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左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!  作者: 武蔵野純平
第六章 スタンピード

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第89話 年長組のリックとマルテ

 ――夕食後。孤児院の食堂。


 食事が終って片付けようとしていると、リックとマルテに話しかけられた。


「なあ、オッサン。スタンピードの情報を持ってないか?」


「何か知ってたら教えて!」


 リックとマルテは孤児院の年長組で、俺に反発していた。

 だが、今は敵意を感じない。

 真面目な表情で、俺に状況提供を求めている。


 二人の態度に戸惑いながらも、俺は知っていることを伝えた。


「俺の知っていることは大してないけど――」


 俺は聖サラマンダー騎士団のフレイル団長から聞いた話をリックとマルテに伝えた。

 オークジェネラルが目撃されたこと。

 オークキングが出現すると厄介だと騎士団長が言っていたこと。


 俺が話し終わると、リックが腕を組んでうなった。


「そうか……。オークがヤバそうなのか……」


「ああ、フレイル団長はオークを警戒していた」


「オークは体がデカいから、俺とマルテは相性が悪いんだよな」


 リックはブツブツとつぶやく。

 何やら色々考えているようだ。


「俺はこれくらいしか知らないが……」


「いや、俺たちの知らないこともあった。ありがとよ! オッサン!」


「ありがとう!」


 二人はやけに素直だなと感じた。

 不思議に思いながらも、お節介を焼く。

 俺から見れば二人ともまだ子供なのだ。


「二人とも気をつけてな。退路を常に意識して、ヤバかったら逃げろよ」


「ああ」


「わかったわ」


 俺はリックとマルテが去って行くのを眺めながら、首をひねった。

 リックとマルテの態度は、どうにもわからない。

 ちょっと前は俺にからんできて、ツンケンしていたのだが……。

 トゲトゲしさがなくなっている。


 隣に座るソフィーに聞いてみることにした。


「ソフィー。リックとマルテはどうしたのかな? ほら、俺に反発していただろう。でも、今は普通に話していたよな? 何があったのだろう?」


 ソフィーが目をつぶって腕を組み『むーん』と考えた。


「リックお兄ちゃんとマルテお姉ちゃんも苦労したんじゃないかなぁ……」


「なるほど!」


 ああ、あれか!

 ツンケンしていた若い子が、働き出したら社会を知って丸くなる。

 リックとマルテは駆け出しの冒険者だから、きっと苦労が多いだろう。


 俺はリックとマルテの成長が嬉しかった。

 二人がスタンピードを無事乗り越えられるように祈った。

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