3 召喚の目的
お久しぶりです。三話ほど書き置きをしながら投稿しているのですが、少し難航してしまい遅くなりました。
第三話、投稿です。
あと、これからは18時投稿とします
家を吹き飛ばしてから二年、七歳となった私はルレイ兄上と剣の打ち合いをしていた。家はまだ一部修復中だ。
「七歳で王国騎士団第二団長の僕と互角に打ち合えるなんてね!自信を無くしそうだよ。」
正直年齢的に無理なだけで技術的にはフェル兄上もどうにかできるんだが言わないほうがいいだろう。
「身体強化魔法を使って互角ですからルレイ兄上はお強いですよ。」
「身体強化だけで互角なのがすごいんだけどなぁ⋯」
ルレイ兄上がボヤいているが、私が使っている身体強化は他世界術式を応用したもので、この世界のものより効果が高いからズルしているようなものだ。
「よし、今日はここまでにしよう。メアリが学園に行く日が楽しみだね。」
「私は行くとすれば魔術学園ですが⋯」
「えっ⋯⋯」
ルレイ兄上がしょぼんとしている。ルレイ兄上は私に剣術学園に行ってほしいみたいだが、あいにく剣は間に合っているから魔術学園のほうがいい。
「あはは!ルレイ、また振られちゃったね!」
そう言ってルレイ兄上を小突く上から三番目の兄上、ニーシャ兄上。
「メアリは魔法のほうが興味あるもんね。魔術学園は歓迎するよ!」
「まだ五年先の話ですよニーシャ兄上。」
ルレイ兄上は諦めていないみたいだ。残念だが諦めてくれ。
どうせ隣なんだから何かで行くことぐらいあるだろう。
「メアリ、このあとはどうするの?」
ニーシャ兄上が聞いてきた。夕ご飯までは暇だから身体の最適化を進めようと思っているが⋯
「特にこれといった予定はありませんが⋯」
「だったらちょっと付き合ってよ!」
付き合うのはいいが流石に汗は流してからにしたい。
「湯浴みをしてからでもいいですか?」
「いいよいいよ!待ってるねー!」
嵐のように何処かへ行ってしまった。待ってるってどこで待っているつもりなのか⋯
────────────────────────────
「お、待ってたよ!」
湯浴みを終え広間に行くとニーシャ兄上が居た。
「お待たせしました。ところで付き合ってほしいというのは⋯?」
「ちょっと行きたいところがあってね!僕一人じゃ難しくてさ」
「い、今から行くんですか?」
もう日は傾きつつあるというのに行きたいところがあるとは⋯
「大丈夫!晩御飯までには帰ってこれるから!」
「はぁ⋯」
ニーシャ兄上はこういう感じで気分屋と言うか⋯
これでいて魔術学園の教授だというのだから⋯
「それじゃ行くよ!晩御飯に間に合わなくなっちゃう!」
そう言って飛び出していってしまった。
────────────────────────────
「ニーシャ兄上、そんなに急ぐ必要があるんですか」
今私達は森の中をすごい勢いで駆け抜けている。
七歳の妹を連れていることを理解しているのだろうか。
問題ないが。
「そう言いながら離れずついてきてるメアリはすごいと思うけどね〜」
この身体だと身体強化を限界まで使ってギリギリなんだが⋯
「もうちょっとで着くから頑張って!」
少し表情が良くないのを見られただろうか。鼓舞が飛んできた。
そんな会話をしてから五分、ニーシャ兄上が止まった。
「着いたよ!」
「これは⋯朽ちた神殿ですか⋯」
その場所には崩れ落ち、森に埋もれた神殿跡があった。
「それで、この神殿が一人では行きにくいと?」
「結論から言うと僕一人では入れなかった。そしてなんとなくメアリとなら入れるって思ったんだ。」
なんだそれは。だが一人では入れない神殿か⋯似たようなものは経験があるな。
「早速入るよ!時間がないからね!」
ニーシャ兄上が私の手を引っ張り神殿へ向かう。崩れてはいるが、中には空間があるようだ。
「んにゃぴ!」
ニーシャ兄上が何もない空間にぶつかった。
私はなんの抵抗もなく進めた。
「どうして〜〜!?」
「そう言われましても⋯」
何度もトライしているが結果は同じ。
「くそ〜。しかたない。メアリ!中を見てきて!」
「そうなりますよね⋯仕方ありません。いってまいります。」
私が入れる以上はそうなるだろう。崩れた神殿の奥へ歩みを進めた。
「⋯⋯この空間、普通じゃないですね。」
『やっと来てくださいましたね。』
「!?」
直接声が頭の中に響いた。思わず周りを警戒するが誰もいない。
『私はあなたをこの世界に召喚した⋯⋯神様としておきましょうか。』
としておきましょうか?
変な言い回しをするものだ。
「何が目的で?わざわざ赤子からなんて珍しい。」
『そうですね⋯一つはあなたのためです。』
私のため?どういう意味だ。
『あなたは何度も召喚されているでしょう?たまに居るのですよそういう方が。ですが、人の魂というのはそういったことに耐えるようにできていません。』
ふむ⋯
『あなたの魂は幾度の召喚により疲労してしまいました。このままではあなたの魂は消えてしまうことになります。それを防ぐためあなたをこの世界に⋯赤子から、として召喚しました。』
「召喚され続けて魂が疲弊したのであれば、治すためと言って召喚していたら意味がないのではありませんか?」
それで召喚していたら本末転倒では無いだろうか。
私は構わないが⋯
「それに、私の魂がどうなろうとあなたには関係が無いのでは?」
仮にこの神がこの世界の神だとした場合、別世界の住人である私の魂がどうなろうと知ったことではないはずだ。
『⋯あまり詳しくは言えないのですが、あなたの魂が消えてしまうと私にも影響があるのです。』
「そう⋯ですか。まぁ神というのは隠し事が多いですからね。ちなみに赤子からとしたのはどうしてですか?」
別になんの使命も持たせず召喚するなら赤子から始めさせる理由はない。
『魂の修復のためです。成長とともに修復は進み、30の頃には完全修復できるかと。少し強化もしておくつもりです。』
「30ですか⋯それに強化もしてくれるんですね?」
『はい。こちらの都合を押し付けて不便な生活を強いてるわけですから⋯⋯少しばかりのお詫びです。』
誠実な神なことだ。今までに神には何柱か会ってきたが独善的なやつばかりだった。
『お話はこのぐらいにいたしましょうか。あなたに伝えたいことは伝えれましたので。もし、私に聞きたいことができたらここにいらしてください。対応できるときであれば、またこうしてお話できますから。』
「わかりました。では、またいつか」
貴族令嬢らしくカーテシーをすると、神殿跡はただの空間へと戻った。
「現世にあまり神域展開はすものじゃないぞ⋯」
誰もいない空間にそう告げる。
「おーいメアリー、中は何かあったー?」
ニーシャ兄上の声が聞こえる。かなり長く話していた気がするが、時間の流れが変わっていたようだ。
「特にこれといったものはありませんね。ただの崩れた廃墟としか。」
大声を出すのもだるいので、風魔法で拡声して伝えた。
「そっかー。残念。わざわざこんな結界張ってるぐらいの場所ならなんかあると思ったのになー」
「昔の神殿のようですし、なにか結界を張る魔道具とかが生きてるのかもしれませんね。」
「それだったらなんでメアリは入れるんだろ」
「適性⋯とかでしょうか⋯」
濁したがこの結界は適性を見ている。光属性への適性がないと入ることはできない。あとこの結界における光属性はこの世界の光属性じゃない。この世界の人間が入ることは不可能ということだ。
「そっかー。残念。ってもう戻らないと間に合わないかも!」
ニーシャ兄上が懐中時計を見て声を上げる。実はニーシャ兄上なんやかんや私のために速度を落としていたからここに来るまで少し想定より時間がかかっている。
「メアリ、申し訳ないけどちょっと急ぐよ!」
そう言って森の中に飛び込んでいった。
負担は強くなるが仕方ない。
身体強化の強化度合いを上げ、ニーシャ兄上へついていく。
────────────────────────────
「間に合ったー!」
「ぜぇ⋯ぜぇ⋯」
まだこの身体にこの度合いの身体強化は早かった。息も絶え絶えになってしまう。
「大丈夫?急いだおかげで少し時間があるし座って息を整えて。」
「そう⋯させてもらいます。」
息を整えるため夕ご飯の前に休憩することにした。
切りどころが変ですが、ダラダラと書くのも嫌なので切りました。次話はかなり説明くさいものになります。




