1 召喚
初投稿です。
稚拙な文章かもしれません。
「またか」
俺の足元には光る召喚陣。もう飽きるほど見た魔法陣だ。
「面倒だな⋯⋯」
召喚されるのは初めてではないのだが、召喚というのは基本的に面倒なことが多い。だいたい召喚の理由は魔王を倒してほしいとかだからだ。
「⋯⋯この魔法陣───」
通常の召喚陣とは異なる部分があるところに気づいたと同時に召喚魔法が発動し、意識が途切れた。
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「や、やった!ついに⋯ついに生まれたぞ!!」
なんだうるさいな⋯
「やっとだわ⋯やっと⋯」
「あぁ!よくやった!ようやく叶った!」
さわがしいなさっきから⋯こっちは意識がはっきりしないってのに⋯
「ついに女の子が生まれたぞぉぉ!!!!」
は?⋯⋯⋯今回の召喚⋯⋯まさか⋯⋯⋯
「おぎゃぁぁぁぁぁ(赤ん坊からなのか!?)」
とりあえず泣きながら考えよう。別に泣かないこともできるんだが⋯不自然だからな⋯
まず状況整理だ。まず今回の召喚は赤ん坊から、そして何より女だ。TSとか言われているやつだな⋯
少し興味があったからそれはいいんだが⋯
赤ん坊から始まるというのはなかなか面倒だ。
なにせ身体能力が低い。非常に困る。
魔力量の確認をしよう。
といっても俺の体を拭いている侍女がいなくなってからだな。後回しだ。
一部能力の確認をしよう。能力によっては使えないものがあるからな⋯
まずは異空間収納だ。武器だのなんだのはすべてここに入っている。今まで使えなかったことはないが⋯
無事真っ黒の円が手の先に出てくれた。生まれたての赤ん坊の手では何も取れないが⋯
「おぉかわいい我が子よ」
異空間収納を消したと同時に父親が入ってきた。母親を別室に移すのについて行って退出していた。
「おまえは私の悲願だ。すくすくと育って⋯⋯⋯」
そこまで言って口をつぐんだ。
「⋯⋯貴族の娘、それも侯爵家ともなれば婚姻は免れないか⋯」
明らかに気落ちした声で言う。すまないがこの世界に骨を埋めることはないし所帯を持つ気もない。安心してくれ。
「ずっとこの家にいてほしいものだ⋯婚姻などせず箱入り娘として⋯」
箱入りは困るな。婚姻はしたくないがこの世界は見て回りたい。
このまますやすやしてるのもなんだから一発泣いてやってもいいか⋯
せーの
「おぎゃぁぁぁぁぁ」
「へ、変なことを言ってしまったな。おーよしよし」
慣れた手つきであやされる。
「旦那様、ご助力は必要でしょうか?」
「必要ない。ありがとう。」
外に待機してたらしい侍女が泣き声を聞いて入ってきた。
泣くというのは思っている以上に疲れるみたいだ。あやされてるのもあって眠くなってきてしまった。
「おやすみメアリ」
メアリと名付けられたのか⋯悪くない⋯
そんなことを思いながら眠りにつくことにした。