第472話 その名も
「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。
【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】
「犯人はいつもひとり!」
ひかりは一人の男に、ビシッと右手の人差し指をつきつけた。
「なんや!なんや!俺が何をしたって言うんや?!」
職員室で南郷がうろたえる。
生徒たちは思う。
この先生にはきっと後ろめたいことが山ほどあるに違いない!と。
「だから、それを言うなら真実はいつもひとつ、でしょ!犯人が必ず一人だなんて限らないじゃない」
奈々の素早い突っ込みに、南郷が何事かにハッと気づく。
「ああっ!遠野!またいつものボケなんか?!」
「てへぺろ」
ひかりとマリエが並んで舌をペロッと出した。
そんな二人を先頭に、ロボット部の面々がズラズラと職員室になだれ込んで来る。
ギョッとする陸奥と久慈。
「みんな、いったいどうしたの? 全員揃って」
「今日の授業はもう終わっただろ? そろそろ夕食の時間じゃないのか?」
ハッとするひかりとマリエ。
「夕食はいつも学食!」
「学食!」
くるっときびすを返そうとする二人を、奈々が身を挺して止めた。
「ちょっとひかり!マリエ!教官方に聞きたいことがあるんじゃなかったの?!」
再びくるりと回り、教官ズにカラダを向ける二人。
なぜか敬礼している。
「そうでありました!鬼軍曹どの!」
「鬼軍曹どの!」
「誰が鬼軍曹なのよ!」
愛理がひょこっと首をかしげた。
「ぐんそうって何ですかぁ?」
「それはね、愛理ちゃん」
ひかるが左手の人差し指をピンと立てる。
「は〜っはっはっは!今回も私の勝ちのようだね、明智くん!」
「それは怪人二十、面相!愛理ちゃんが聞いてるのは軍曹!
「今日は朝から並ぶでぇ〜!」
「それは新装開店の新装!」
「真実はいつもひとつ!」
「真相!」
「ミスター・スポック、頼むぞ!」
「転送!」
「両津くんが悪いのは?」
「人相!」
「カラダ全体も?」
「貧相!」
「ちゃうわ!ムキムキじゃーっ!」
だがその言葉に、生徒全員が首をかしげた。
「どこが?」
そんな会話の中、久慈が大きくため息をついた。
「それで、どうしてみんなでここに来たの?」
あ!そうだった!
ロボット部全員の背筋がピンと伸びる。
彼らを代表するように、両津が一歩前に出た。
「えーと、センセたちにお聞きしたいことがあるんですけど……」
「なんや?」
「ボクらが操縦訓練してる巨大なロボットの名前、ダイナギガって言うんでっか?」
その言葉に、職員室が沈黙に包まれた。




