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第488話 さぁ検証開始だ!

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

 東京湾の広大な埋立地に広がる都営第6ロボット教習所。その地下深くに、対袴田素粒子防衛戦中央指揮所がある。ここでは日夜、宇宙からの侵略者・袴田素粒子に備え、様々な活動が行なわれていた。今も、白衣を着た多くの所員たちが忙しく動き回っている。

「所長、緊急やなんて、穏やかやありまへんな」

 ネイティブな大阪弁でそう言いながら指揮所に入ってきたのは南郷である。

「久慈教官はまだ山下先生のつきそいで、こちらには来られそうにありません」

 陸奥も同行している。

「山下くんは、まだアイさんのところに?」

「ええ。予想よりずいぶん長く潜っているので、心配で久慈教官がずっとそばについています」

 うむと、雄物川がうなづいた。

「その結果を、早く聞けるといいのだがな」

「所長、何があったんでっか? さすがに緊急招集にはびっくりしましたわ」

「そうですね、教習所内にいるんですから内線で良かったのでは?」

「そうだな。だが、君らがどこにいるのか、把握できていなかったのでね」

 そうである。

 職員室にいるはずの陸奥と南郷は、生徒たちにうながされて格納庫に移動していたのだ。

「あ、そうでした」

 南郷が右手で頭をポリポリとかいた。

「まずはこれを見たまえ」

 そう言うと雄物川は、所員の一人に目配せをしてうながした。

 三人の目の前、空間に浮かんでいる巨大なバーチャルスクリーンに宇宙地図が表示される。地球を中心とした広大な宇宙マップだ。ちなみにその起点は、東京都三鷹市の国立天文台である。

「あそこだ」

 雄物川が指差した先に、赤く点滅する光点がある。

「なんでっか? 小惑星かいな?」

 南郷が首をかしげる。

「あれは、次第に地球に接近しつつあるのだが、ISSからの報告では恐らく……宇宙船だ」

 陸奥と南郷の目が丸くなった。

「宇宙船ですか? 現在あんな遠方に、地球の船はいないはずですが」

「そうでっせ。今は袴田素粒子の侵略に対して、地球は緊急事態宣言のまっ最中や。宇宙探査の船も出てないはずやし」

「地球の船はな」

 そう言うと雄物川は、陸奥と南郷に顔を向けた。

「まだISSの予想なのだが、アレを君たちは知っているかもしれん」

 再び二人の目が見開かれる。

「まさか?」

「そのまさかだ」

「修学旅行を無茶苦茶にしたアレが、地球に戻ってきとるってことでっか?!」

 重々しくうなづく雄物川。

「目的はいったい何でしょう?」

「今の所、それはまだ分からん。だが……」

 息を呑む陸奥と南郷。

「何らかの方法で攻撃を仕掛けてくると考えておくべき、と言うのが国連宇宙軍の見解だ」

 地球の防衛には、最悪の事態を想定して守りを固めることが必要だ。それが現在の国連宇宙軍の総意となっている。今回も、最悪を考えての動きが始まっているのだろう。

「そこで、この指揮所にも要請が届いた」

 陸奥と南郷が、雄物川の次の言葉を待つように息を飲んだ。

「ダイナギガの起動を急いで欲しいと」

 一瞬、指揮所内が沈黙に包まれた。


「よし!ほんなら検証、やってみよか!」

 その頃格納庫では、生徒たちによる検証実験が始まろうとしていた。

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