…………………………。
『うんまーーーーーーーーーい!!!』
『うんうん!本当に美味しい!街にはこんなお肉置いてないものね?』
キャリッシュちゃんもお肉の味に感動しているようだった。
私の口の中にも濃厚な豚肉の旨みだけが倍増した様なピポックのお味が広がり幸せを感じる。
『これが世界の味……なのかあ………………』
『お嬢殿…………そうですぞ……世界にはまだまだ沢山の美味しい物もあるのですぞ……それが旅の楽しみでもあるのですじゃ。』
『へえ…………本当に世界って広くて凄いなあ…………私もっともっと冒険して世界をみたいなあ。』
『ハッハッハ……!そうですなあ…………その為にはまだまだこれから旅を続ける為にもまずはケニージアの『マジェスト協会』に行き……『ヤシュア殿』にもお会いするのは得策ですのでな。』
『うんうん!そして私は……あの『アキニー様』にも会ってみたい!!』
すると話を聞いていた彼女が口を開く。
『私…………少し思い出して来ました…………私も確か………………そのケニージア向かっている途中で…………気を失った記憶があります…………まだ……そこに向かっていた理由は思い出せませんが…………。』
『そうですな……まずはそなたもしばらく我々と共に進んでいた方がよろしいでしょうな…………もしかすれば……ケニージアへ辿りつけば……そなたの事が思い出せるかもしれませんしな。』
ドエルゴの言葉に頷く彼女。
すると私達にしか見えないであろうアイスちゃんがポーっとキャリッシュちゃんの魔神具から姿を見せる。
『ふぅ…………ごめんねえ……こんな事になっちゃって……本当はね……彼女をケニージアまで何とか見送りたかったんだけど…………』
アイスちゃんの告白…………それは確かにそう感じてしまっても仕方がなかった……けどきっと何かがあった……そんな気が私もしていたの。
『私ね…………魔王の元から逃げ延びたと思って気がつくと倒れていて……気がついたらその子と同化してしまっていて……だから私の記憶もマジェスト協会に行けば……何か分かるんじゃないかって………………。』
するとキャリッシュちゃんも口を開く。
『フェルノ…………ドエルゴさん…………私からもお願いします……アイスちゃんと繋がった事で私……彼女の気持ちが伝わって来てさ………私…アイスちゃんが今まで…こんな気持ちでいたなんてまるで知らなかったから…………。』
私は…………………………。
『もちろん!!キャリッシュちゃんもアイスちゃんも……そして貴女も…………私に任せなさーーーい!!』
私は心からそう告げたのであった。
◇
◇
◇
お読みいただきありがとうございました。




