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召喚から始まる人生二周目〜今度の召喚は赤子から!?〜  作者: 谷口 水斗
幼少期

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12/21

12 魔力制御

更新が早いということはここから三話目の話は短いということです。


マーシャに課題を出してから一週間、マーシャは初級魔法に関しては完璧と言えるほど、術式の理解が進んでいた。


魔法の才が高くないと分かったときから、何かで見返してやろうといろいろ模索していたらしく、その過程で勉強はできるようになったのだそうだ。


「たった一週間で初級魔法の術式理解を完璧にできるだなんて凄いわねぇ」

「そ、そんな事ありませんわ。これぐらいできなければ話になりませんもの。それに後1年半もありませんから⋯」


学園が始まる一ヶ月前には一度ミレーヌ家へ戻る予定となっているため、もう一年強といったほどの時間しか残されていない。


もちろん学園に入ってからも師弟のような関係ではあり続けるのだが、今ほど専念できるわけでもない。

だからこそ今の時間が重要なのだ。


「それでメアリさん。今日は何をしますの?」

「今日は近接戦闘です。マーシャさん、剣はどれくらいできますか?」

「き、近接戦闘?剣は嗜む程度には⋯」


この国は基本的に魔法が優位だが、貴族は趣味程度に剣を習う。


「そうですか。では剣で模擬戦をしましょうか。魔法は禁止としますが、あなたは身体強化を自由に使ってください。私は何も使いません」

「わ、わかりましたわ」


私の剣の腕を知るお母様は何も問題が無いという顔をしているが、それを知らないマーシャは心配そうな顔をしている。


「お母様、合図をお願いします」

「では、開始!」


合図と同時に身体強化を済ませたマーシャが踏み込んできた。嗜む程度と言う割にはしっかりした踏み込みをしている。


剣も見返す要素の一つとしてそれなりにやり込んでいたようだな。それなら手間が省ける。


「はぁっ!」


真っ直ぐ上段から振り下ろされた剣を私は片手で受け止める。


「なっ」

「真っ直ぐ来たら受けるのは容易いですよ」


すぐにマーシャは飛び退き、間合いを測り始めた。ふむ⋯前言撤回。ちゃんと剣はやっているようだ。魔力供給のために手を握ったときには気付けなかったな。


「ふぅ⋯」


一度息を吐いた後、一気に距離を詰めてきた。

今度は身体強化を腕に強めにかけている横薙ぎ。

と見せかけての回転蹴りだろう。


マーラカルト流には割とそういう技が多い。マーシャのものは少し西側の流派の特徴もあるが概ね王都流だ。


横薙ぎの剣戟はこちらも剣を用いていなす。本命の回転蹴りを一気に姿勢を低くし避ける。これでマーシャは完全な隙を晒すことになるだろう。


軸足となっている左足を払ってしまえば⋯


「ッ!」


鈍い音と共に私はマーシャから弾かれてしまった。


「使えるとは⋯予想外でしたね」

「勉強は得意ですもの。それにあなたが教えてくれたことですわ。魔法は理解すれば何だって使えると」


マーシャの空いていた左手に握られているのは魔法剣。

確かに術式を理解すればどの属性だって適性などいらない。もちろん消費魔力や威力では適性持ちには劣るが。


だがその中でも光属性と闇属性は術式が少し難解で、習得が難しい。


だからマーシャが魔法剣を使えるようになっているのには驚いたし、意表を突かれた。


「初見殺しとしては有効ですね。私も後手に回されました」

「その初見殺しを初見で全くの無傷で処理されるのは少し嫌になりますわ」


そりゃ経験が違う。それぐらいの初見殺しなら何度も見てきた。まさかマーシャがすると思っていなかったので意表を突かれた形になっただけだ。


「魔法は禁止、と言っていましたが魔法剣は別でしょう?」


確かにこの間、質問攻めを受けたときに私は魔法剣に関して「魔法剣は魔法というよりも剣だと考えています」と答えた。そのことをちゃんと覚えていたらしい。


ミレーヌ家の出来損ないと言われているらしいが⋯一体どこが出来損ないなのか。魔力も伸びてきて魔法も覚えが早い。剣も十分できてフェイントすらできる。


十分天才じゃないか⋯⋯なんなら魔法しかできないこいつの兄よりよっぽど天才だろう。


「剣も十分ですし、魔法剣士相手でも戦えそうですね」


支配者の魔力による領域。それを使った戦いにおいて重要なのは近接戦闘対策だ。お母様のような生粋の魔法職なら問題ないが、魔法剣士のような魔法を使う前衛職を相手にする時は近接戦が必須となる。


そのため、マーシャには近接戦闘を教えようと思ったのだが、この分ならギースとの戦闘訓練で十分習熟できるだろう。


──────────────────────────────


さらに一週間後、マーシャに異変が起こった。


魔法の出力が全く安定しないとのことだった。

出したかった威力よりも大幅に弱かったり、予想以上に強かったり。


お母様が見ていたのだが危険だと判断してやめさせたそうだ。

そのせいでマーシャのテンションがいつになく低い。


私はネーデル領の街に出かけていたので立ち会ってはいなかったが、普通に泣いていたらしい。ギースがこっそり教えてくれた。


「マーシャさん」

「メアリさん⋯」


そんなにテンションの下がることだろうか。でも確かに後一年を切るというタイミングでのこれは堪えるものもあるか。


「不甲斐ないですわ⋯それに悔しいですわ」

「⋯⋯⋯」


マーシャにとってここ一週間はとても成長を感じられたのだろう。魔力領域による術式干渉も、初級魔法ではあるができるようになっていた。中級魔法の術式理解も少しずつ進んでいた。


そんな中での乱調はくるものがあるのだろう。

だがこれは分かっていたことだ(・・・・・・・・・)


「どうすればいいのでしょうか⋯私にはわかりませんわ⋯」

「⋯⋯この半年強、時間がないからと、魔力増強をかなり急ぎで行いました。今のマーシャさんの魔力量は最初の頃から数倍近く増えています。学園の最上位レベルにはあります」


だが量だけだ。それではいけない。


「しかし、急速な魔力増強にはそれだけのツケがあります」

「ツケ⋯?」

「それは制御力と総量の乖離です。今のマーシャさんはその乖離が大きくなってしまった」


この制御力は魔法を使うことで少しずつ伸びるものだが、魔力増強はここ最近伸び率が高くなっている。魔力増強には人の成長期のような一気に伸びるタイミングがある。マーシャの場合、その伸び率が特に顕著で、私が普段人に見せているレベルの魔力量は超えている。


さすがの家系というべきかなんというか。とんでもないものだ。しかし、マーシャの魔力制御力がその魔力に対応できていない。


「制御力が足りないと魔法の威力が安定しません。壊れた蛇口のようなものです。開けすぎたり締めすぎたり。はたまた違うところから入ってきてたり」

「ど、どうすればいいんですの?」

「単純な話です。魔力制御力を高めましょう」


言うは易いが、問題は⋯⋯


「しかし、魔力制御力を高めるのにはとても時間がかかります。おそらく、あなたの魔力量を完全に扱い切れるようになるのはギリギリかと」

「⋯⋯⋯」


そう、ギリギリだ。この魔力成長期が終わるまでは魔力増強も続ける。それも考慮すると、残り一年強はギリギリだろう。


「⋯⋯間に合わせてみせますわ。こんなところで折れるわけにはいきませんのよ!」

「早速今夜から始めましょうか」

「今からじゃ駄目ですの?」

「私よりいい先生がいるので」

「な、なるほど⋯」


──────────────────────────────


「たしかにそれなら僕のほうが良いだろうね〜」


そう、いい先生というのはニーシャ兄上のことだ。

私は魔力増強と共に魔力制御力も上げていたので、今のマーシャの状態はあまり私では力になれない。


しかしニーシャ兄上は違う。私から魔力増強訓練を学んだ後、急激な魔力成長に見舞われ、魔力制御が追いつかなくなった。


今のマーシャの状態に近い経験をしているために、私よりも参考になるだろうと思いお願いした。


「よ、よろしくお願い致しますわ」

「とりあえず座ろっか」


私は制御ミスなどで魔力暴走した際のストッパーとして同席している。


魔力制御力を上げる方法は、私が最適化と呼んでいた体内魔力循環。それが制御力を高めることにつながる。


次期副学長というだけあってニーシャ兄上の教え方は上手いものだ。

魔力循環は初めてやるときはなかなか難しいものなのだが、マーシャはニーシャ兄上の教えですぐにできるようになっている。


この分なら思っているよりは早く制御力が十分に伸びそうだな。



文字数を増やすと投稿が遅くなるが、文字数を増やしたいジレンマ。増やしすぎても間延びしてしまうので難しいですね。

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