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召喚から始まる人生二周目〜今度の召喚は赤子から!?〜  作者: 谷口 水斗
幼少期

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5/21

5 命の取り合い

同時投稿になります。投稿が空いてしまい申し訳ありません。

なかなか執筆ペースが上がりません⋯


「誕生日おめでとうメアリ」


お父様から祝われる。

この世界に来て早10年、私は十歳となった。


実を言うとこの時を待っていた。

それは───


「メアリももう十歳か。十歳というと王都での社交界デビューがあるのでは?」

「うむ、そのとおりだルレイ。しかしメアリを社交界デビューさせるのは⋯」


そう、社交界デビュー⋯ではなく、王都だ。

この世界の貴族は自分の子供は十歳になるまで家から基本的に出さない。私も家の敷地から出たことがない。


十歳になると他の十歳になる子供のいる貴族が集まるパーティーに出席する。いわゆる社交界デビューというもので、大体の貴族、特にこれと言った才のない令嬢はそこで結婚相手を探さなければならない。


私はすでに学園に通うことを決めていて、両親も賛成しているためそういうことはしない⋯が、社交界デビューは貴族のマナーみたいなものなので行かないわけにはいかない。


だがお父様の野望は私の箱入り娘化なので、この社交界デビューへの出席を渋るような素振りをしている。


「父上⋯何を考えているのかは分かるが⋯社交界デビューをさせないというのは他の貴族に悪印象を与えてしまう。なにより学園に通いたがっているメアリのためにも⋯」

「うっ⋯」


フェル兄上がド正論を叩きつけた。これにはお父様も反論できない。ここは私からも一言いれよう。


「お父様。大事に思ってくださるのは嬉しいのですが、私としても社交界デビュー⋯それに王都にも行ってみたいです。婚約などには興味はありませんから、そこまで心配なさらなくても⋯」

「メアリ⋯そうだな。メアリの望まないことはすべきではないな。出席するとしよう。」

「はい、お父様。」


お父様の説得ができてよかった。少しまだ不安そうではあるが。


「そのためにはとびきりのお洋服を仕立てなければいけませんね!」


お母様がやる気を出している。お母様のデザインするドレスは貴族の間で定評があるらしい。ルレイ兄上から聞いた。


「フェル兄上、ルレイ兄上、今日は忙しい中来てくださってありがとうございます。」

「ん?ああ。メアリのためだ。なんてことはない。」

「うん。メアリのためなら世界中のどこにいても駆けつけるよ。」


いささか愛が重いが悪い気はしない。ニーシャ兄上やその他の兄上は都合が合わず、後ろ半分が呪詛となっていた祝いの手紙を送ってきた。


私の兄上たちは全員優秀で、何かと忙しい。ルレイ兄上は何度騎士団の部下に引きずられていくのを見たことか⋯


ニーシャ兄上が授業をせず私に会いに行ってしまうから学園に来てほしいという内容の手紙が、学園の生徒から私宛に届いたり⋯


フェル兄上は仕事をすっぽかして家に帰ってくるといったことはないが、私に出す手紙の内容に悩みすぎて仕事が終わらなかったことがある、というのを以前家に来たフェル兄上の部下が言っていた。


私の十歳の誕生日を祝う家庭内パーティーは夜がふける前に終わった。


────────────────────────────


「ふぅぅ⋯⋯⋯」


夜更けの森の中、私は身体の最適化を進めていた。これをしておかないと身体強化を活用しきれないし、魔法も最大効率を出せない。


「こんな夜中にこんな場所でなにしてるの?」

「ッ!?」


全く気配も感じず、いきなり声をかけられた。

慌てて振り返るとニーシャ兄上が立っていた。

学園が終わってそのまま来たのか。


「ニ、ニーシャ兄上⋯びっくりしました⋯」

「僕的にはこんな時間にこんな場所にいるメアリの方にびっくりなんだけど⋯」


警戒を解いていたわけじゃない⋯にも関わらず全く気配を感じなかった。


「ちょっとした訓練のようなものです。いつもやってるんです。」

「へ〜。そうやって魔力を循環させるだけで訓練になるんだ⋯」


ちゃんと視て(・・)いるな。魔術学園の教授なだけあるか。


「あ、そうだ。誕生日おめでとう!社交界デビューはするんだよね?」

「ありがとうございます。するということになっています。」

「お父様の説得よくやったね?」

「フェル兄上も援護してくださったので⋯」

「そっか~。王都のパーティーならスーザも参加できるかな。」


次男のスーザ兄上。魔術研究塔の所長で、なかなか家に帰ってこない。最後に帰ってきたのは六年前だ。頻度は少ないが手紙は届くし、ニーシャ兄上に言えばなにしてるかぐらいは分かるので、そこまで心配はされていない。


「王都は結構楽しみです。学園に行く前に一度は行きたいと思っていたので。」

「そっか。まぁいいところだよ王都は。スーザも案内したがるだろうね。」


スーザ兄上と会ったのは片手で数えれるぐらいだが⋯少し不安だ。


「訓練も程々にね。じゃ。」


そう言ってニーシャ兄上は行ってしまった。


もう少しやったら戻ることにしよう。


────────────────────────────


誕生日から二ヶ月、私は王都に向けて馬車に乗っていた。


私の家のある領地から王都までは約一日。早朝に出て夜遅くに着く行程を組むのが一般的だ。ニーシャ兄上やルレイ兄上は馬を魔道具で強化して片道を半日未満で行き来しているが⋯


「メアリは馬車が初めてなのにえらく慣れた様子ね?」

「え?別にこれといったことは無いのですが⋯」


たしかに馬車自体は乗り慣れているが、初めての時も別になんともなかったからな⋯


「初めて馬車に乗る人ってすぐに気持ち悪くなったりするものなのだけれど⋯メアリはそういうのに強いのかしらね。」

「メアリは才に恵まれている。それぐらい不思議なことではないだろう。」


この両親隙あらばヨイショをしてくる。この社交パーティーで失敗しないようにしないとな。貴族の作法は叩き込まれた。

いつか本格的な作法を学びたいと思っていたからちょうど良かった。


領地を出て四時間ほどすると、急に馬車が止まった。

⋯⋯ふむ、この場所で出てくるとは。


「旦那様、どうやら賊のようです。」

「む、そうか。だが腕のいい護衛を雇っているからな。大丈夫だろう。」


お父様がそう言うが⋯この魔力反応⋯

こんな場所に出てくるような盗賊としては強すぎる気もするやつがいる。

これは少しきつそうか⋯?


しばらくすると外から戦いの音が聞こえ始めた。主に前方が激しいようだが四方から聞こえる。


一際強い反応を持つやつはまだ動いていないようだが⋯


被害自体はどちらにも出ているがこちらが少し不利になっている。仕方ない⋯


「お父様、どうやら少し苦戦しているようです。私が制圧してきます。」

「な、なななな何を言っているんだ!?許可できるわけ無いだろう!?」

「しかし、このままでは負けますよ。」

「そ、そんなに劣勢なのか?私の兵の中ではかなりの腕利きたちなのだが⋯」

「劣勢ですね。それに一際強い反応もあります。まだ動いていませんが⋯」


正確には劣勢になりつつあるといったところだが、ここははっきり言ったほうがいいだろう。


「⋯⋯⋯⋯」


難しい顔をしている。気持ちは分かる。


「お父様」


少し表情を柔らかくして声を掛ける。


「このぐらいなら私にとってはなんの脅威でもありません。すぐに終わらせて戻ってきます。」

「⋯⋯わかった。だが怪我はしないでくれ⋯」

「魔法師が怪我をするのは二流だと私は思っています。」


軽い啖呵を切って馬車の屋根に飛び乗る。


「お、お嬢様!?危険です!」

「問題ありません。」


御者がぎょっとしていた。御者だけに



⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯



とりあえず近くの賊を一掃するのと、牽制も兼ねて100個ほど魔法を多重展開する。


「な、なんだこれは」

「一体誰が」


兵士も含め場が混乱した。一際強い反応を持つやつも少し魔力が揺らいだ。

まずは兵士に取り付いている賊からだ。


一部の魔法陣から魔法が発動する。


「ファイヤランス」


魔法陣から生み出された炎の槍が賊を貫く。

森が近くなので威力を控えめにしたのだが、そのせいで何人かを仕留めそこねた。


森の中に潜んでいる弓持ちや魔法師が私に攻撃をしようとしているようだ。


「甘いですよ。攻撃をするなら即座にするべきですね。」

「なっ───」


私は潜んでいた弓持ちの背後に一瞬のうちに回り込んでアドバイスをしてやる。ほぼ同時に首を切ったのでアドバイスの意味はないが。


「アイスランス」


また展開している魔法陣の一部から魔法を出す。魔法を発動しようとしている魔法師を串刺しにする。

今度は氷にしたから威力は抑えなくていい。


「このガキ!死ね!」


賊の男が草陰から飛び出し斬り掛かってきた。


バキンッ!


「は?」


私に当たった瞬間剣が折れた。賊の男は唖然としている。


「魔力も籠もっていない剣ごときで、私を斬れるわけがないでしょう。では、さようなら」


唖然としている賊の首を飛ばす。


「やっと動きましたか⋯」


強い反応を持っていたやつがついに動き始めた。

迎え討つために邪魔な他の賊を処理する。


「お前か?派手にやってくれてるのは」

「この魔法陣のことならそうです。」


この大男、かなりの実力だが、なぜ賊なんてやっているのか。


「その実力でいながらどうして賊なんてしているのでしょうか。冒険者で十分やっていけたのではありませんか?」

「お前には関係のないことだ。あいつらの仇をとらせてもらおうか!」


その巨体には似合わない繊細な剣戟が飛んでくる。

身を反らせて紙一重で回避し、反撃に出る。


「うおっと。あぶねぇな。そいつぁ魔法剣か。」

「よくご存知ですね。」


魔法剣。光属性の中級初等にあたる魔法。使用者は多くない。

魔力消費が大きく、斬れ味もお世辞にも良いとは言えないからだ。一言で言うと微妙だ。


「だがそれなら!」

「ッ!」


奴の剣戟を魔法剣で受け止める。

この世界に来て初めての実力者だ。ルレイ兄上もフェル兄上も手加減されているから、本気の戦いとしては初めてだ。

心拍数が上がる。十数年ぶりの命のやり取りだ。


ミシ⋯ペキ⋯


魔法剣から嫌な音が鳴る。この剣、耐久性もそこまで高くない。このまま奴の剣を受け止めていたら砕けるだろう。


「ウィンドランス!」


展開中の魔法陣から8本の風の槍を出し距離を取る。


「小賢しい!!」


大男へ向かった8本の風の槍は一薙ぎでかき消されてしまった。

だがそれで十分。私から意識を一瞬逸らせた。

距離を取るために後ろに飛んだのを無理矢理止め、一気に距離を詰める。


「甘いな!」


バキンッ


男の剣とぶつかった瞬間、魔法剣が砕けた。

だが、それでいい。

足は、止めない。


「これで終わりだ!」


男が勝利を確信した顔で剣を振り下ろしてくる。


ザシュッ


街道に鮮血が散る。


「馬鹿な⋯」


両手を無くした男がそう呟く。


「一体⋯どこからその剣を出しやがった」

「秘密です。女性には秘密は付き物でしょう?」


私の手に握られているのは一振りの刀。

異空間収納に入っていた私の元々の持ち武器。

この世界に来てから使うのは初めてだ。


「ふざけた嬢ちゃんだ。とても子供とは思えねぇな。」

「ふふ。あなたこそ、賊なんてやるような人ではないでしょう?」


そう言うと男は諦めたような顔をして言った。


「そう⋯だな。」


なにか事情がありそうだが⋯まぁそれは察しがつく。


「あと一時間もすればこの街道を王族が通りますね。そういうことでしょう?」

「⋯ほんとに嬢ちゃん、子供か?貴族令嬢だってのにその強さもそうだが⋯まぁそのとおりだ。俺達はその王族を狙っていた。」


やはりか。


「あなたへそんな依頼を出した人は何が目的なんでしょう。わかりますか?」


いつのまにやら近くに来て会話を聞いていた兵士に聞いてみる。


「わかりません⋯もしそれが事実なら王族暗殺未遂ですし、我々ネーデル家への暗殺未遂も乗っかりますから⋯」

「死罪以外はどっちみち無いでしょうが⋯」


王族暗殺など企てただけでも死罪ものだ。私達ネーデル家が未然に防いだ形だがそれだけでも重罪は免れない。


「ネーデル家への賊行為、ネーデル家所有の兵士への危害、そしてお嬢様とご当主様、奥様の暗殺未遂⋯それだけで重ければ死罪でしょう。軽くても奴隷落ちです。」


この世界、懲役刑が存在するのだが、死罪の次に重いのは奴隷落ちだ。


「⋯⋯気になることも多いですし、何より⋯」


惜しい。これだけの実力者ならば学園までの二年で良い訓練相手になる。


「あなた、名は?」

「ギース。平民だ。」

「ギース、ですね。馬には乗れますか?」

「乗れる、が⋯嬢ちゃん何考えてんだ?」


隣の兵士が察したのかなんとも言い難い顔で私を見ている。


「馬、余ってますよね?」

「何頭かは逃げましたが⋯はい」

「待て待て。馬は乗れるが手がなくちゃ無理だぞ。」


手が無いのはどうでもいい。私の刀で斬ったんだ。問題ない。


「少しお父様と話してきますので見張っていていただいてもいいですか?」

「はっ。」


兵士に見張りをお願いし、馬車に戻る。馬車の方は損傷していないかなどのチェックをしていた。


「お父様」

「メアリ!怪我はないか?」

「大丈夫です。それより少しお話したいことが。」


そう言ってお父様にギースのことや今回の襲撃についての説明をした。


「それでメアリはそのギースとか言う主犯格の男をお付きの護衛として雇いたいと。」

「はい。学園入学までの二年間、戦闘訓練をする相手としたいのです。兄上たちは手加減されてしまうので⋯」

「むぅ⋯」


兄上たちとの訓練すらあまり良く思っていないお父様のことだ。部外者の、それもとんでもない大罪人だ。いい顔はしないだろう。


「今すぐに判断はできない。王都に着いた後、王家の方にも報告した上で決める。すまないがそれでいいか?」

「余地をくださりありがとうございます。それで構いません。ではギースにそのことを伝えてきます。」

「あぁ。もうすぐ動き始めるから手短に。」


馬車から離れギースのいる場所に向かう。ついでに王族一行がどのあたりにいるか確かめてみると、どうやら速度を上げて私達に追いつこうとしていた。こちらが動き始めてもすぐに追いつくだろう。


「ギース」

「おう嬢ちゃんか。話はついたのか?」


ギースのぶっきらぼうな態度に、兵士が青筋を立てているが私がいる手前黙っている。


「はい。一度王都で王家の方に報告をしてから決めるそうです」

「そうか。そりゃ俺ぁ助からなそうだな。」


まぁ保証はない。仕方のないことだ。


「とりあえずその手をどうにかしましょうか。」

「どうにかなるのかよ」


信じ難いという顔をしているが、普通に高い金を払えば聖堂で治してもらえるのだから不可能ではない。


「ヒール」


光属性初級治癒魔法「ヒール」。本来ならこんな魔法では腕なんか生えやしないが、ちょっと工夫すれば可能だ。


「マジかよ。ヒールで生えやがった。」


再生された腕を見てギースが驚いている。これぐらい造作もないことだ。死んでなければどうとでもなる。


「兵士さん、危険な状態の負傷者とかいますか?治しますよ。」

「いえ、大丈夫です。お気遣い感謝します。」

「そうですか。ではギース、馬車に行きましょうか。馬もそこに居るでしょう。」


私が斬り落とした手が握っていた剣を拾っているギースに声を掛ける。馬車に行く前これはしておいたほうがいいか。


「これらは預かりますね。」

「ん?あっ。あぁ」


拾い上げていた剣を奪い、隠し武器も含めて全て没収した。


「生きているだけ幸運なんですからこれぐらいは受け入れてください」

「わぁってるよ⋯必要なときに返してくれればそれでいい。」


剣が手元にないのは不安があるらしい。剣士にはそういう人間が多い。


ギースと共に馬車へ足を向けた。



「お父様」

「メアリか。終わったか?」

「はい。こちらの男がギースです。」


さすがに侯爵家の当主、それも今後の自分の命を左右できる相手だ。少しは礼儀よくしようとしている。


「お前が⋯そうか。お前が何をしたのか、どういう立場なのかは理解しているようだな。」

「は、はい。」

「お前の処遇は王都に着いてから決まるだろう。また我々に追いつくだろう王家の方にもこの件はお伝えする。少しでも生きる可能性を高めたいのであれば態度は考えることだ。」


普段私に見せる顔は親バカのそれだが、腐っても侯爵家当主だ。こういうときの威厳はしっかりしている。


「私への態度はそのままでいいですよ。全く喋らなくなってしまいそうですし。」


いちいち言葉に迷われるのは面倒だ。さっき一緒だった兵士がおもしろくない冗談だといった顔をしているが気にしないでおこう。


「お、お心遣い感謝いたします。」

「ふっふふっ」

「わ、笑わんでくれ⋯慣れてないんだ。」

「すみません、あまりにも似合わなかったもので」


ここまで敬語が似合わないやつというのも面白い。

というか王家一行、あまりにも早くないか?十歳の王子を乗せてるとは思えない行軍速度だ。


「当主様、第二王子様御一行が見えてまいりました。」

「何?それは本当か。予想よりずいぶん早いな。」


さっき早馬がこちらに来ていたのだが、その早馬が伝えてきた時間より早いようだ。


「我々も出発準備を整えるぞ!」


お父様が号令をかけ、休ませていた馬を再び馬車に繋いでいく。ギースも余っていた馬があてがわれたようだ。

随分と兵士が減った。責任と言わんばかりにギースは最前方に配置された。

ぶっちゃけ私の探知魔法で索敵できるからあまり必要はないのだが⋯


「準備はできたな?では出発!」


二時間ぶりぐらいに再び動き始めた。私は御者台に座ることにした。御者が緊張でガチガチになっている。


「そこは楽しい?」


お母様が馬車の中から聞いてくる。


「はい、楽しいです。中よりはよっぽど」

「そう。けれど疲れたら無理せず中に入ってくるのよ。」


お母様はお父様ほどじゃないが親バカではある。ただあまりとやかく言うのは、と思っているのかそこまで口出ししてくることはない。静かに見守っているといったところだ。



「ネーデル侯爵はおられるか!」


王家一行の兵士が私たちに追いつき、お父様を探しに来た。


「ここに。追いつかれましたか。」

「こちらは道中で一泊する予定なのだが、そちらはどうだろうか。第二王子様ができれば共に、と。」


本来の予定では夜遅くに王都入りだったが約二時間遅れている。野宿は視野か。


「なるほど⋯殿下のお誘いとあればお供しましょう。野営の準備もあるので問題はありません。」

「では森を抜けたところで野営とする。それでは。」


兵士は馬を翻して後方の集団に向かっていった。

野営か⋯数え切れないぐらいしたな。


「大変な事になってしまったわね。メアリも疲れているだろうけど⋯」

「問題ありませんお母様。伊達に剣をやっているわけではありません。」

「あら、そう?なら頑張らなきゃなのは私かもしれないわね」


お母様が笑う。()は恋愛ごとに興味がないから、好きという感情はあまりわからないが、このお母様の笑顔は破壊力があると言われるものなのかもしれない。



約二十分ほど走ると、森を抜け草原へと出た。遠くに城塞都市が見える。


「あれが王都よ。ここからでもあんなに大きいのよ。」


たしかにこの世界の文明レベルを考えると相当に大きい。これは楽しみだ。



この話はかなり筆が乗り長くなりました。正直あまり話タイトルは考えてないので、内容とあまり対応してないかもしれません。

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