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第487話 緊急招集

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「うーん、どないしたらええねん?」

 都営第6ロボット教習所の格納庫に、暗い雰囲気が立ち込めていた。

 ひかりがいつも古い言葉やダジャレを連発する理由が判明するかもしれない。

 そんな期待が高まり、意気揚々とやって来たロボット部の面々だったが、いきなり大きな問題に直面したのだ。

 奈央の仮説はこうである。

 ひかりはロボットや機械の心が見える。これまでに何度もひかりの愛車・火星大王の言葉を聞いている。そして火星大王は、この格納庫に収容されている機体で最も年式が古い。しかも遠野家に中古としてやって来る前の持ち主、城南大学文学部歴史遺産学科の岸田教授はダジャレが大好きなご老人だと言う。つまり、ひかりがいつも発するダジャレや古い言葉は、考古学者であるひかりの父・遠野教授や以前のオーナー岸田教授に影響を受けた火星大王が思っている言葉なのではないか?

 そう考えれば、ひかり自身が知らない言葉が彼女の口から出てくることに説明がつくのではないか?

 それを検証しようと、陸奥や南郷まで巻き込みここへやって来た生徒たちだったのだが、いざそれを調べようとしてはたと気づいたのである。

 ひかりに何か質問をしたとして、その答えが古い何かだったとする。だが、それが火星大王の考えだと、どうすれば分かるのだろうか?

 まさに、一同は途方に暮れていた。

「それに」

 奈々がひかりに視線を向けながら言う。

「ひかりだって、お父さんの遠野教授や火星大王さんを譲ってくださった岸田教授の影響を受けてるんじゃない? だったら、ひかり自身がダジャレの素養を持っていてもおかしくないわよね?」

 うーんと、うなってしまう生徒たち。

「でもやな」

 両津もひかりに目を向けた。

「遠野さん、いつもダジャレとかめっちゃ古いこと言うけど、それが何なのか全然知らへんみたいやん」

「そうですわ。だからこその火星大王さんなのですわ」

 奈央がそう言いながらうなづいた。

「あのぉ」

 そんな中、愛理が小さく手を上げる。

 皆の視線が愛理に向けられた。

「マリエ先輩も遠野先輩と同じぐらい、ロボットとお話できるんですよね?」

 皆の視線がマリエに移る。

 ちょっと自慢げにうなづくマリエ。

「うん。できる」

「だったら、遠野先輩が何かを答えた時に、火星大王さんが何を考えてたのか、マリエ先輩が読み取るってのはどうでしょうかぁ?」

「お!それ、いけるかもしれへんな!」

 両津の言葉と同時に、一同の顔がパッと明るくなった。

「それ、いいんじゃないか?ベイビー!」

「なんか、うまくいきそうじゃない? ね、大和もそう思うでしょ?」

「うん、いいアイデアだね、愛理ちゃん」

 皆の絶賛に、頬を少し赤らめる愛理。

 マリエはフンスとやる気満々の様子だ。

「ひかり、それでどう?」

 奈々の問いに、ひかりが満面の笑顔で答える。

「うん、よく分かんないけど、私なんでもやるよ!ね、マリエちゃん?」

「ふんす!」

「よし決まりや!それでやってみよやないか!」

 盛り上がる生徒たち。

 その時、陸奥と南郷が持つ所内専用端末からアラームのような音が響いた。緊急を知らせるためか、緊迫感のある音である。

 顔を見合わせる陸奥と南郷。

「陸奥さん、これって」

「地下からの招集ですね」

 南郷が生徒たちにすまなそうな顔を向ける。

「なんや分からへんけど、所長からの呼び出しや。こっから先はみんなだけで頑張ってみてや」

「すまない。俺と南郷さんは中央指揮所へ向かう」

 いったい何が起こったのかと、生徒たちに不安が広がっていく。

「まぁ心配あらへんわ。多分大したことないって」

「そうだな。みんなは遠野についての検証を続けてくれ」

「了解です!」

 生徒たちの返事がきれいに揃った。

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