シーン15ケニージアへの道。
私達は旅を続ける。
馬車による快適な旅。
でも……いつものように、やがて辺りは薄暗くなってくる。
『お客様達…………本日も、もう……暗くなってまいりました……街はまだ先なので本日はこの辺りでの野営で構いませんか?』
そう声をかけてきた馭者さん。
そして私達はこの日も馬車の中で休むことにする。
『まずは暗くなる前に食事でもいかがですか?』
そう語った馭者さんは荷台に入っていく。
すると何かを荷物から取り出すと……火を起こし……そして調理の準備を始める。
そしてドンっと目の前に出されたものは何かの肉の塊………つまりブロック肉だったのだ。
『これは…………………………………………!?』
私の声に馭者さんがにこりと微笑む。
『ああ…………これは中々口にできないものですぞ……これはここから遙か数千キロ離れた…………エジンプトラという国の砂漠の大地に稀にできる『蜃気楼の森林』にだけ棲息するという幻の動物『ピポック』という名の貴重な肉なのだよ。』
『『おおーーーーーーーーーーーーーーーっ!?』』
私達はそんな馭者さんの話に思わず興奮してしまう。
『そう…………このワシも昔からよく……そこのお嬢さん『フェルノ』殿の父『レイオール』の旅を馭者として勤めてきましたのでの……それによって世界の中でも広大でもあるアフリエイトの大地は行ったことの無い場所はほとんどないとも言えますのじゃ。』
『へええ………………………………凄い………………………………。』
私もこの馭者さんの顔は確かに昔から数度は目にした事があったけれど話すのは今回が初めてだった。
『じゃあパパの冒険のお話なんかも知ってるの?』
『ああ…………もちろんですとも…………若き彼との出会いはワシもまだまだ若かった……………………。』
◇
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『くそっ!!???なんなんだよここは!!???』
馭者だった父よりワシは同じ職業を継いだのじゃった……じゃが……体力も……そして行動力も有り余る程じゃったワシはとある冒険者の話題を耳にしたのじゃ。
その男は一本の短剣を携え…………軽快な格好で世界を飛び回っている冒険者…………その名は『レイオール』と言った…………彼が行なうのはトレジャーハント…………聞くと世界中のお宝を探し旅をしているという。
そんな彼の話を耳にしながらワシはいつかそんな話を聞きながら共に旅をしたいと思うようになっていたのじゃ……。
そんなある日の事…………街までの帰り道…………こうして沼地に差し掛かった時…………こうして沼地にハマり抜け出せなくなってしまったのだった。
足を取られ沼地から這い出せずにいるワシの愛馬。
もがけばもがくほど深みにハマっていく愛馬とどうにもならないワシ。
すると沼地からは怪しげな動きがあった。
『こ……これは………………まさか……魔物なのか!?』
ぬちゃあという言葉が相応しい動きを見せる沼地の泥が徐々にその形を形成していく…………それはまさに泥人形とでもいうべき魔物……それが数体姿を現したのだった。
『くっ!?やはり魔物だったのか!?』
焦ったわしが沼地から何とか這い出ようとしたその時…………沼地の底から足を引っ張られてしまう。
もうダメか!?
そう思った瞬間。
『はあああああーーーーーーーーーーーーーっ!?』
誰かの声が耳に鳴り響く!!
そしてワシは我に返り……泥沼から顔を出す事ができた。
『ぶはっ!!???はあはあはあ…………………………。』
深い息をするわし……そして。
『おおおっ…………お前良かったなあ!?あと少しで食われて終わるとこだったなあ!!』
そう言って笑みを浮かべた男が笑っていた。
ワシは辺りを見回すと…………魔物の姿が消えていた。
そしてわしはこの男に助けられたのだと…………感謝した。
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『それがフェルノ様…………貴女の父親『レイオール』殿なのですよ。』
笑顔でそう話してくれた馭者さん。
『そんな事があったんだあ』
『やっぱり凄いねフェルノのパパ。』
『うん!!私はやっぱりパパの娘だからこんな冒険好きになっちゃったのかもね』
『そうだね…………私も………………。』
キャリッシュちゃんは、はにかみ笑う。
その時。
ガサガサっと茂みの方から何かの物音が聞こえてきた。
『なにっ!?』
『何かの気配がする………………………………。』
私達は身構える…………すると馭者さんの表情ががキリリと渋い表情へと変わっていた……その手は腰の剣にあてられた。
すると……………………ぱちぱちと何かが燃える音が聞こえてくる。
『これは…………こちらの炎に混じりやってくるとは…………魔物め………………。』
そう呟き剣を抜く馭者さん。
その魔物は焚き火にしていた炎が立ち上り姿を現した。
するとアイスちゃんもいつしか構え戦闘態勢をとっていた。
『どうやら…………私に最適な魔物が現れたようね。』
『アイス殿…………ではこのワシもこの力で助力いたしましょうぞ。』
ニヤリと笑みを浮かべるアイスちゃん。
すると……そんな二人が今……魔物に向かい斬りかかっていったのだった。
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