番外編 白坊の独白
番外編書きました。
ボクの名前は白坊! 人間の女の子につけてもらったんだ。ボクたち白狐の種族はとても神様に近い存在なんだよ! だから困ってる人たちがいたら助けるのがボクたちの使命なんだ。ある程度成長したら、単独で行動することができるけど、まだ小さいから見学もかねて両親の後をついて回ってるんだ。
色々な世界を見て回ってどんな人間がいるかを観察して本当に助けが必要な人を見極めてるんだよ。
ボクは3兄弟の末っ子で時々兄ちゃんたちにからかわれるんだ。もちろん本気じゃなくて遊びでじゃれあってるだけだったんだけど、その日はいつものように遊んでいたら、足を滑らせて時空の狭間に落っこちちゃったんだよ。
そんなときに拾ってくれたのが、人間の女の子だったんだよ。すごくなついてくれたけど、怪我が治りしだい帰ることになってたんだ。両親も心配してるだろうから。だからボクはせめてものお礼として恩返しをすることに決めたんだよ! そしてこの町に関わりのある人たちの中で困っている人がいたら助けようと思ってるんだ。
ボクは人間の女の子が大好きになって、この子はどんな未来を迎えるのかなって気になって、両親に頼んで別の時空を移動してみることにしたんだ。そしたら、人間の女の子の父ちゃんが死んじゃうって分かって、何とかしたいと思ったんだ! だってボクを助けてくれた女の子が不幸になる未来は嫌だったからね。
だから大人になった女の子の残した手紙を、今生きてる女の子の父ちゃんに届けることに決めたんだよ。まだボクだけじゃ行動できないから、両親のどちらかが常に側にいるけど、ちゃんとボクの意見を尊重しくれるから両親には感謝してるよ。
だけどうまくいかなかったんだ。幸いなのはその女の子の父ちゃんが手紙を残してくれたことで、その女の子は不幸にはならなかったんだ。ひとまず安心したよ。でもね誰かを助けると他の場所で問題が起こったりして、人間てたまに予想外の行動を取るからそれの調整をするのが本当に大変なんだ。そこが面白かったりするんだけどね!
ちなみにボクたちは名前がないんだ。最初に生まれた子は1号とか呼ばれるからね! でもねボクたちの両親はボクたち3兄弟をいちごちゃん、にごちゃん、さんごちゃんと呼んでたよ! ボクは3兄弟の末っ子だからさんごちゃんと呼ばれてたんだ。
みんなの元に帰ったとき、名前をもらったと言ったら羨ましそうにされちゃった。どうしてかって? それはね名前をもらうことはまれなんだって! だから大事にしなさいって。もちろん気に入ってるから言われなくても大事にするつもりだよ。ちゃんとみんなも白坊と呼んでくれるし、怪我は痛かったけど本当に良い出会いだったなと思うんだ。
後で聞いた話だと、たまにボクみたいに落っこちちゃう子がいるんだって。だけど、こちらの世界へ戻れない子もいるみたいで、運が良かったんだと聞かされたよ。ボクって幸運なんだ~って嬉しかったよ。
さて今日はどんな人を救えるかなぁ~。わー大変だ! とんでもないことが起っちゃったよ。これはボクの出番だね。待っててね! 今助けに行くから。
お読みいただきありがとうございました。
少し短いですが思いつきで白坊の気持ちを書いてみました。
そしてただ今続編を作成中です。投稿はまだ先になりそうですが、興味がある方はまたお会い出来るその日までお待ちいただけると嬉しいです。
投稿の際は活動報告にてお知らせする予定です。