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4 奴隷を買った

 家を出た俺は、とあるお屋敷の門を叩いた。


「どちら様でしょう?」


 出てきた老執事に、懐から出した札をチラッと見せる。


「こちらへどうぞ」


 案内されたのは、離れにある地下室。

 そこでは、非合法の奴隷オークションが開催されていた。

 日時が不定期だから開催されていない可能性もあったが、今日は行われているようだ。


「本日は目玉商品がございませんので、目録はございません」

「てことは、ステージにいるのが全部ってこと?」

「左様でございます」


 俺はステージに目を向ける前に、客席を見渡した。

 一〇〇人以上が余裕で入る広さのところに、一〇人前後しかいない。

 そのほとんどが老人で、有り余った金を使うためにいるのだろう。

 若いのは、俺と中央にいる着飾ったデブだけだ。

 知り合いもいないし、挨拶に行く必要はない。


「どれ」


 ステージに目を移すと、六人の男女が登壇していた。

 オークションを取り仕切る黒服の男が一人と、五人の奴隷だ。


「続いての商品はこちらです」


 一〇歳ぐらいの少年に、ピンスポットが当たった。

 髪がボサボサで、驚くほどやせ細っている。

 栄養不足は一目瞭然だ。


 ……


「一〇〇万」


 誰も入札しないのを見かねて、老人が手を上げた。


 ……


 カンカン


 木槌が打ち鳴らされ、落札が決まった。


「続いての商品はこちらです」


 一〇代後半ぐらいの少女だ。

 髪はボサボサで生気のない目をしているが、シワのないメイド服を着用している。

 ほかの子が貫頭衣であることを考慮すれば、俺が買うのはこの子しかいない。


「五〇万!」


 デブがいち早く入札した。


「一〇〇万」


 倍で入札したら、思いっきりにらまれた。


「一一〇万!」

「二二〇万」

「二三〇万!」

「四六〇万」

「四六一万!」

「九〇〇万」


 倍で刻むのも面倒なので、一気に跳ね上げた。

 これで決着がつくだろう。


「九〇一万!」


 ダメだった。


「一〇〇〇万」


 大台に乗った瞬間、俺をにらむデブの顔が真っ赤に染まった。

 唇をきつく結び、目まで充血させている。


「いっ……」


 意を決して口を開いたが、隣りの執事っぽい男に口を塞がれてしまった。


 カンカン


 木槌が打ち鳴らされ、俺の落札が確定した。


「お買い上げありがとうございます。この後も競売に参加されますか?」


 耳打ちしてきた男に、俺はかぶりを振った。


「では、支払い契約に移らせていただきます。お手数ですが、こちらにお越しください」


 男の先導で部屋を移り、ソファーに座って待つことしばし。


「お客様が購入なされたのは、この娘で間違いありませんな?」


 男が連れてきたのは、六〇過ぎのおばあさんだった。

 腰は曲がっているし、顔もシワだらけ。


「どう見ても違うだろ」


 メイド服を着ている以外、似ても似つかない。


「失礼しました」


 部屋を出て行くおばあさんに、なぜかウインクされた。


「では、こちらでしょうか?」


 今度は三〇いや、二〇代後半の美女だ。

 髪がツヤツヤで化粧もバッチリ。

 爆乳を誇示するように、タイトなワンピースに身を包んでいる。

 ええそうです、と言いたくなるが、そうはいかない。

 複雑に彩られた長い爪を見るかぎり、家事は不得手の可能性が高いからだ。


「違う」

「失礼しました」


 必要以上にケツを振りながら歩く美女が、去り際に投げキッスを寄こしてきた。


「ではこちらですか?」


 三人目は、一〇代で外見的特徴も一致している。

 けど……


「違う」


 それだけは間違いない。


「では……」

「いい加減にしろ! これ以上は家督に傷が付くぞ!」

「失礼しました」


 言葉とは裏腹に、謝る気はないのだろう。

 頭を下げているが、会釈ぐらいの角度なのがその証拠だ。


「ナメてるのか?」

「滅相もございません。奴隷の購入者様を試すことなど、もってのほかです……ただ、少々お若く見えるものでして」


 懐からがま口を取り出し、口をあけて下に向けた。


 ドサササササ


 あっという間に金貨の山ができた。


「ほう。素晴らしい」

「そう思うなら、さっさとあの子を連れてこい!」

「かしこまりました」


 男が出て行き、再度現れたときには、件のメイド少女がいた。


「確認できました。一〇〇〇万ドンあります」


 支払いも終わり、契約書にサインもした。

 これで、少女は俺の奴隷になった。


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