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姫が困ってるだって?!

アルテアはバイオ燃料と新素材で大陸一の経済大国に躍進。俺、ユート・フォン・アルテア、元社畜の転生王子は、【物質交換】の代償で命を削り尽くしたが、現代知識と国民の力で国を立て直した。王都は活気で溢れ、メイドのリアの「ユート様、アルテアは最強です!」って笑顔が俺を支える。

でも、平和はすぐ終わる。

ゼルディアの第一王女レオナが王都に現れ、バイオ燃料の共同開発を提案してきた。金髪に鋭い目、自信満々の20歳くらいの美人姫だ。

「ユート王子、アルテアのナノカーボン、素晴らしいわ。ゼルディアと7:3で共同開発しない?」

「7:3? ふざけんな。アルテアが7だろ。」

レオナがクスクス笑う瞬間、背後から不敵な声。

「ふふ、ユート王子、久しぶりね。」

ガルディアの魔術師リゼット! 黒いローブに底知れぬ笑み。ガルディアとゼルディアの同盟を裏で操ってるのは、やっぱりこいつだ。

「リゼット、バイオ燃料の技術盗んだな?」

「盗む? 貴方の貴族が売ってくれただけよ。クロウの残党、結構喋るのよね。」

クロウの残党!? くそっ、裏切りがまだ生きてたか! レオナが怪訝な顔でリゼットを見る。

「リゼット、貴女の話と違うわ。アルテアを潰すなんて聞いてない。」

「ふふ、レオナ王女、ゼルディアはガルディアの駒よ。黙って従いなさい。」

その瞬間、謁見の間に黒い霧が広がり、レオナが「きゃっ!」と倒れる。リゼットの魔術だ!




「レオナ!」

俺が駆け寄ると、黒い霧が俺の体を締め付ける。【物質交換】の後遺症でガタガタの体に、魔術のダメージがキツい。

「ユート様!」

リアが叫び、宮廷魔術師がバリアで霧を防ぐ。リゼットがニヤリと笑う。

「ユート王子、レオナ王女はガルディアで『お預かり』するわ。ナノカーボンの全技術を渡せば、返してあげる。」

「ふざけんな! レオナをどうする気だ!」

「ふふ、ゼルディアを従わせる人質よ。ついでに、アルテアの経済も潰すわ。」

リゼットが消え、連れ去られたレオナ。謁見の間はパニック。貴族たちが「王子、ゼルディアと戦争だ!」と騒ぐ中、リアが俺の手を握る。

「ユート様、レオナ様を助けましょう! アルテアのためにも!」

「リア、ありがと。けど、リゼットめ、ただじゃ済まさねえ!」

レオナを助けるのは、ゼルディアとの関係を保つためだ。戦争になればアルテアは終わる。けど、ナノカーボンの技術を渡すわけにもいかねえ。どうする、俺!?




【物質交換】は封印された。だが、俺には現代知識がある。ナノカーボンの生産を加速し、新兵器「ナノブレード」を開発。鋼の100倍の強度で、ガルディアの魔導兵器を一撃で切れるチート武器だ。さらに、バイオ燃料を改良し、馬車の速度を時速300キロに!

「これでガルディアの基地に乗り込むぜ!」

国民も動く。鍛冶屋が「ユート様のナノブレード、最高っす!」と量産、農民が「バイオ燃料タンク、村で作りました!」と協力。リアも「ユート様の作戦なら絶対勝てます!」と物資を運ぶ。

だが、体は限界。頭痛と目眩で何度も倒れそうになる。夜、リアが薬を手に震えながら言う。

「ユート様、死なないでください……私、ユート様がいない世界なんて嫌です。」

「リア、約束する。絶対生きて帰る。そしてレオナを助けるぜ。」

国民の力とリアの笑顔で、俺の心に火が点いた。




ガルディアの国境基地。レオナが捕らえられてる。ナノブレード装備の騎士団と、バイオ燃料タンク搭載の高速馬車で突入。リゼットが魔導砲を構える。

「ユート王子、来たのね。レオナはここよ。でも、魔導砲で終わりよ!」

「リゼット、舐めんな!」

ナノブレードで魔導砲を一閃! 鋼の100倍の強度で、砲身が真っ二つ。リゼットが目を丸くする。

「なっ!? そんな素材が!?」

その隙に、リアと騎士団がレオナを救出。レオナが息を切らす。

「ユート、助けてくれて……ありがとう。リゼットに騙されたわ。」

「レオナ、ゼルディアと手を組もう。ガルディアを一緒にぶち抜くぜ!」

リゼットが黒い霧で逃げる。「次は負けないわ、ユート!」

基地は崩壊、アルテアの勝利。レオナが微笑む。

「ユート、ゼルディアはアルテアと対等な同盟を結ぶわ。5:5でどう?」

「ハハ、いいぜ。契約書用意しろよ。」



王都に帰還。国民が「ユート様! レオナ様!」と歓声。リアが抱きついてくる。

「ユート様、生きててよかった……!」

「リア、約束守ったぜ。」

レオナがウィンク。「ユート、なかなかやるわね。次は私が主導権握るかも?」

ナノカーボンとバイオ燃料で、アルテアはゼルディアと同盟。ガルディアは後退、リゼットの影はまだ消えない。けど、俺には国民とリア、レオナの信頼がある。

「ブラザーたち、見てろよ。チートなしでも、アルテアは大陸を制するぜ!」



続く

最後まで読んでいただきありがとうございました。

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