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戦場に行く馬がない

中世ファンタジーのお姫様に兵站を教えようとする話




 私の名前は勝彦と言う。

色々あって異世界へ飛ばされ、また色々あって、単行本三冊ぐらいの活躍をした後、

故あってお姫様の指南役になっている。

今は勉強の真っ最中だ。


「ところで、軍隊に必要なものって何だと思います?」


 講義の内容を忘れないよう紙に書いている姫に聞いた。


「魔法か?違うな、武器だ。

 軍隊は総力だからな、一人二人が魔法を使えたところでどうにもならん」


 姫と自分は基本タメ口である。

最低限の礼儀は払うが、堅苦しいのは嫌だと言うから。

一応、公的な場では尊敬や謙譲語を使うようにしてはいるが、面倒でならない。

今は勉強中なので少し言葉遣いを厳しくしている。


「食料です。腹が減っては戦争出来ません。

 生きるためには飯を食わなきゃいけません。食事を保障するのは基本です。

 ただ働きなんて裕福な暇人がやるものですから。

 千羽鶴でも折って自己満足してればいいんです。

 人なしに組織は成り立たちません。組織が崩れれば軍隊機能としては無力化されます」


 『想い出は いつも キレイだけど

  それだけじゃ おなかが すくわ』と黒板に盤書する。


「もちろん、食事だけ用意しても駄目ですけどね」

                          酒

『主は言われた。人はパンのみにて生きるにあらず、赤ワインも欲しいと』

黒板に続けてひんしゅくものの言葉を書いた。

此処は異世界だ、PTAや宗教も此処まで追ってくるまい。


「あくまで、食事が人を成り立たせるという意味であります。

 衣食足りて礼節を知るという言葉もありますから」


『想い出は いつも キレイだけど

  それだけじゃ おなかが すくわ』

『本当は せつない夜なのに

  どうしてかしら? あの人の涙も思い出せないの』


「何故だ?武器なしには戦えないだろう?」


 姫様は不満そうだ。

美人なだけに眉を顰めた顔は余計迫力がある。

剣と魔法の世界に相応しいお姫様かもしれない。

将来凄い美女になると思うがまだ小さい。自分は犯罪者にはなりたくない。


「武器以前の問題です。人を成り立たせているのは飯です。

 飯や金が保障されなければ容易に集団は解散します。

 人は弱いのです。ですから群れます」


  ○○○○<命ばかりはお助けを


●●●●●●●<オイ!ジジイ!食料と水をよこせ!


「一人は二人に勝てません。

 一人の側がよっぽど強ければ勝てるでしょうが、そんな人は稀です。大抵負けます」


     ◎<下種どもが…


  ○○○○<あのお方は!


●●●●●●●<なんだぁ~?!オメエは




   ◎   <あたたたたたた!

●●●●<ひぎぃ!あべし!ひでぶ!



     ◎<雑魚を始末しただけのこと

  ○○○○<ありがとうございます


*これは例外


「そして互いの数が多ければ多いほど、稀な能力を持つ人間は平均の中に沈みます」


      ○<僕が一番上手くガンダムを使えれるんだ!

●●●●●●●<俺もいるぜ、お前だけになんかイイかっこさせるかよ、

        おまえだけじゃないんだぜ、コーホー



「三十人は五十人の相手に対して勝てません」


*○●は同じ強さとします


    戦場


○○○対●●● 引き分け

   対●●  勝利


 ●×2で黒側の勝利


「政治だろうが戦争だろうが同じ。戦いは数です」



 ●<戦いは数だよ兄者!

                            ご冥福をお祈りします。


「そして数を維持するために組織を保たなくてはいけません。

 組織が保てなくなる…つまりバラバラになって個々の数が少なくなると

 多い側に喰われます」


 ○○○○○○<○民党を支持する

●●●●●●●<民●党を支持する

      ◎<民●党支持が多いので当選ね


●●●●●●●○○○○○○

      ◎<以上13票がこの地域の得票数となります。


「しかしこの説明には穴が存在します。

 一人の人間は二人の人間に勝てませんが、互いの相対数が上下する可能性があります」


    戦場

      1戦目


 ○○対●  勝利

  ○対●  引き分け


   (戦力外)

    ●●●戦場に遅れてやって来る


 白側が1戦勝利

    

「総力で勝っていても、距離の関係などで競り合いに出られなくなると関係は逆転します」


         2戦目


 ○○対●  勝利

  ○対   勝利


   (戦力外)

    ●●●戦場に遅れてやって来る


 白側が2戦勝利


 3戦目からは戦力が互角になる



「こうした事態をさせないためにも、連絡などを密にとらなければならず、

 組織の維持管理は大切なのです」


●<滅多に支持を出さない本部の仕事なんてやってられねー

○<お客様がおいでになりました

◎<・・・・・・・


「よって、戦いに勝つために、

 敵の力をいかにして分け自分達の力を集めるかに腐心します」


◎<お主も悪じゃのう、選挙の票は任せておけ

□<黄金色のお菓子

●<これからも越後屋をお願いいたします


「この努力を軍隊流にすると『手法』を戦略、作戦、戦法、戦術、戦技

『組織自体の運営』を兵站と呼ぶことになります。

 時代や国によって呼称に多少の違いがありますが、大体同じです」


 兵站の意味をどう捉えるか、諸説様々ある。

後方活動の総称、輸送全般、食糧の輸送、

だが自分は兵站とは組織運営そのものと考えている。

組織の構造、権力争い、人事、広報、全て兵站の一部だと思う。


「戦略、作戦、戦法、戦術の違いはなんじゃ?」

「指定する範囲の大きさです。

 例えば私の世界で有名な鬼畜王と呼ばれる方の戦略ですと、


戦略:JAPAN中の美女とヤリたい

作戦:隣接する国の佐渡を落として謙信とヤろう

戦法:軍隊をおくって征服しよう

戦術:送る部隊の配置と順番は…


 となる訳です」

「滅茶苦茶だな」


 姫は華やかに笑った。

美人は何をしても絵になる。


「世界平和なんてご大層なもの、

 本気で考えるなんてよっぽどの世間知らずか馬鹿者ですよ。

 えろくててんかとういつでも結果があればいいじゃないですか」


『日本の夜明けは近いぜよ』『地球を守れ!CO2削減!』

 なんて漠然とした奇麗事を話されるより、

『女を抱く!ガハハグッドだ!』『金が欲しいか貴様ら!ニューヨークへ行きたいか!』

 と言う俗物の方がよっぽど好感が持てるのは気のせいだろうか?


「一般的には、戦略が国の方針、作戦が軍全体の行動、戦法が軍単位の戦闘、

 戦術が個人の戦闘と呼ばれています。時と場合によるので話半分に覚えておいて下さい」

『手法』の説明はキリがないので後回しにして『組織自体の運営』を話します」


 戦術や戦法の話なんかしてると日が暮れる。

桶狭間やナポレオンについてなんて自分が喋るのをやめられそうにない。


「唐突ですが、100人の民兵と100人の近衛騎士団が同時に戦ったら

 どちらが勝つと思います?」

「当然、近衛騎士だ」

「どうしてそう思いますか?」

「練度や装備が違いすぎる」

「その通りです。対決する兵科や相性によっては、

 ある意味、戦う前から勝負は決まっていると言えるでしょう」


 砲兵は近くで戦うようには出来ていないし、斥候の目的は戦うことではない、監視だ。

ハリネズミのようにファランクス隊形をとった槍兵に

突撃しようとする騎兵もいないだろう。

誰だって得て不得手がある。


「では強い騎士を近衛たらしめているものは何でしょう?」

「訓練や身分だ。食事も良いものを摂っているし、馬や弓、鎧がある」


 流石姫様、100点満点だ。

『強さ』を聞いて、装備や訓練だけでなく、

食事や身分を含めて答えられるのはちょっといない。

いずれ賢い女王になると思う。


「そうした条件を揃える事こそ『組織自体の運営』であり、兵站であります」

「漠然としているな」


 そういうものだから仕方がない。

兵站はヘリや戦車を購入するのとは違って、

直接実感できるものではないから、ないがしろになる。

帝国陸軍なんて悪例の最たるものだ。


「兵站とは軍隊の戦闘力を維持するための役割です。

 物資の補給や整備、休養などの諸々を含めた仕事で、

 主に情報管理、補給、整備に修理、調達、衛生、警備など保守管理全般を指します」

「戦争と余り関係ないのではないか?

 兵達の胃袋に消えてしまう食料に金を出すより、槍と鎧を買う方がまだ良いだろう」


 飯よりも正面装備を、ある意味では間違いではない。

正面装備の充実はハッタリとして使えるし、

戦争していないのであれば張子の虎でも十分だ。

政治家的な視点。姫らしい答えである。

しかし戦争中となると答えは逆転して来る。


「では、戦争で実際に矢を放ち合い槍を向け合う時間と

 行軍に使う時間どちらが多いでしょうか」

「行軍が長い、数日間の戦闘のために数十日歩き続けることすらある。

 だからこそ弓槍を揃える必要があるのだ。

 効果の高い数日の為に装備を揃える方が費用効果が高い」


 だが彼女は根本的な間違いを犯している。

部隊の新設ばかり好んだヒトラーやスターリンと同じ愚。


「ですが、武器ばかり揃えすぎても適切に管理できなくなります。

 武器は現地に運ばれ、個々人に手が渡るまで配られ、

 実際に使われてこそ役に立つのです」

「ならば武器を扱える部隊を新設すればいいのでは?」

「武器だけ用意しても、集め、ひとつの所にそれなりの配置をさせる、

 彼らに使い方を教える、道具の為の道具を過不足なく用意する、

 混乱なく移動する手はずを整える。

 仕事の後、撤収する手はずを整える。残った機材をすべて引き上げる、

 出来ればゴミひとつなくしなくてはいけません。

 また武器と同じことが兵士にも考えられるのです。


 大量の武器があっても兵士は増えません、


 使える技能を持った人物が居て初めて兵士たり得るのです」


 部隊を増やしても人は増えず、兵器は増えない。人材の数も変わらない。

補修部品がないまま造り続ける飛行機や、

隊が定数を満たさないせいで師団が連隊級なんてことにもなりかねない。

確かに部隊を新設すれば使える人員は増えるだろう――――――書類上では。

実態は中身のスカスカな隊ばかりとなる。

名目上の部隊を増やすだけで兵力が増えた気になり精神の安定を図る。

現実から目を逸らしているだけだ。

 書類だけ弄って、名目だけの団体を作り現実から懸け離れる伝統は、

毛沢東の生産計画や年金流用問題として今に受け継がれている。

 徴兵だけで使える兵士が増えるのはファンタジーと脳内だけだ。


「温かい食事と士気の関係も馬鹿にしたもんじゃありません。

 数十日間冷や飯を食べさせられた場合を考えてみて下さい」


 阪神淡路大震災では地域ごとに立ち直りの速度が違い、食事に差が出た。

もし自分のところがカンパンで、

隣の地区が温かいお握りと豚汁なら、どう思うだろうか?

自分なら絶対に文句を言う。命を掛けた仕事をしている兵隊ならなおさらだ。

数十日間、冷や飯を食べせ続けたら軍の士気はガタガタになる。


「ふむ、そうだな。それでは次に必要なものは?人材か?」

「もちろん優秀な人材も大事ですが、

 もし戦闘が起こったとしてその場に人材が居合わせないと話になりません。

 戦場に遅れてやってくるなどもっての外です。そこで、


    戦場


 ○○対●  勝利

  ○対●  引き分け


   (戦力外)

    ●●●戦場に遅れてやって来る優秀でお馬鹿な人材、馬があれば間に合ったかも。


 ○×1で白側の勝利


    こうして、バラバラに撃破されることを各個撃破されると呼び。

    力を一箇所に纏める行為を戦力の集中と呼びます。


 足を揃えなくてはいけません。

 よって次に必要なものは馬車や船といった輸送機関になります」


「加えて、兵士達へ食事と武器、衣服や雑貨なども運ぶ必要がありますから、

 更に馬車は必要となります」

「どれぐらい必要なのだ?」

「食料だけで1日戦闘行動などを行った際必要とされるエネルギー量は5000キロカロリー、

 平時の活動では3100キロカロリー、

 一般的な生活をしている場合では2300キロカロリー程が必要となります。

 ソ連軍は7000キロカロリーが必要と計算していましたが、あそこは過酷な環境なので

 実際そんなものかもしれません。時と場合によるということです」


 軍隊の戦闘糧食と言えばレーション。

ちなみにレーションを食べた感想で多いのは量が多すぎるといった類のことである。

これにはちゃんとした理由がある。

軍でもよっぽどの事がない限り、飯は皿で食べるものとされている。

昼食中に襲われるなんて襲撃された時点で負けだし、

台所でちゃんと調理された飯の方が美味しい。

だからレーション、手軽な携帯食料が必要とされる状況は、

戦闘時又はそれに順ずるものとされる。

戦闘時を想定した消費は5000キロカロリー、

一般的な生活では2300キロカロリーからも判るように、

野山を60kgの背嚢を背負って這いずり回るのでない限り、そんなに腹は減らない。

だからレーションは残してもいいのだ。たくわんがなくなったのは残念でならない。


「きろかろりー?」

「熱量の数字です。精米済みの米1合、コップ一杯分のカロリーは………確か570です。

 なんとなくでいいからそんなものと思ってください」


 困ったな、どう説明したらいいんだ。カロリー計算なんて、俺は栄養士じゃない。

栄養士って食材や調理法ごとのカロリー値を覚えてるのか?

だとしたら凄いと思う。


「米だけ用意すればいい訳でもなかろう」

「偏った食事を続ければ病気になります。ビタミン不足による脚気なんかが有名ですね」

「かっけ?ビタミン?」

「脚気は足むくんで痺れる病気で、酷くなると死ぬらしいです。

 船乗りに多いとされた病気で、

 病院ではハンマーで膝を叩いて跳ね上がるかどうかで診断する方法がよくとられます。

 他には炭水化物、白米を食べ過ぎるとなるらしいですね。

 ビタミンは栄養素の一つで、糠漬けやすっぱいものにはいっています。

 他はビタミン不足になると、風邪の形が出来やすくなるそうです。

 ようは色々食べろってことです」


 脚気は昭和頃まで流行っていた病のひとつで、

療法が確立された病としては新しい部類に入る。

米を主食にしていた当事は日本特有の風土病と考えられていた。

栄養素の不足に関する風土病は多い、昆布が薬として用いられていた時代があるのだ。

穀物、肉、野菜、果物をバランスよく取ることを目的とした

中国の医食同源思想は現代栄養学の先駆けといえるだろう。


「ふむ」

「後、忘れられがちですが、物を運ぶために物が必要となります」

「馬と船か」

「馬を働かせるために飼葉と水も必要です」

「そうだな」

「大量の飼葉と水が必要です」

「そこらに生えてる草を食べさせれば良いだろう」

「そうも簡単にはいきません、少数ならいいですが軍が移動するとなると万人単位です。

 それらを運ぶため万単位の馬に食べさせたとしたら、周囲の草原は丸裸になるでしょう」


 A地点:維持可能コスト2

 ○○:戦力2

               C地点:2   D地点:3

 B地点:2         ●●      ●●●

 ○


 つまり、ある程度の馬を維持し続けるためには分散して配置しなくてはいけない。


 分散配置は各個撃破される原因の一つでもある。

無闇に分散させないため兵站が存在していると言い換えてもいい。


「森には草が沢山あるではないか」


 あんたはムッチーか。インパールですか。

一足す一は日ごろの行いと根性で四十ですか。

馬は平地の生き物で、森で暮らすようには出来ていない。


「そりゃ、馬だって好き嫌いはしますよ。

 あなたもリンゴは食べるけど、雑草は食べませんよね。

 馬って生き物はデリケートなんです。箱に入れるだけでストレスで体調を崩すんですよ?

 船で運ぶのさえ一苦労です」

「ようは馬を産まれた場所以外で働かせる場合、苦労する訳か」

「同時に馬のための糧秣をまた運ばねばなりません。

 距離が開くほど輸送そのものに掛かる物資は必要となり、

 運べる物資は反比例して少なくなります」



       ○       C地点

   ↑   ↑   ↑

   ○   ○   ○   B地点

   ↑   ↑   ↑ 

  ○○○ ○○○ ○○○  A地点


*○は1つで3輸送力をもっているとする

 一区間で2輸送力を消費する


 Cに届く頃には27輸送力使用して3輸送力しか届かない

 これと同じことが経済にも言える、

 27億円の税金を使って3億円の経済効果しかないなどだ。

『エイベックス死ね説』『経団連死ね説』『税金の無駄遣い』『中抜き地獄』

 などの事例がある。


「一説に馬が牽ける重量は馬自身が食べる飼い葉、水の七日分程度とされています。

 加えて、馬を操る人の食料も必要となります。

 強引な計算ですが、

 馬の牽ける重量-(馬の飲食量+荷主の飲食量)=現地に届く量

 と表すことが出来ます」


   C地点では3輸送力分の兵力しか展開できない。


       ○       C地点(現地へ届く物量3)

   ↑   ↑   ↑

   ○   ○   ○   B地点

   ↑   ↑   ↑ 

  ○○○ ○○○ ○○○  A地点



 ちなみにこれは、街周囲で取れる飼葉が足りなくなるほど大量に運用(千、万単位)

した場合であり、自活できるならそれに越したことはない。

 重要なのは、馬を維持するコストが非常に掛かることだ。

馬は毎日人間の十倍飲み、十倍食べ、十倍働く。

自動車のように、ガソリンを入れればそれで終わりではないのだ。


 働かせずとも毎日食費が掛かるのが大きい。


「そして、

 馬が牽ける最大重量は七日分程度>(馬の平均移動速度×稼働時間)×日数=距離

 の図式が成り立ちます。

 この距離が攻勢限界であり、

 馬が牽ける最大重量は七日分程度>(馬の平均移動速度×稼働時間)×日数=距離÷2(往復)

 が戦力を保持し続けられる(略奪などをせず立ち止まっていられる)補給限界となります」

「頭が痛くなってきた」

「現実にはもっと低くなるものと予想されます。

 荷の積み下ろし時間、休養、途中での損失、余裕、道路の幅と状況、

 大量に運用する場合の速度、荷物決済、品質保証期限、保存法の違いなどがあります。

 ですからより大量の馬が必要でしょう。

 またこれらの運用を最小にする計算も必要です」


 でもこうした計算は、実際やってから統計なりで修正しつつ判断するものなんだが。

知ってると知ってないでは天地の差がある。


「頭が破裂しそうだ」


 話してる自分もそう思う。


「武器を揃える前に兵士を戦場へ並べないと話にならない。

 兵站と戦闘力には密接な関わりがあると理解していただけたでしょうか?

 では今日の講義を終わります」


 そう、たとえ強力な兵器があったとしても使えなかったら意味がない。

マウス…紫電改…ドーラ…まともに戦場に辿り着かず、

歴史に埋もれたぼくのかんがえた超兵器は枚挙に暇がない。


「以上で講義を終わります。

 次回の内容は『質と量の関係』『量が重視される理由」

 『私の代わりは他に居るもの、たぶん3人目』になります」

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