第371話 よろしくお願いします!
「超機動伝説ダイナギガ」がなんと25周年とのこと。四半世紀です。時の流れの恐るべき速さに呆然としてしまいます。そんなわけで、当時色々と書き溜めていたプロットや設定を元に、小説化してみようと思い立ちました。四半世紀前にこんなものがあった、そんな記録になれば良いなあなどと考えています。とりあえずのんびり書き進めますので、よろしかったらのんびりお付き合いくださるとありがたいです。なお、当時の作品をご存知無い方も楽しめるよう、お話の最初から進めていきたいと思います。更新情報は旧TwitterのXで。Xアカウントは「@dinagiga」です。
【この作品は原作者による「超機動伝説ダイナギガ」25周年記念企画です】
「でもボクらの推理は、そこで止まってしもたんですわ」
両津が肩をすくめた。
そんな両津の顔面に向けて、両腕で作ったバツを出すひかり。
「スト〜ップ!両津くん、一時停止違反です!」
「罰金」
マリエがひかりに続いてバッテンマークを両津に突きつけた。
そんなひかりとマリエを無視して、幸代が両津に問いかける。
「どうして止まってしまったの?」
両津が大きくため息をついた。
「よく考えたら、ボクらダイナギガについてなんにも分かってへんのですわ。すごい技術とか、すごいエネルギーとかって聞いただけで、実際どんなもんなんか知らへんのです」
生徒たち全員が、うんうんと大きくうなづいている。
「それと、これがいっちばん重要やと思うんやけど……」
両津はごくりとひとつ、つばを飲み込んだ。
「ボクらの何が、ダイナギガと関わっているのか、ボクらの共通点て具体的になんなのか、さっぱり分かってまへんのです」
生徒たち全員が、さっきより大きくうなづいている。
「なるほどね」
幸代は右手をアゴに当てると、少し考え込んだ。
そして美紀に目を向ける。
「田中さん、どう思います?」
美紀は少し首をかしげたが、すぐに幸代に向き直った。
「あくまでもこれは、私の個人的意見ですが……」
そう前置きすると、美紀は生徒たちを見渡した。
「そろそろ全てを話すべきなのではないでしょうか? もちろん、陸奥さんや雄物川さんに伺ってみないとダメだとは思いますが」
「なるほど……」
幸代が再び、眉根を寄せて考え込んだ。
そんな幸代をじっと見つめる生徒たち。
「分かりました」
顔を上げた幸代の表情は、いつもの明るいものに戻っていた。
「私から上に聞いてみます」
生徒たちの顔も明るくなる。
「よろしくお願いします!」
再びキレイに声が揃っていた。




