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第373話 探査終了!

「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。

【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】

「よっしゃ!指定された範囲はこれでおしまいや!」

 両津の声が住宅街の公園に響き渡った。

「両津くんの声はスピーカーで聞くとキンキン響くぜ。なぜ無線を使わないんだい?ベイビー」

「この方がロボットアニメみたいやろ?」

「それには同意できないなぁ。俺が見たアニメでは、普通に無線で交信していたぜ?」

「だって、こっちの方がカッコええやん!」

 肩をすくめる正雄。

「その感性には、俺はついていけないぜ」

「ついて来てくれ〜!」

 今回の大規模トンネル探査に参加している、両津と正雄のコンビである。二人共、いつも教習で使っている愛車で出かけていた。両津は関西のロボットメーカーのマルビシ5000、名前は「なにわエース」、正雄はモーターズゼネラルのアメ車ヒラケー・ガレオン、名前は「コバヤシマル」である。二機には、新開発のダイナレーダーが装備されていた。そのおかげで、地下トンネルの探査はスムーズに終わったのである。

 突然正雄の声が、スピーカーからロボット標準無線に切り替わる。

「俺は無線のほうがカッコいいと思うぜベイビー」

「えっと、テンフォー了解!ってやつやったっけ?」

 正雄がニヤリと微笑んだ。

「ああ、昔テンコードを使うドラマがあったんだ。次々と発生する謎の事件を解決する隊員たちがいつも無線で、テンツー!テンフォー!テンテン!なんてやってたのがカッコ良かったんだぜベイビー」

「それ、ボク見たことあらへんからなぁ。でもそのドラマ、ロボットは出てけぇへんのやろ?」

「そうだが、何か問題でもあるのかい?」

 両津が首をかしげる。

「だったらなんで棚倉くんはロボット免許取ろうと思ったんや? ボクはもちろんロボットアニメが大好きやからや!ロケットぱぁーんつ!」

「パンチの間違いじゃないのかい?それ」

「いや、分かってボケてるんや!」

「いやはや、両津くんのことだから、本気で間違えたんだと思ったぜベイビー」

 そんなアホな!

 と、両津が突っ込もうとした時、正雄のいつにない真面目な声が無線から聞こえた。

「俺のダディの話、したことあったかい?」

「え? お父さんのこと? 聞いてへんかも」

「では、たまには昔話でもしてあげようじゃないか」

 無線から届くのは、妙に芝居がかった正雄の声だ。

 もちろん、正雄の話し方はいつだって芝居がかってはいるのだが。

「彼のダディは、埼玉の城北大学の准教授さ」

「それ初耳や。確か、遠野さんのお父さんも大学の偉い人やったよな?」

 ひかりの父、遠野光太郎は城南大学文学部歴史遺産学科の教授だ。

「あれ? 城南大学と城北大学って、名前が似とるなぁ、親戚か?」

「それは知らん」

 両津の疑問を、正雄が一蹴した。

 苦笑しつつ、両津が正雄に質問を投げる。

「大学の偉いさんかぁ、棚倉くんとはあんまり似てへんのとちゃう?」

「そう思うかい?」

「だって、棚倉くんはどっちかと言うと肉体派、と言うかロボット肉体派やん」

「ふむふむ」

「ロボット格闘技大好きそうやし、お父さんとはタイプが違いそうやなって」

「ふむふむ」

「そやろ?」

「まぁ、それが俺がアメリカへ旅立った理由のひとつでもあるんだけどね、ベイビー」

 しまった!もしかして家庭不和か?

 聞かへん方が良かったか?

 一瞬両津がそう思い目を見開いた時、正雄がスクリーンの両津を見つめながら語り始めた。

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