第466話 真実はいつもひとつ!
「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。
【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】
「ひかり、ダイナギガがロボットの名前だって言うのは確かなの?」
奈々の問いに、ひかりがうなづく。
「うん。だって、私はダイナギガですって言ってたもん。ね、マリエちゃん?」
「言ってた」
両津が何かを考えているような表情をひかりとマリエに向けた。
「それってもしかして……地下で最初にその言葉が聞こえた時のことなんか?」
「そうだよ」
ひかりとマリエが初めてその名を耳にしたのは、今ほどに事情を知る前のことである。インドの宇宙ステーション・センドラルの落下を避けるために避難した、教習所の地下での出来事だった。人間の尊厳を守るため、つまりトイレを探して地下深く迷い込んだひかりと、彼女を探しに地下を進んだロボット部の仲間たちが目にしたのは、真っ黒い巨大な影。そしてその時、ひかりとマリエの心に届いた声が言っていた。
「私はダイナギガです」
その時、正雄がパチンと指を鳴らす。
「謎は全て解けたぜ!ベイビー!」
「鉄ちゃんの名にかけて!」
ひかりの叫びに奈々がすかさず突っ込んだ。
「鉄道オタクの名にかけてどうするのよ!じっちゃんよ!じっちゃん!」
「じっちゃんに輪をかけて!」
「輪をかけてどうするのよ?!」
「犯人はいつもひとり!」
「それを言うなら、真実はいつもひとつ!」
「あれぇ? そうだっけ?」
ひかりが首をかしげる。
「ひかり、金田一少年と名探偵コナンがごっちゃになってるでしょ!正直に白状なさい!」
「掃除機に?」
「掃除機に白状してどうするのよ!」
「正直な掃除機」
ひかりは一人でそうつぶやくと、クククと笑った。
「だから、ごっちゃになってるって言ってるの!」
「ガッチャ?」
「それはガッチャマン!」
「ああ、ハロウィンに食べる?」
「かぼちゃ!」
「ラムちゃん?」
「だっちゃ!」
「勝俣さんの?」
「チャチャ!」
「どーん!」
ひかりはそう言うと、全身でテーブルに突っ伏すような格好をした。
「それはヤムチャ!」
「じゃあ、両津くんが女の子を?」
「おもちゃ!」
「してへんわーっ!」
そんな会話を中断させたのは、正雄の言葉だった。
「解けた謎はひとつだぜ!あの時俺たちが見た巨大な影、あれが巨大ロボット・ダイナギガなのさベイビー!」
奈央が驚きの目を正雄に向けた。
「私たちが操縦訓練しているのは、あれに乗るためなんですの?」
愛理も目を見開く。
「あれ、とってもおっきかったですぅ!」
彼らが目撃した影の大きさは、恐らくマンションの20階以上、50メートルは超えていただろう。そんな、タワーマンションほどの巨大なロボットの操縦など可能なのだろうか?
「正直な掃除機」
まだ一人でクククと笑っているひかり以外の全員が、その想像に震えていた。




