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第475話 恋愛って何?

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

 南郷が苦笑しながら言う。

「山下センセ、多分寝不足なんやで。最近よう残業してはるから!」

 頭をポリポリとかいている南郷に奈々が突っ込んだ。

「いや、マリエちゃんが言ってるのはそこじゃなくて、背筋を伸ばしてきれいに座ったまま眠ってるのが不思議だってことだと思いますよ? ね、マリエちゃん?」

 うなづくマリエ。両津がじっと美咲を見つめる。

「それに、ボクらめっちゃやかましいのに、ぜんぜん目ぇ覚ます気配あらへんよなぁ」

 確かにそうである。両津の関西人らしい大声と、ひかりの音程をはずした歌声。そして奈々の激しい突っ込みがずっと繰り広げられているのだ。どうして眠っていられるのだろう?

 皆のいぶかしげな視線が美咲に向けられた。

 美咲は、職員室の応接セットの三人がけソファーの真ん中で、両手を膝の上に置いて目を閉じている。生徒たちの大騒ぎの中身じろぎひとつしないので、恐らく熟睡中なのだろう。いや、この状態で眠れるなんて爆睡と言ってもいいのかもしれない。

「他にも分からないことがある」

 マリエは小さくそう言うと、心音と大和に目を向けた。そして小さく首をかしげる。

「ココちゃんと大和くんは、どうしていつもくっついてるの?」

 皆の視線が、今度は心音と大和に向けられた。

 両津が肩をすくめて言う。

「また話変わってしもたで。ダイナギガのことはどうなったんや?」

 その言葉に、奈央もうなづいている。

「遠野さんが使う古い言葉の話もですわ」

「よっしゃ!一個ずつ解決していこ!」

 そう言うと両津は心音と大和に、右手の人差指をビシっとつきつけた。

「この二人はアッチッチなんや!」

 マリエが両津の顔を不思議そうに見る。

「アッチッチって何?」

「マリエちゃん、外国暮らしが長いから分からへんのかもなぁ。恋人や!この二人は恋人同士なんや!」

「ギャフン!」

 ひかりがピョンと跳ねながら大声を上げた。

 それに奈々が突っ込む。

「それ、ここで使う言葉じゃないでしょ!多分、ガーン!の方が合ってるわよ!」

「ガチョーン!」

「それ何?」

「アヒルさん」

「アヒルとガチョウは違う鳥よ!」

 両津が頭を抱える。

「ウワーッ!話がまたわけ分からんようになってきたやん!」

 そんな両津にマリエが聞く。

「それで、恋人って何?」

 そのひと言の破壊力はすごかった。一同驚きのあまりポカンと口を開けてマリエに注目する。

 ただ一人、ひかりだけがパッと顔を明るくしてマリエに言った。

「変な人のことだよ!」

「それは変人!マリエちゃんが聞いてるのは恋人!」

「あじゃぱー!」

 そんな会話に心音が割って入る。

「ちょっと待ってよ!誰と誰が恋人同士だって言うのよ?!」

 生徒たち全員が心音と大和を指差した。

「違うわよ!私たちはただの幼馴染よ!」

 大和はなぜか少しバツが悪そうな笑顔だ。

「ホンマかいな?! でも、館山くんは絶対野沢さんに恋愛してるやろ?!」

 心音がパッと大和を見る。

「してるの?」

「いやぁ、なんて言っていいのか」

 全員の目が大和を見つめる。

 その時、再びマリエが首をかしげながら言った。

「恋愛って何?」

「ザギンでシースー!」

「それもっと場違いよ!」

 ひかりと奈々はいつも通りだ。

「ウワーッ!話がもっとわけわからんようになってきたやん!誰か恋愛について説明したってくれ!」

「よし!それなら俺に任せるんだぜベイビー!」

 正雄がニヤリと、白い歯を見せて右の口角を上げた。

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