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左遷されたオッサン、移動販売車と異世界転生でスローライフ!?~貧乏孤児院の救世主!  作者: 武蔵野純平
第三章 商業ギルドに気をつけろ!

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第24話 ソフィーの魔法適性(属性)

 早速シスターメアリーに、俺とソフィーが生活魔法をマスターしたことを伝えた。

 シスターメアリーは、子供のソフィーが魔法を使えることに驚いたが、『これも精霊様の祝福に違いない』と喜び、ソフィーを褒めてくれた。


 そして、俺とソフィーは、シスターメアリーの勧めで冒険者ギルドへ向かっている。

 冒険者ギルドで魔法の適性――どんな魔法が使えるのかを調べてもらえるそうだ。

 それも無料!


 冒険者ギルドへ着くと、俺はソフィーを抱っこして受付にダッシュした。

 受付には顔見知りのモナさんがいる。


「モナさん! 聞いて下さい! ウチのソフィーが魔法を覚えたんですよ! 生活魔法を全て使えます! 凄いでしょう? きっと魔法の天才に違いありません!」


「リョージさん! 落ち着いて下さい! わかりましたから! わかりましたから!」


 俺は夢中で話してしまった。

 モナさんは苦笑いだ。


「まあ、リョージさんの気持ちはわかりますよ。子供が魔法を覚えるのは、まれですからね。確かにソフィーちゃんには、魔法の才能があるのだと思います」


「でしょー! ソフィーは凄いな~!」


「えへへ」


 ソフィーが照れ笑いする。

 モナさんが再び苦笑い。


「いや、まあ、良いんですけどね。リョージさんの親バカっぷりが見られて良かったです。さあ! ソフィーちゃん! 魔法の適性を調べましょうね?」


「はーい!」


 俺はモナさんの言葉にビックリした。

 俺とソフィーは、親子ではないのだが……。

 まあ、親子に見えるほど仲が良いということだろう。


 モナさんは受付カウンターに大きな丸い金属製のお盆が置かれた。


「さあ、ソフィーちゃん! ソフィーちゃんが使える魔法を調べるからね。このお盆の真ん中に手を置いてちょうだい」


 俺は抱いていたソフィーをカウンターの椅子に座らせた。

 ソフィーは、興味津々の様子でお盆の中央に小さな手を置いた。


「ふあ! なんかくすぐったい!」


「ソフィーちゃんの魔力がお盆に吸い出されているのよ。もう、ちょっと我慢してね」


「はーい!」


 金属製のお盆には、ソフィーの手を中心に何やら模様が現れ始めた。


(基板に似ているな)


 お盆に現れた模様は左右非対称で、まるで機械に使われている電子基板のようだ。

 モナさんは、お盆の様子をジッと見ている。


「四大魔法の属性はなさそうね」


 四大魔法……。

 俺はシスターメアリーにお借りした魔法の入門書を思い出す。

 四大魔法は、火、水、土、風の属性魔法だったな?


「モナさん。四大魔法は、火、水、土、風ですよね? ソフィーはこの四種類の魔法が使えないのでしょうか?」


「ええ。四大魔法の適性がないと検査結果に出ていますね。四大魔法は使える人が多いから、先輩冒険者から教わりやすいし、属性魔法が弱点の魔物も多いんですよ。適性がないのは、残念ですね」


「そうなんですか」


 なるほどね。

 使い手が多いから学習しやすいとか、対魔物の話とか、入門書には書いてない実践的な話が聞けた。


「属性が増えることはないのでしょうか?」


「ソフィーちゃんは、まだ子供だから成長して属性が増える可能性はあります」


「なるほど。あくまで現時点で使える魔法属性の話ですね」


「ええ。そうです……、あっ……これ……」


 銀色のお盆の中に刻まれた回路のような模様にソフィーの魔力が満たされていく。

 回路の一部が強く光り、モナさんがお盆をのぞき込んだ。


「雷と氷の属性がありますね! かなり珍しい適性ですよ」


「おお! ソフィー! 凄いぞ!」


「やったー!」


 俺とソフィーは、大喜びした。

 しかし、モナさんは申し訳なさそうな顔をしている。

 どうしたのだろう?


「モナさん? 何か不味いことでも?」


 モナさんは、ソフィーに優しく語りかけた。


「えっとね……。ソフィーちゃんが、珍しい属性魔法に適性があるのは間違いないの。でもね。雷と氷の魔法を使える魔法使いは少ないの。だからね。教えてくれる魔法の先生がいないの」


「ええ!?」


「がびょん!」


 俺は予想外な言葉にショックを受ける。

 教えてくる人がいない?

 先生がいないと魔法は使えないのだろうか?


「モナさん。魔法は先生がいないと覚えられないのでしょうか? 私は魔法の入門書を読んで生活魔法を自分で覚えましたが?」


「生活魔法は簡単なんですよ。けど攻撃魔法は難しいです」


「特定の呪文を唱えたら魔法が発射されるということは? 例えば『雷よ! 我が敵を撃て!』みたいな?」


 俺の質問にモナさんは残念な表情で首を振った。


「呪文に決まりはないのです。確かに呪文を唱えて魔法を行使する人もいますが、呪文は魔法のイメージを高めるためなんですよ。呪文詠唱なしでも、イメージがしっかりしていれば魔法は発動します」


「ええ!? そうなんですか!?」


「はい。だから属性魔法を教わる時は、師匠が魔法を使って見せて、弟子が真似することで、魔法を行使したイメージをつかむんです」


 うーむ、見て覚えるということか……。

 そうなると珍しい属性魔法に適性があったとしても、マスターするのは困難だな……。


「あの……何か本はないでしょうか? 雷と氷の魔法の手引き書みたいな本があれば、独学でも覚えられると思うのですが?」


「ごめんなさい。少なくとも、このギルドにはないですね」


「うーん……」


 わかったこととしては――。

 ソフィーに適性がある属性は雷と氷。

 しかし、雷と氷は使い手が少ないのでマスターするのが難しい。

 他の都市に行けば、雷や氷の使い手はいるかもしれないが、必ずいるとは限らない。

 参考書もない。


 ソフィーはションボリとしてしまった。

 後でクリームパンを食べさせなければ!

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